就活エージェントのおすすめを数字で確かめる
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「就活エージェント おすすめ」で出てくるページは、たいてい各社の自己申告を並べています。内定率、満足度、支援実績。どれも数字ですが、何を数えたかを決めているのは、その数字を出した会社自身です。だから会社をまたいで比べることができません。
同じ様式で集められている数字が、別のところにあります。国が有料職業紹介事業者から集めて公表しているもので、誰でも無料で引けます。ここではその引き方と、実際に5社を引いた結果を置きます。
就活エージェントは、国の許可を受けた事業者
呼び名がどうであれ、企業から求人を預かって学生に紹介する行為は職業安定法の「職業紹介」にあたります。学生から料金を取らなくても、採用した企業から手数料を受け取るので、法律上は有料の職業紹介です。条文から追った説明は就活エージェントとは|無料の仕組みと確かめ方にあります。手数料の流れはエージェントが無料である仕組みのほうです。
許可を受けた事業者には、許可番号が付きます。形は「13-ユ-070309」のようになります。頭の2桁が許可した労働局の都道府県、真ん中の「ユ」が有料職業紹介事業です。

国が同じ様式で集めている数字がある
職業安定法32条の16第3項が、有料職業紹介事業者に情報提供を義務づけています。
有料職業紹介事業者は、厚生労働省令で定めるところにより、当該有料職業紹介事業者の紹介により就職した者の数、当該有料職業紹介事業者の紹介により就職した者(期間の定めのない労働契約を締結した者に限る。)のうち離職した者(解雇により離職した者その他厚生労働省令で定める者を除く。)の数、手数料に関する事項その他厚生労働省令で定める事項に関し情報の提供を行わなければならない。
出す先は厚生労働省の「人材サービス総合サイト」です。各社が自分のサイトで出す数字とは、ここが違います。何を数えるかを国が決めていて、様式が同じです。だから会社をまたいで並べられます。
何を出すかは、省令が号で並べている
条文が「厚生労働省令で定める事項」に送っているので、中身は職業安定法施行規則24条の8第3項にあります。
有料職業紹介事業者は、職業安定局長の定めるところによりインターネツトを利用して、第一号に掲げる事項にあつては前年度(年度は、四月一日から翌年三月三十一日までをいう。以下この項及び次項において同じ。)の総数及び当該年度前四年度内の各年度の総数(四月一日から九月三十日までの間は前年度の総数及び当該年度前五年度内の各年度の総数)に関する情報を、第二号及び第三号に掲げる事項にあつては前年度の総数及び当該年度前四年度内の各年度の総数(四月一日から九月三十日までの間は前年度前五年度内の各年度の総数)に関する情報を、第四号及び第五号に掲げる事項にあつてはその時点における情報を、それぞれ、提供しなければならない。一当該有料職業紹介事業者の紹介により就職した者(以下この号において「就職者」という。)の数及び就職者のうち期間の定めのない労働契約を締結した者(以下この条において「無期雇用就職者」という。)の数二無期雇用就職者のうち、離職した者(解雇により離職した者及び就職した日から六月経過後に離職した者を除く。)の数三無期雇用就職者のうち、前号に掲げる者に該当するかどうか明らかでない者の数四手数料に関する事項(有料職業紹介事業者の取扱職種ごとの常用就職一件当たりの平均手数料率(法第三十二条の三第一項第一号及び第二号に係る手数料の合算額を、あつせんにより就職した求職者が従事すべき業務につき一年間に支払われることが見込まれる賃金額で除したものにつき、当該就職一件当たりの平均として職業安定局長の定めるところにより算定したものをいう。この号において同じ。)の実績を含む。ただし、有料職業紹介事業者がその取扱職種ごとの常用就職一件当たりの同項第一号及び第二号に係る手数料を定額で徴収する場合には、平均手数料率の実績に代えて、職業安定局長の定めるところにより算定した当該就職一件当たりの平均手数料額の実績とすることができる。)五返戻金制度に関する事項
号だけ取り出すと、就職者の数と無期雇用就職者の数(一号)、無期雇用就職者のうち離職した者の数(二号)、二号に該当するかどうか明らかでない者の数(三号)、手数料に関する事項(四号)、返戻金制度に関する事項(五号)です。
三号を見落とさないでください。追跡できなかった人の数も、出す義務があります。離職した人の数だけを見て割ると、この分が分母から抜けたまま計算することになります。
二号の括弧も読むところです。数えるのは離職した人の全部ではなく、解雇で離職した人と、就職した日から六月経過後に離職した人を除いた数です。つまり公表されているのは六月以内に自分から辞めた人の数で、一年後や二年後に辞めた人はここに出てきません。数字が小さいことは、長く続いていることの証明にはなりません。
四号の括弧の中も読むところです。「常用就職一件当たりの平均手数料率」を、あつせんにより就職した求職者が従事すべき業務につき一年間に支払われることが見込まれる賃金額で除したものと定めています。定額で徴収する会社は、率の代わりに平均手数料額を出してよいことになっています。
返戻金制度があると、離職者の数え方が変わる
同じ職業安定法施行規則24条の8の6項です。
前項の規定にかかわらず、有料職業紹介事業者が、返戻金制度を設けている場合であつて、無期雇用就職者のうち返戻金制度に基づき手数料を免除する事由に該当したものの数を集計する方法により第三項第二号に規定する数を集計する場合は、前項の調査は、行うことを要しない。
原則は5項で、雇用主に調査してから二号の数を出します。ところが返戻金制度を設けている会社は、その制度で手数料を免除した数で代えてよいことになっています。
同じ二号の数字でも、出どころが会社によって違いうるということです。返戻金制度を持つ会社の数字は「手数料を返した件数」に近くなり、持たない会社の数字は「調査して分かった離職の件数」になります。並べるときは、五号の返戻金制度の欄も一緒に見ることになります。
5社を引いた結果
人材サービス総合サイトの職業紹介事業所検索で、事業主名称から引きました。基準日は令和8年8月1日現在です。就活で名前を見ることが多い運営会社を選びました。
まず許可の情報です。
| 運営会社 | 許可番号 | 許可年月日 |
|---|---|---|
| 株式会社マイナビ | 13-ユ-080554 | 平成14年3月1日 |
| レバレジーズ株式会社 | 13-ユ-302698 | 平成19年10月1日 |
| 株式会社ネオキャリア | 13-ユ-070309 | 平成13年2月1日 |
| 株式会社ジェイック | 13-ユ-010450 | 平成12年8月1日 |
| 株式会社UZUZ | 13-ユ-305514 | 平成24年7月1日 |
次に就職者の数です。「常用就職」は4か月以上の有期と無期を合わせた件数です。
| 運営会社 | 常用就職 | うち無期雇用 |
|---|---|---|
| 株式会社マイナビ | 31,662人 | 27,464人 |
| レバレジーズ株式会社 | 5,067人 | 5,060人 |
| 株式会社ネオキャリア | 3,386人 | 503人 |
| 株式会社ジェイック | 2,720人 | 2,720人 |
| 株式会社UZUZ | 空欄 | 空欄 |
4か月未満の有期を延べ人日で数えた「臨時・日雇」の欄もあります。マイナビが492,255人日、ネオキャリアが30,252人日で、レバレジーズとジェイックは0人日、UZUZは空欄でした。このうちマイナビとジェイックには、職業紹介優良事業者の認定番号も並んでいました。それぞれ第2102006(04)号と第2102005(04)号です。
常用就職に占める無期雇用の割合が、会社ごとに違う
新卒で入る会社は、ふつう期間の定めのない雇用です。そこで常用就職のうち無期雇用が何割かを出すと、会社の性格が見えます。
常用就職に占める無期雇用の割合その会社が全体としてどんな就職を多く扱っているか
- 株式会社ジェイック100%2,720人のうち2,720人
- レバレジーズ株式会社99.9%5,067人のうち5,060人
- 株式会社マイナビ86.7%31,662人のうち27,464人
- 株式会社ネオキャリア14.9%3,386人のうち503人
ジェイックは100%、レバレジーズは99.9%、マイナビは86.7%、ネオキャリアは14.9%でした。ネオキャリアは臨時・日雇の欄が30,252人日あり、マイナビは492,255人日あります。無期雇用の紹介だけをしている会社と、短期の仕事も大きく扱っている会社が混ざっている、ということです。

この数字が答えていないこと
ここを飛ばすと読み違えます。
会社全体の数字であって、就活サービス1つの数字ではありません。 たとえばネオキャリアは、新卒向けのほかに派遣や中途の紹介も手がけています。表の3,386人はその全部を足したものです。マイナビも同じで、新卒紹介だけの数字ではありません。割合が低いことは、その会社の新卒サービスの中身を表しているわけではありません。
支社の行に同じ数字が並びます。検索結果は事業所ごとに行が出ますが、就職者の欄は会社の合計です。入力の手引きにこう書かれています。
複数事業所がある場合は合計した数を入力してください。
支社の数だけ足し算すると、何倍にもなってしまいます。
空欄は0件ではありません。同じ手引きに、実績がない年度の扱いが書かれています。
許可有効期間であった年度において、実績がない場合は当該年度欄に0を入力してください。
実績が無いなら0を入れることになっているので、空欄は「0件」ではなく「入力されていない」と読むのが素直です。UZUZが空欄だったのはこの形にあたります。
離職者数の欄が空でも、出していないとは限りません。 項目ごとに掲載の時期が決まっているためです。その事情は転職エージェントの実績は人材サービス総合サイトで調べられるに書きました。2026年9月に見た時点で数字が入っていたのは、ジェイックだけ(194人)でした。
自分で引くときに詰まるところ
検索の手順は転職エージェントの実績は人材サービス総合サイトで調べられるに書きました。ここでは就活で詰まりやすいところだけを足します。
サービス名では引けません。入力するのは運営会社の名前です。「就職エージェントneo」「キャリアチケット」では出てきません。先に公式サイトの会社概要か、特定商取引法に基づく表記で運営会社を確かめてください。運営会社が書かれていないサービスは、この検索そのものができません。そこも判断材料になります。
公式サイトに許可番号が無くても、引けることがあります。株式会社ジェイックは、公式サイトのトップにも会社情報のページにも許可番号がありません。それでも人材サービス総合サイトでは、13-ユ-010450として出てきます。載っていないことと、許可が無いことは別です。
引いた5社のうち、当サイトが窓口を持っている2社
この記事で並べた5社のうち、2社を窓口として置いています。どちらも上の表に入っているので、許可番号と就職者の欄は書いたとおりです。
就職エージェントneo は株式会社ネオキャリアのサービスです。表の3,386人・無期503人は会社全体の数字なので、このサービス単体を表す数字ではありません。読者が先に確かめるべきなのは対象年度で、2027年卒と2028年卒が対象、卒業後の既卒者は対象外です。
JAIC就職カレッジ は株式会社ジェイックのサービスです。表のとおり、常用就職2,720人がすべて無期雇用です。職業紹介優良事業者の認定番号(第2102005(04)号)も並んでいました。離職者数の欄にも194人と入っていて、5社のうち数字が入っていたのはここだけです。対象は18歳から35歳までで、新卒に限られません。
まとめ
「おすすめ」を比べるとき、各社が自分で選んだ数字は会社をまたいで並びません。国が同じ様式で集めている数字なら並びます。見るのは許可番号と許可年月日、常用就職とそのうちの無期雇用、そして優良事業者の認定の有無です。ただし会社全体の数字なので、サービス1つの良し悪しには直接つながりません。そこは対象年度や面談のやり方など、サービスごとの条件で見ることになります。