退職の段取り帳

未経験のIT転職|求人紹介と有料講座を見分ける

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2026/8/17公開

未経験からITの仕事を探すときは、求人を紹介してもらうのか、講座で学ぶのかを先に分けます。紹介を受けるなら許可番号を、講座を買うなら受講料の総額と解約条件を確かめてください。両方をうたう窓口なら、二つの条件を別々に読みます。

求人を紹介してもらう

  • 職業紹介の許可番号を確かめる
  • 紹介の手数料と研修費用を混同しない

講座で学ぶ

  • 受講料と追加費用の総額を見る
  • 途中でやめるときの条件を読む

無料かどうかだけでなく、実際に何を提供するかで確かめる項目が変わる

当サイトが整理した、申込前に分ける二つの用事

費用をかけずに学ぶ道も比べる

ハローワークが案内する訓練にはIT分野のものがあり、受講そのものは無料です。失業給付との関係は職業訓練と失業給付に整理しました。講座を自分で選ぶなら、教育訓練給付の対象かも見ます。期限は教育訓練給付金で確認できます。訓練は公的なもので受け、仕事の紹介は民間で受ける組み合わせも考えられます。

紹介するなら許可が要る(職業安定法30条・33条)

仕事を紹介するなら、有料でも無料でも厚生労働大臣の許可が要ります。届出でも登録でもなく、許可です。有料の場合は職業安定法30条です。

有料の職業紹介事業を行おうとする者は、厚生労働大臣の許可を受けなければならない。

無料なら要らないと思われがちですが、無料の場合も33条で同じです。

無料の職業紹介事業(職業安定機関及び特定地方公共団体の行うものを除く。以下同じ。)を行おうとする者は、次条及び第三十三条の三の規定により行う場合を除き、厚生労働大臣の許可を受けなければならない。

除かれているのはハローワークなどの公的機関と、別の条文で扱われている学校などです。民間の会社が無料で職業紹介をする場合も、この条文の対象になります。研修と就職先の紹介を組み合わせて提供しているなら、紹介の部分について許可を受けているかどうかが確認できるはずです。

求職者からは手数料を取れない(32条の3第2項)

有料職業紹介事業者は、原則として求職者から手数料を取れません。根拠は32条の3第2項です。

32条の3第2項を開く

有料職業紹介事業者は、前項の規定にかかわらず、求職者からは手数料を徴収してはならない。ただし、手数料を求職者から徴収することが当該求職者の利益のために必要であると認められるときとして厚生労働省令で定めるときは、同項各号に掲げる場合に限り、手数料を徴収することができる。

ただし書きはありますが、「厚生労働省令で定めるとき」に限られ、さらに前項の各号に掲げる場合に限る、と二重に絞られています。

例外に挙がっているのは、どんな職業か

未経験からのIT転職は、例外に入りません。 例外は職業安定法施行規則20条2項にあり、挙がっているのは芸能家とモデル、それに科学技術者・経営管理者・熟練技能者です。後ろの3つは、紹介で就いた職業の賃金が厚生労働大臣の定める額を超える者に限られます。

科学技術者は高度の科学的・専門的な知識を応用する者、熟練技能者は特級か一級の技能検定に相当する技能を持つ者です。未経験の求職者を紹介する場面とは違います。

例外に当たる場合でも、取れるのは就職後6か月以内に支払われた賃金の11%(免税事業者は10.3%)以下です。入り口で数十万円を求める形は、この上限の外にあります。紹介の名目で費用を求められたら、それは紹介の手数料ではない何かです。

「紹介してもらう側が無料」なのは、サービスの好意ではなく制度の側の設計です。費用は求人を出す側が負担しています。その仕組みは転職エージェントはなぜ無料なのかに整理しました。無料と書かれていることではなく、無料である理由が制度に沿っているかを見ます。

「研修費用」は別の話として出てくる

紹介の手数料とは別に、途中でやめたときなどに研修費用の返還を求められることがあります。こちらは労働基準法が違約金や損害賠償額の予定を禁じている点が関わる、別の条文の問題です。線引きは退職時に研修費用の返還を求められたらに整理しました。研修と紹介は契約書の上では別々の合意になっていることがあるので、どちらの話なのかを分けて読んでください。

講座だけを売るところに、許可番号は無い

講座を売るだけなら職業紹介をしていないので、許可は要りません。スクールに許可番号が見当たらないこと自体は、おかしなことではありません。その代わり、講座の契約は特定商取引法の特定継続的役務提供に当たることがあります。形を決めているのは特定商取引法41条1項1号です。

特定商取引法41条1項1号を開く

役務提供事業者が、特定継続的役務をそれぞれの特定継続的役務ごとに政令で定める期間を超える期間にわたり提供することを約し、相手方がこれに応じて政令で定める金額を超える金銭を支払うことを約する契約(以下この章において「特定継続的役務提供契約」という。)を締結して行う特定継続的役務の提供

期間も金額も、条文ではなく政令のほうにあります。金額は特定商取引に関する法律施行令24条2項で、5万円です。

期間のほうは同じ政令の別表第四にあり、役務ごとに違います。パソコン教室にあたるものは二月です。別表第四の六がその欄です。

電子計算機又はワードプロセッサーの操作に関する知識又は技術の教授

動画編集やWebデザインの講座がこの欄に入るかは、講座の中身で決まります。編集ソフトの操作を教える部分が大きければ近づき、考え方や企画のほうが中心なら離れます。契約書と講座の内容を見て判断することになるので、記事の側で決め打ちはできません。

二月を超えるかどうかで、8日の後が変わる(49条1項)

この形に当たると、契約から8日を過ぎた後でも、これから先の分を解除できます。受けた分はさかのぼって返ってきません。特定商取引法49条1項です。

将来に向かつてその特定継続的役務提供契約の解除を行うことができる。

講座を提供する期間二月

二月以下

この形には当たらない。8日を過ぎた後の解除は、法律ではなく契約の定めによる

二月を超える

五万円を超える契約なら当たる。8日を過ぎた後でも、これから先の分を解除できる

特定継続的役務提供に当たるかどうかの境目のうち、期間のほう(パソコン教室にあたる役務の場合)

同じスクールの中で、この境目をまたぐことがあります。むびるスクールの広告の着地ページには、期間1か月のコースと3か月のコースが並んでいます。受講料は前者が110,000円、後者が330,000円です。1か月のほうは二月を超えないので、この形には当たりません。

事業者の表記は、8日までしか書いていないことがある

表示が8日までしか触れていなくても、それを超えて解除できないという意味にはなりません。むびるスクールの特定商取引法に基づく表示の、解約の欄です。

契約から8日間または初回講義開始までのどちらか長い方を期日としてキャンセルが可能

8日というのはクーリング・オフの期間です。49条1項の解除はそれとは別のものです。申し込む前に確かめるのは、契約書と概要書面のほうです。受けた分をどう計算するかと、解約したときに請求される額が書かれています。

受講料の外に何が乗るかは、書き方が分かれる

スクールによって、金額の見せ方が揃っていません。

ChapterTwo

  • Adobeの年間契約費・編集用マウス・PCの購入費を料金ページに並べている
  • 受講料そのものは下限の形でしか出ていない

むびるスクール

  • 頭金が別途かかることと、分割手数料が1回につき2,200円かかることを注記に置いている
  • 着地ページにはコースごとの総額が出ている

Wannabe Academy

  • 金額の欄が画像なので、テキストでは金額を取れない
  • 分割手数料の率と休学費は注記にテキストで出ている

違うのは、受講料に含まれないものを事業者の側から出しているかどうか

受講料の外にかかるものを、公式サイトがどこまで書いているか

まず総額が出ているかを見ます。月額だけが出ている場合は、頭金と分割手数料が別に乗るので、回数を掛けても総額になりません。

事前に明示する義務がある(32条の13・5条の3)

有料職業紹介事業者は、手数料や苦情の処理のしかたなどを、求人者と求職者に前もって示さなければなりません(32条の13)。

条件が変わったら、変わったことを明示する義務がある(5条の3・5条の4)

最初に聞いた条件と契約直前の条件が違うときは、変えた内容を示す義務があります。業務の内容や賃金などの労働条件を示す義務が5条の3第1項にあり、変更したときの定めが同じ条の3項です。

当該契約の相手方となろうとする者に対し、当該変更する従事すべき業務の内容等その他厚生労働省令で定める事項を明示しなければならない。

黙って差し替えることは認められていません。最初にもらった条件の書面やメールは、契約するまで消さずに持っておいてください。後から比べる材料になります。

求人の情報についても、5条の4が虚偽の表示や誤解を生じさせる表示を禁じています。嘘とまでは言えなくても、受け取り方を誤らせる書き方は対象です。

どこで確認するか(職業安定法5条の3・5条の4)

許可番号は会社概要や利用規約に載っていることが多く、厚生労働省の人材サービス総合サイトでも引けます。そこでは紹介した人数や、就職後どれくらい定着したかも見られます。使い方は実績は人材サービス総合サイトで見られるにまとめました。

実際に引いてみた例

人材サービス総合サイトで都道府県と事業主名称を入れると、株式会社ユニゾン・テクノロジーの許可番号 13-ユ-313348 が出てきます。許可年月日は令和3年7月1日、所在地は東京都渋谷区で、番号の「ユ」は有料職業紹介事業であることを示しています。検討している窓口で出てこなければ、その窓口は職業紹介として許可を受けていないことになります。

上場していると、もう1つ確かめる道がある

この記事が載せているJAIC就職カレッジは、運営が上場企業です。その場合、有価証券報告書という別の資料でも許可を確かめられます。 2026年1月期の有価証券報告書に、厚生労働大臣の有料職業紹介事業許可を受けていることが書かれています。許可の有効期間は2023年8月1日から2028年7月31日までです。会社概要が書き換わっても、過去の報告書は金融庁のEDINETに残ります。

求人そのものの見方

未経験可の求人では給与の幅が広く示されることがあり、どの条件で自分が採用されるのかが分かりにくくなります。読む順序は求人票の見方|違う条件なら明示義務があるにあります。内定後に渡される書面で見る項目は労働条件通知書で確認する項目に整理しました。就業場所と業務の変更の範囲が明示事項に入っているので、配属先が決まっていない形の採用では、ここが判断材料になります。

この記事で確かめたこと

原文から引用した文
8件
出典
4件(法令 3)
公開

引用が出典の原文と一致するかを、公開後も機械で照合しています。確かめ方は運営者情報にあります。

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