退職代行の労働組合は誰なのか|13社
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先に結論
「労働組合が運営」と書いてあっても、あなたが契約する相手が労働組合とは限りません。
退職代行の公式サイト13社を開いて、特定商取引法に基づく表記のページと組合概要のページを読みました。そこに事業者として名前が出ていたのは、株式会社や合同会社が6社、労働組合が5社、弁護士法人が2社でした。
トップページの見出しと、特定商取引法のページの事業者名が食い違うことがあります。そして、できることを決めるのは見出しのほうではありません。

なぜ事業者名を見るのか
会社と交渉できるのは、労働組合か弁護士だけです。民間の会社は、退職の意思を伝えることはできても、有給の消化や退職日について会社と話をまとめることができません。根拠は弁護士法72条で、詳しくは退職代行の窓口を運営元で選ぶにあります。
だから読者が知りたいのは「どこが交渉するのか」です。そしてそれは、トップページのキャッチコピーではなく、お金を払う相手の名前に現れます。
特定商取引法に基づく表記は、通信販売をする事業者が示すよう求められている事項をまとめたページです。何を示すかは施行規則23条1号に書かれています。
販売業者又は役務提供事業者の氏名又は名称、住所及び電話番号
法人が電子情報処理組織を使う方法で広告する場合は、同条2号で代表者か通信販売の業務の責任者の氏名も加わります。広告の文言と違って、ここは飾れません。
13社を分類した結果
2026年8月23日に、各社の公式サイトを開いて数えました。事業者名は特定商取引法のページ、労働組合は組合概要のページから採っています。
事業者として名前が出ていたもの社数
- 株式会社・合同会社6
- 労働組合5
- 弁護士法人2
いちばん多いのは株式会社です。 ただしこれは「交渉できない6社」という意味ではありません。株式会社が窓口になり、交渉は別の労働組合が行う、という形が混じっています。
株式会社が窓口で、労働組合が実行する形
退職代行OITOMA の特定商取引法のページには、事業者として株式会社の名前があり、その下にこう書かれています。
運営労働組合:労働組合日本通信ユニオン
退職代行SARABA の同じページには、事業者として別の株式会社の名前があり、注意書きにこうあります。
※退職代行の実行は退職代行SARABAユニオンが行います。
どちらも隠していません。書いてあります。ただ、トップページだけを見ていると気づかない場所にあります。
この形が悪いわけではありません。実際に交渉するのが労働組合なら、できることの範囲は労働組合のものになります。読者が確かめるべきなのは、その組合の名前が書かれているかどうかです。
書かれていなければ、交渉を誰がするのか分からないまま契約することになります。
労働組合そのものが事業者になっている形
一方で、組合が前に出ている会社もあります。この形は、組合概要のページに法人番号まで載っていることが多く、国税庁の法人番号公表サイトで照合できます。
実際に法人番号が載っていたのは、退職代行ローキ(労働基準調査組合)、退職代行ガーディアン(東京労働経済組合)、円満退職ユニオンの3社でした。
法人番号は13桁の数字で、誰でも検索できます。組合の名前だけでは実在を確かめられませんが、番号があれば確かめられます。
なお、組合が事業者になっている場合は、料金のほかに組合費がかかることがあります。ローキの組合概要には加入費と年間組合費が別に書かれていましたし、男の退職代行とわたしNEXT も組合費が別途1,000円と明記しています。総額を比べるときは、この欄まで見てください。
交渉しないと書いてある会社もある
POOL BOX のよくある質問には、こう書かれています。
交渉行為(法律事務)は行いません。
そのうえで、交渉が必要な場合は提携している弁護士・社会保険労務士・労働組合を案内するとしています。
これはいちばん正直な書き方です。 退職の意思を伝えるところまでを引き受けて、交渉はしないと先に言っている。読者は自分の事情と照らして選べます。
問題になるのは、交渉できない体制なのに「有給も残業代も任せてください」と読める書き方をしている場合です。そういう書き方をしていないかは、料金表ではなく特定商取引法のページと突き合わせると見えます。

表記が埋まっていない会社もあった
13社を開く過程で、運営者情報が編集前のテンプレートのまま公開されているサイトが1件ありました。会社名の欄が「◯◯株式会社」、郵便番号が「〒000-0000」、電話番号が「03-1234-5678」のまま残っています。
事業者を確かめるためのページなので、ここが埋まっていないと確かめようがありません。社名を出して責める話ではなく、確かめ方の話として書いています。開いてみて欄が埋まっていなければ、そこで判断がつかない、という結論になります。
自分で確かめる手順
3分で終わります。
- 公式サイトのいちばん下までスクロールする。「特定商取引法に基づく表記」のリンクはたいていフッターにあります
- 事業者名を見る。株式会社なら、同じページに労働組合か弁護士の名前があるかを探す
- 労働組合の名前があれば、組合概要のページで法人番号を探す
- 料金の欄と、組合費・送料・後払い手数料の欄を両方見る
1で見つからない場合は、それ自体が結果です。 通信販売をする事業者は表示を求められているので、探しても出てこないなら、そのまま判断材料になります。
料金の安さだけで並べると逆になる
13社の料金を並べると、安いほうに組合が事業者になっている会社が来ることがあります。組合費を足すと順番が変わるので、表示額だけの比較では判断できません。
料金の確かめ方は退職代行の料金は公式サイトで確かめられるかに分けて書きました。税込か税別かが書かれていない窓口があること、比較サイトの金額が公式サイトに見つからないことがあることを、実際に開いて確かめています。
まとめ
- 契約する相手は、キャッチコピーではなく特定商取引法のページに書かれている
- 株式会社が窓口で労働組合が実行する形がある。その組合名が書かれているかを見る
- 組合が事業者になっている場合は、法人番号で実在を確かめられる
- 組合費・送料・後払い手数料は、料金表と別の欄にあることが多い
- 交渉をしないと明記している会社もある。書いてあるほうが選びやすい
有給や退職日について会社と話をまとめたいなら、交渉できる相手を選ぶことになります。運営元ごとに何ができるかは退職代行の窓口を運営元で選ぶにまとめました。