退職代行の料金を9社の公式サイトで確かめた
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「退職代行 料金」で検索すると、相場をまとめた表がいくつも出てきます。2万円台が中心で、弁護士は少し高い、という形になっているものが多いはずです。
ただ、その数字がどこから来ているのかを辿ると、たいてい別の比較サイトに行き着きます。このページは相場を書きません。代わりに、9社の公式サイトと特定商取引法に基づく表記のページを実際に開いて、料金がどう書かれているかを確かめた結果を並べます。
見たのは表示額そのものではなく、表示額の外に何が書かれているかです。
9社の表示額と、その外にある費用
2026年8月23日に開きました。金額はどれも公式サイトに書かれている表記のままです。
| 窓口 | 公式サイトの表示額 | 表示額の外に書かれている費用 |
|---|---|---|
| 退職代行OITOMA | 一律20,000円 | 後払いを選ぶと手数料9,000円(税込) |
| 男の退職代行 | 21,800円(税込) | 組合費1,000円 |
| わたしNEXT | 21,800円(税込) | 組合費1,000円 |
| モームリ | 正社員・契約社員22,000円 | あと払いを選ぶと手数料3,000円(税込) |
| 円満退職ユニオン | 一律16,000円 | 追加料金なしと明記 |
| 退職代行SARABA | 一律24000円 | 記載なし |
| 退職代行Jobs | 27,000円(税込) | 組合費2,000円(同時加入の場合) |
| POOL BOX | 初期費用0円 | 特定商取引法のページに販売価格の記載 |
| 弁護士法人ガイア総合法律事務所 | 画像でのみ掲載 | — |
この並びは、払う額の順番ではありません。 右の列を足すと入れ替わります。

表示額がいちばん低い窓口が、払う額でも低いとは限らない
退職代行OITOMA のトップページには、こう書かれています。
退職代行OITOMAでは雇用形態に関係なく、一律20,000円となります。追加料金などは一切ございません。
9社のなかで表示額はいちばん低い額です。同じページの上のほうに、こうもあります。
手数料9000円(税込)、お申し込みから最長1ヶ月までの後払い
後払いを選ぶと29,000円になります。この額は、表示額27,000円の退職代行Jobs に組合費2,000円を足した額と同じです。
退職代行Jobsご利用時に同時加入の場合、組合加入金2,000円が免除となり、必要なのは組合費2,000円のみです
表示額の差は7,000円ですが、支払い方法の選び方で消えます。 どちらの窓口も、この条件を隠していません。料金表とは別の場所に書いてあるだけです。
「12,000円から」の「から」がどこに掛かるか
モームリ のトップページには、こう書かれています。
当社は12,000円からとサービスの金額を圧倒的に低く抑えて提供します。
同じサイトの特定商取引法に基づく表記のページには、こうあります。
正社員・契約社員22,000円
12,000円はアルバイトの額で、正社員には当たりません。 「から」の一文字が、雇用形態の条件をまとめて引き受けています。
特定商取引法に基づく表記に、金額が入っていないことがある
退職代行SARABA の特定商取引法に基づく表記のページは、販売価格の欄がこうなっています。
販売価格 TOPページの費用をご確認ください。
金額がありません。トップページのほうには、こう書かれています。
申込み価格は雇用形態に関わらず料金一律24000円となっています。追加料金は発生致しません。
退職代行Jobs も同じ欄に同じ一文を置いていますが、こちらは数字も一緒に入っています。27,000 で、トップページの表示額と一致します。
同じ欄が3週間で4回変わった窓口もあります。 退職代行OITOMA です。
| 見た日 | 販売価格の欄 |
|---|---|
| 2026年8月23日 | 24,000(トップページの一律20,000円と4,000円ずれていた) |
| 2026年9月10日 | 20,000 TOPページの費用をご確認ください。 |
| 2026年9月11日 | 20,000円(下に条件の一文が付いた) |
| 2026年9月12日 | 24,000円(条件の一文はそのまま残っている) |
いまの形はこうです。
販売価格 24,000円
そして同じ欄に、条件が書かれています。
o-itoma.jpの対象ページからLINE追加された方には、WEB限定料金20,000円(税込)が適用されます。
条件を満たさないときの額が24,000円で、満たすと20,000円になるという並びになりました。9月11日には販売価格の欄そのものが20,000円だったので、1日で4,000円動いています。
表示の中身は良くなっています。金額が入り、税込かどうかも書かれ、どういう場合にその額になるかまで書いてあります。それでも申し込む経路で額が変わり、その額が日単位で動くことは、先に確かめる材料になります。
事業者のページは書き換わります。同じ理由で、この記事の金額も確かめた日を書いてあります。
特定商取引法に基づく表記は、事業者が販売価格を示すよう求められているページです。 ここが本体と食い違っているなら、申し込む前に問い合わせて確かめる場所になります。
「初期費用0円」は、総額が0円ということではない
POOL BOX のトップページには、2026年9月11日まで他社と比べる表がありました。初期費用の欄が自社は0円で、他社は3万円台から5万円台という並びです。翌日に開いたら、その表ごと無くなっていました。 いまのトップページは金額を出さず、料金は別のページで確かめる形に変わっています。
初期費用が0円だという説明は、特定商取引法に基づく表記のほうに残っています。
ご契約時の初期費用は0円とし、分割(全8回)でお支払いいただきます。
同じページの販売価格の欄には、こう書かれています。
お客様が選択されるご契約プランにより異なります。(すべて税込)
一括払いプラン: 160,000円 分割払いプラン: 220,000円 後払いプラン: 280,000円
0円なのは初期費用の欄で、販売価格の欄は16万円からです。 そして完全後払いを選ぶと28万円になります。
ただしこの窓口は売っているものが違います。トップページの同じ表で、サポート範囲を「退職代行+給付金申請+転職支援」としています。退職代行だけの窓口と単純には並べられません。交渉については「交渉行為(法律事務)は行いません。」と明記しています(退職代行の労働組合は誰なのかで扱いました)。
だから比べるときは、金額の前に何が含まれるかを見ることになります。 含まれるものが違えば、桁が違っても不思議ではありません。
表示のずれを規制している条文
トップページと特定商取引法のページで金額が違うことを、景品表示法5条2号が対象にしています。
商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの
読みどころは「一般消費者に誤認される表示」の一語です。どこかに正しい額が書いてあれば足りる、という条文にはなっていません。 見られるのは、読んだ人がどう受け取るかのほうです。
同じ号は、他の事業者のものより著しく有利だと誤認される表示も挙げています。自社と他社を並べた表は、ここに当たります。
ただしこのサイトは、どの窓口がこれに当たるとも書きません。 判断するのは消費者庁で、こちらにできるのは公表されている表示を並べることまでです。上でやったのはそれだけです。
なお、根拠となる資料の提出を求める仕組み(7条2項)は、条文が「第五条第一号に該当するか否かを判断するため」としているので、価格の表示には働きません。「退職成功率」のような役務の内容についての表示なら1号なので対象になりますが、金額のほうは対象外です。
退職成功率・対応実績
- 景品表示法5条1号
- 7条2項で資料の提出を求められる
料金・初期費用
- 景品表示法5条2号
- この条文では資料の提出を求められない
違うのは号。根拠の提出を求められるのは1号(品質・内容)だけで、価格その他の取引条件は入らない
だから金額については、特定商取引法に基づく表記のページを自分で開くことになります。
提携している4社は、税込かどうかまで確かめた
9社のうち、このサイトが提携している4社については、「税込価格がテキストで書かれているか」まで見ています。2026年8月15日に確認しました。
| 窓口 | 運営元 | 公式サイトでの料金の書かれ方 |
|---|---|---|
| 男の退職代行 | 労働組合 | 税込価格がテキストで明記。追加費用も明記 |
| わたしNEXT | 労働組合 | 同上 |
| 円満退職ユニオン | 労働組合 | 金額はテキストにあるが、税込か税別かの記載が無い |
| 弁護士法人ガイア総合法律事務所 | 弁護士 | 本文に金額のテキストが無く、画像に載っている |
4社のうち、税込価格をテキストで確かめられたのは2社でした。
残り2社は「料金が高い」「安い」以前に、自分が払う額を公式サイトの文字から確定できません。比較サイトに数字が載っていても、それはどこかで転記されたものです。
表に出ていない1,000円
税込価格が確かめられた2社にも、金額の外にあるものがありました。
アルバイト・パート(社会保険未加入) ¥18,800(税込) アルバイト・パートの方で社会保険に入っていない方 (組合費別途¥1000)
括弧の中が本体と同じくらい効きます。 労働組合が運営する窓口に依頼するということは、その組合に加入するということで、組合費が別に発生します。ここでは1,000円と明記されています。
なぜ加入が発生するのかは条文の側の話で、退職代行|弁護士と労働組合の違いに整理しました。労働組合法6条が「委任を受けた者」まで交渉の主体を広げているため、組合員でない人のために交渉する形にはならない、という構造です。
比較表に「組合費」の列があることは、まずありません。 料金の欄には21,800円と書かれ、組合費は申し込みの流れの中に出てきます。総額で見ると差が変わることがあります。

「税込か税別か」が書かれていないとき
円満退職ユニオンの公式サイトには、こう書かれています。
一案件一律16,000円で追加料金はありません。
金額はあります。追加料金が無いことも書かれています。ただしページ全体を通して「税込」も「税別」も1度も出てきません。
16,000円は税込の額として自然な数字ですが、それは読む側の推測です。このサイトは料金を載せるときに税込価格がテキストで明示されている場合だけと決めているので、この窓口については金額を表に書かず、書けない理由のほうを表示しています。
推測で埋めると、読者は確かめようがありません。 実際に問い合わせたときに「別途消費税」と言われても、こちらのページを根拠にできないことになります。
下がったのは入口だけのことがある
この16,000円は、2026年9月19日に22,000円から下がったものです。
2026年9月19日より、加入時の費用を22,000円から16,000円へ改定いたしました。
6,000円下がっていますが、下がった中身を同じお知らせが書いています。
今回の改定では、組合費の月額6,000円は変更せず、加入時の前納期間を3ヶ月分から2ヶ月分へ変更することで、加入時のご負担を軽減いたしました。
月々の組合費は動いていません。最初にまとめて払う月数が3か月から2か月に減っただけです。差の6,000円は組合費1か月分にあたります。
退職の手続きが終わってすぐ抜けるなら、入口が6,000円軽くなります。組合に3か月いるなら、3か月目の組合費を後から払います。その場合、払う総額は変わりません。表示額が下がったことと、払う総額が下がることは別です。
同じ見方は、組合費を別に取る他の窓口にも当てはまります。上の表に「組合費1,000円」と並んでいるものがあります。その1,000円が1回きりか毎月かで、3か月後の総額が変わります。
画像でしか載っていないとき
弁護士法人ガイアの公式サイトは、料金が画像で掲載されています。
本文のテキストは問い合わせフォームの項目名が大半で、金額の文字はありません。比較サイトには金額が載っていますが、その数字がどこから取られたものかを追えません。
このサイトでは、こういう場合に金額を空欄にせず、「公式サイトに画像で掲載されているため未掲載」と表示しています。空欄だと「調べていない」のか「書けない」のかが読者に区別できないためです。
相場を書かない理由
ここまでの4社だけを見ても、料金の書かれ方は3通りに分かれました。同じ「2万円台」でも、組合費が別にかかるか、税込かどうかが確定しているか、そもそも公式で確かめられるかが違います。
「相場は2万円から3万円」と書くと、この違いが全部消えます。そして消えた分は、申し込んだあとに読者の側に戻ってきます。
料金を調べる目的が「いくら用意すればいいか」なら、見るべきは相場ではなく、自分が申し込む窓口の公式サイトに書かれている条件のほうです。
確認する順番
そもそも費用をかけるかどうかから決められます。制度や違法性の確認が目的なら、行政の窓口で無料で相談できます。 総合労働相談コーナーは全国378か所にあり、予約も要りません。ただし本人に代わって会社へ退職を伝えることはしないので、「自分では言い出せない」が理由の場合はここでは解決しません。線引きは退職相談は無料の公的窓口でできるにまとめました。
有料の窓口に頼むと決めた場合は、料金を比べる前に先に決まってしまうことがあります。
運営元です。 有給の交渉や未払い賃金の請求が必要なら、民間業者は選択肢から外れます。弁護士法72条の制限があるためで、料金が数千円安くても、頼めることが違います。運営元ごとの範囲は退職代行の窓口を運営元で選ぶにまとめました。その運営元をどこで確かめるかは退職代行の労働組合は誰なのかにあります。組合費や後払い手数料は、料金表とは別の欄に書かれていることが多いところです。
そのうえで、金額については次を確認してください。
- 税込か税別か(書かれていない場合は問い合わせで確認する)
- 追加費用があるか。組合が運営する窓口なら組合費の有無と金額
- 返金保証があるなら、何を保証するものか
- 相談だけなら無料か
返金保証の中身は、思っているものと違うことがあります。退職代行の失敗とトラブルで扱っています。
まとめ
- 9社の表示額を並べても、払う額の順番にはならない。後払い手数料と組合費が別にある
- 表示額20,000円の窓口は、後払いを選ぶと29,000円になり、表示額27,000円の窓口と並ぶ
- トップページと特定商取引法のページで金額が違う窓口があった
- 「初期費用0円」と書きながら、販売価格の欄が16万円からの窓口があった。売っているものが違う
- 提携している4社を開いたところ、税込価格をテキストで確かめられたのは2社だった
- 1社は金額があるが税込か税別かの記載が無く、1社は画像でしか載っていない
- 税込価格が確かめられた2社にも、組合費が別に1,000円かかると明記されている
- 比較表に組合費の列があることはまずない。総額で見ると差が変わる
- 相場の数字は、この違いを全部消してしまう
料金は変わることがあります。申し込む前に、その窓口の公式サイトで最新の記載を確認してください。 書かれていない項目は、無料相談の場で聞けます。
払ったあとで取り消せるかは、料金とは別の条文で決まります。退職代行にクーリングオフの条文は無いにまとめました。