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3歳から小学校入学までは2つの措置が選べる

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2026/9/21公開

「時短が使えるのは子どもが3歳になるまで」と思い込んで、そのあとの両立を諦める人がいます。3歳を過ぎても、会社には別の措置を用意する義務があります。育児介護休業法23条の3を確認します。

小学校に入る前後は、送り迎えの負担や学童保育の有無など、働き方に関わる事情が変わりやすい時期です。ここで「時短が終わったから」と両立を諦める前に、会社に何が求められているかを知っておく意味があります。

3歳から小学校入学までが対象

23条の3の1項が、対象と会社の義務を定めています。

事業主は、その雇用する労働者のうち、その三歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育するものに関して、厚生労働省令で定めるところにより、労働者の申出に基づく次に掲げる措置のうち二以上の措置を講じなければならない。

3歳未満の子には23条の時短勤務(義務は1つ)がありますが、3歳から小学校入学までは、この23条の3が別に適用されます。「小学校就学の始期に達するまで」なので、小学校に入る前日までが対象です。

会社は5つのうち2つ以上を用意する義務がある

用意すべき措置は5つ挙げられていて、そのうち2つ以上を会社が選んで講じる義務があります。まず1号です。

始業時刻変更等の措置であって厚生労働省令で定めるもの

始業・終業の時刻をずらすフレックスタイムのような措置です。2号はテレワークです。

在宅勤務等の措置

3号は、これまでの時短勤務と同じ仕組みです。

育児のための所定労働時間の短縮措置

3歳未満の子を対象にした時短勤務の詳しい条件と、時短にしたときの給料の決まり方は時短勤務の給料はどう決まるか|年金の特例 にまとめています。23条の3の3号は、この時短勤務を3歳以降にも選べる形で残していることになります。

4号は追加の休暇を与える措置(子の看護等休暇・介護休暇・年次有給休暇は除く)、5号はそのほか厚生労働省令で定める措置です。会社はこの5つから2つ以上を選んで用意しなければならず、単独の措置だけでは足りません。どの2つを選ぶかは会社の裁量ですが、ゼロという選択肢は条文上ありません。たとえば始業時刻変更とテレワークの組み合わせもあれば、時短勤務と休暇の組み合わせもあり得ます。自分の勤務先がどの2つを選んでいるかは、就業規則や育児介護休業規程を見れば分かります。

労使協定で対象外にされることがある

すべての労働者に無条件で適用されるわけではありません。3項が、労使協定によって対象から外せる場合を定めています。対象になり得るのは次の労働者です。雇用されてから1年に満たない労働者。措置を講じないことに合理的な理由があると厚生労働省令で認められる労働者。そして、業務の性質上、1日未満の単位での休暇取得が難しいと認められる業務に従事する労働者です。労使協定が結ばれていなければ、この除外は使えません。自分の勤務先で労使協定が実際に結ばれているかどうかも、あわせて確認しておきたい点です。

4項では、会社が措置を講じようとするときに、あらかじめ労働組合または労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならないとも定めています。措置の中身は会社が一方的に決めるものではなく、労働者側の意見を反映させる手続きが挟まれる仕組みです。この意見聴取が実際に行われたかどうかは、労働組合がある会社なら組合に、無い会社なら過半数代表者に確認すれば分かります。自分がどの措置の対象になっているかを知る手がかりにもなります。

3歳になる前に、会社から知らされる権利がある

見落とされやすいのが5項です。

事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、三歳に満たない子を養育する労働者に対して、当該労働者が第一項の規定により当該事業主が講じた措置(以下この項及び第七項において「対象措置」という。)のいずれを選択するか判断するために適切なものとして厚生労働省令で定める期間内に、対象措置その他の厚生労働省令で定める事項を知らせるとともに、対象措置に係る申出に係る当該労働者の意向を確認するための面談その他の厚生労働省令で定める措置を講じなければならない。

**子が3歳になる前の決められた時期に、会社の側から措置の内容を知らせ、どれを使いたいか意向を確認する義務があります。**読者が自分から申し出るのを待つだけの制度ではなく、会社から動く場面が条文に組み込まれています。この案内が無いまま3歳を迎えた場合、会社がこの義務を果たしていない可能性があります。

申し出たことを理由に不利益に扱ってはならない

最後に、申出や意向確認の内容を理由にした不利益取扱いの禁止があります。

事業主は、労働者が対象措置に係る申出をし、若しくは第一項の規定により当該労働者に措置が講じられたこと又は前項において準用する第二十一条第二項の規定により確認された意向の内容を理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

申し出たこと、措置を使ったこと、意向確認で答えた内容そのものを理由にした解雇・不利益取扱いは禁止されています。「時短を希望したら評価が下がった」「意向確認でテレワークを選んだら配置転換された」というような扱いは、この条文に触れる可能性があります。心当たりがあれば、社内の相談窓口や都道府県労働局の総合労働相談コーナーに相談できます。

確かめ方

  • 子どもの年齢が3歳から小学校入学前までにあたるか確認する
  • 3歳になる前に、会社から措置の案内と意向確認があったか振り返る
  • 案内が無かった場合は、会社の人事・総務に23条の3の措置について問い合わせる
  • 用意されている2つ以上の措置のうち、自分の働き方に合うものを選ぶ
  • 申出をしたことで不利益な扱いを受けたら、日付と内容を具体的に記録しておく

「両立できないから辞める」と決める前に、会社に用意されているはずの措置を確認する価値があります。何も案内されていない場合、それは会社側の義務が果たされていないだけかもしれません。

この措置は退職を考えている人だけのものではありません。今の働き方に不満は無くても、選べる措置を知らないまま毎日を過ごしている人も多いはずです。一度、自分の勤務先が何を用意しているかを確認しておくと、状況が変わったときにすぐ動けます。

小学校に入ったあとの子の急な発熱や学校行事には、この措置とは別の休暇の仕組みがあります。子の看護等休暇は小学3年生の終わりまで使える にまとめました。

この記事で確かめたこと

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