退職の段取り帳

転職エージェントが無料なのはなぜ?費用の流れと注意点

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2026/10/9更新 2026/7/28公開

転職エージェントの紹介手数料は、求職者ではなく採用する企業が払います。 職業安定法は求職者からの手数料徴収を原則禁じています。ただし交通費や別契約の講座まで、すべて無料という意味ではありません。

求職者

  • 求人紹介・選考支援の手数料は原則負担しない
  • 希望条件と提案理由を確かめる

採用する企業

  • 紹介会社へ手数料を払う
  • 早期離職時の返戻条件を設ける場合がある

別契約の講座

  • 受講者が料金を払うことがある
  • 金額と返金条件を申込前に確認する

無料なのは職業紹介の相談。別の有料契約があるかは個別に確認する

転職相談で、費用を負担する人と目的を分ける

相談前に3つ聞いておく

  1. 自分の年齢や仕事の経験、働きたい地域が対象に入るか。
  2. どんな仕事を扱い、希望と違う求人をすすめる理由は何か。
  3. どれくらい連絡が来るか。紹介とは別に、お金のかかる契約があるか。

内定が出たら、求人票と労働条件通知書を見比べます。見る項目は労働条件通知書の見方にまとめました。お金の仕組みだけで担当者の考えを決めつけず、なぜその求人をすすめるのか聞くための準備です。

法律は求職者からの手数料を原則禁じる

転職エージェントが求職者に料金を請求しないのは、法律で原則として禁じられているからです。職業紹介の一環として行う面談や求人紹介、書類の添削の手数料も原則として取れません。交通費や別契約の有料講座まで無料という意味ではありません。根拠は職業安定法32条の3第2項です。

職業安定法32条の3第2項を開く

有料職業紹介事業者は、前項の規定にかかわらず、求職者からは手数料を徴収してはならない。ただし、手数料を求職者から徴収することが当該求職者の利益のために必要であると認められるときとして厚生労働省令で定めるときは、同項各号に掲げる場合に限り、手数料を徴収することができる。

求職者からの手数料は原則として取れません。 厚生労働省の職業紹介事業の運営要領も、受け取れる手数料を限って並べ、それ以外はいかなる名義でも受けられないとしています。

費用は求人企業が払っている

費用を払うのは、あなたを採用した企業です。上限制手数料の徴収先として、運営要領が挙げているのは次の相手です。

徴収の基礎となる賃金が支払われた日以降、求人者又は関係雇用主

金額の決まり方は2種類あります。上限制手数料の限度は、運営要領では支払われた賃金額の100分の10.8(免税事業者は10.3)に相当する額です。もう一方の届出制手数料は、事業者が厚生労働大臣に届け出た手数料表の額で、上限の定めはありません。

よく言われる「年収の3割」という数字は、確認した公的な資料には見つからなかったため、金額の目安は書きません。厚生労働省の集計(令和6年度・速報)では、常用就職1件あたりの手数料は約103万円です。有料職業紹介事業の集計で、前年度比10.9%増でした。

求職者から取れる例外もある(職業安定法32条の3第2項)

求職者から手数料を取れるのは、芸能家・モデルと、経営管理者・科学技術者・熟練技能者の職業に限られます。ただし経営管理者・科学技術者・熟練技能者については、紹介によって就いた職業の賃金が年収700万円を超える場合に限られると明記されています。

一般的な転職でこれに当たることはまずありません。「あなたの場合は手数料が必要」と言われたら、その根拠を確認してください。

利害がずれる場面がある

成功報酬型の紹介では、企業が紹介会社へ支払います。料金の決め方によっては、あなたと紹介会社の希望がずれる場面もあります。

一致するところ

  • あなたが受かる会社を探す。受からなければ収益はゼロ
  • 書類や面接の対策をする。通過率が上がれば成約に近づく
  • 早期離職を避けたい。返戻金制度がある場合は、その条件も関わる

ずれるところ

  • 転職しないという結論には収益がつきません
  • 求人票の枠に収まる転職ほど成立しやすい
  • 年収に料率を掛ける料金なら、年収が高いほど報酬額も上がる。ただし、それだけで紹介の順番は分からない

報酬の仕組みだけで担当者の判断を決めつけず、希望と違う求人を勧められたら、その理由を聞いてください。

「返金条項」には法令上の名前がある(職業安定法施行規則24条の5)

返戻金制度を設けている場合、早期離職など契約で決めた条件に当たると、企業側の手数料の全部か一部を返すなどの扱いになります。すべての紹介会社に返戻金制度があるわけではなく、退職だけで自動的に返金されるものでもありません。職業安定法施行規則24条の5は、これを返戻金制度という名前で定義しています。

職業安定法施行規則24条の5を開く

返戻金制度(その紹介により就職した者が早期に離職したことその他これに準ずる事由があつた場合に、当該者を紹介した雇用主から徴収すべき手数料の全部又は一部を返戻する制度その他これに準ずる制度をいう。以下同じ。)に関する事項

入社後の連絡には、就業状況の確認や支援などの目的もあります。返戻金制度だけで、各社が連絡する理由や頻度は決まりません。

手数料表と返戻金は、見せることが義務になっている(規則24条の5第4項)

手数料表と返戻金制度は、事業者が掲示やインターネットで情報として出さなければなりません。規則24条の5第4項です。

規則24条の5第4項を開く

有料職業紹介事業者は、手数料表、返戻金制度に関する事項を記載した書面及び業務の運営に関する規程について、その事業所内の一般の閲覧に便利な場所への掲示、インターネットの利用その他の適切な方法により、情報の提供を行わなければならない。

令和6年4月1日からは、事業所内の掲示に代えて自社のホームページなどでもよくなりました(厚生労働省)。つまりサイトに載っていないこと自体は違反ではありません。 面談の前に「手数料表と返戻金制度を見せてほしい」と言うこともできます。断られる理由が無いものなので、そこでの反応も判断材料になります。

返戻金制度の有無を、8社で実際に確かめた

返戻金制度の有無は、人材サービス総合サイトで確かめられます。2026年9月21日に、この記事と関連記事で扱っている8社を検索しました。基準日はいずれも令和8年9月1日現在です。

会社(運営元)許可番号手数料・返戻金制度
ジェイック(JAIC就職カレッジ)13-ユ-010450有・有
株式会社UZUZ(UZUZ第二新卒)13-ユ-305514有・有
株式会社ユニゾン・テクノロジー(ユニゾンキャリア転職)13-ユ-313348有・有
株式会社ガイアックス(Remoful)13-ユ-312429有・有
株式会社夢キャリ(キャリナビ転職)23-ユ-303256有・無
株式会社リアルミー(リアルミーキャリア)13-ユ-308876有・有
株式会社にゃー(猫の手AGENT)13-ユ-316977未・未
株式会社ネオキャリア(第二新卒エージェントneo)13-ユ-070309有・有

8社中6社が「有・有」で、夢キャリだけ返戻金制度が「無」、にゃーだけ両方とも「未」でした。「未」は「無」とは違う欄です。

就職者数の欄では、ジェイックは常用就職2,720人・離職者0人でした。ネオキャリアは常用就職3,889人・離職者「-」、残り6社はどちらも「-」でした。空欄は離職者がいないという意味ではありません。 掲載の時期は項目ごとに決まっていて、まだ埋まっていない期間があります(実績は人材サービス総合サイトで見られる)。

だから使い分けになる

求人の中身、書類の通過率、面接の受け答え

  • 転職エージェント

今の会社の労働条件が法的にどうなのか

  • 労働基準監督署の総合労働相談コーナー(無料)

辞めるべきかどうか

  • どちらでもない
  • 判断材料を自分で揃える

辞めるかどうかの判断は、エージェントの利益と重なる

無料の仕組みを踏まえると、相談先はこう分かれる

辞めるか迷う段階と、求人を探す段階を分けて相談します。学生は就活エージェントとキャリアセンターの違い、在職中の問題は退職前の有給消化、応募時の説明は退職理由の伝え方も確認してください。

公開実績も自分で確かめる

就職者数と入社6か月以内の離職者数、職種ごとの平均手数料率は、厚生労働省のサイトで公開が義務づけられていて、申し込む前に自分で調べられます。

研修と紹介をまとめて無料で案内する窓口にも、職業紹介の許可が要ります(未経験のIT転職は許可番号を確認する)。JAIC就職カレッジは紹介の前に無料の就職支援講座を挟む形です。2026年9月2日にはサイトに許可番号が無く、人材サービス総合サイトを事業者名で引くと確かめられます。

求職者に料金を請求できる相手もいる

求人を紹介するのでも、求人情報を出すのでもない、転職の指導だけを行うスクールは、受講料を利用者本人から取れます。20代向けの「ホワイトアカデミー」を運営するAvalon Consulting株式会社の、料金についての回答です。

はい。授業料という形で料金がかかります。

金額はこのページにも運営会社の情報ページにも無く、無料相談会で聞くことになります。メインの対象年齢は21歳〜29歳です。返金の制度はこうです。

当スクールのカリキュラムを消化したにも関わらず、ホワイト企業総合研究所が認定した「ホワイト企業」の内定を1社も獲得できなかった場合、授業料を全額返金いたします。

ここで見ておくのは、「ホワイト企業」を誰が決めているかです。

ホワイト企業総合研究所が、約5万社の中から独自の調査で格付けを行っています。

ホワイト企業総合研究所は、運営会社の情報ページに同社の事業として挙がっています。つまり返金の条件になる基準を、サービスを提供する側が決めています。

見るところ / 確かめ方

誰が費用を払うか
職業紹介なら採用した企業。指導だけのサービスなら自分
職業紹介の許可があるか
厚生労働省の人材サービス総合サイトで社名を引く
金額と返金の条件
受講料の数字が書かれているか。無ければ相談の場で聞く

エージェントを紹介するサービスは、届出の種類が違う

「どのエージェントが自分に合うか」を先に相談する窓口もあります。転職エージェントナビを運営するcircus株式会社を、人材サービス総合サイトで調べました。職業紹介事業では全国・社名の部分一致で0件、特定募集情報等提供事業では届出(51-募-001506)が出てきます。求人を紹介する立場ではなく、求職者とエージェントを引き合わせる立場です。

応募先の第二新卒の離職者数と、登録時に渡す情報の範囲も確認できます。

職業安定法施行規則24条の5は、2026年10月9日に10月施行版で確かめました。情報を公開する根拠は第4項で、以前の第2項という説明を直しました。会社を調べた日と表の基準日は、そのまま残しています。

この記事で確かめたこと

原文から引用した文
7件
出典
4件(法令 2)
更新

引用が出典の原文と一致するかを、公開後も機械で照合しています。確かめ方は運営者情報にあります。

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