退職の段取り帳

求人票の見方|違う条件なら明示義務がある

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2026/10/19更新 2026/8/16公開

求人票を見るときは、仕事内容・働く場所・賃金の内訳・時間と休日を先に確認します。採用時に示される労働条件が違うなら、契約を決める前に変更点を聞いてください。求人票は雇用契約書ではないため、労働条件通知書などとも照合します。

求人票どおり

  • 提示された条件と照合する

条件が変わる

  • 変更内容の明示を受ける
  • その条件で契約するか自分で決める

変更の説明を受けることと、契約に同意することは別

求人票から契約へ進むときの確認順序

応募前に、4つの欄を見る

求人票を開いたら、次の順に希望と違うところをメモします。空欄やあいまいな表現は、希望どおりだと決めつけず、応募前に聞くことにします。

  1. 仕事内容と就業場所:今の担当業務・勤務地だけでなく、変わりうる範囲を見る。
  2. 賃金:基本給と手当、固定残業代が含まれるかを分ける。
  3. 時間と休日:勤務時間、休憩、休日の数え方を見る。
  4. 契約期間と試用期間:更新の基準と、本採用後との条件差を見る。

応募する前の確認と、内定後に示される条件との照合は分けます。まず各欄の見方を確かめ、条文は後半で読めます。迷った欄はそのまま写し、「この条件は入社後も同じですか」と聞ける形にしておきます。答えを聞いた日も書いておけば、あとから求人票と見比べられます。求人票を画像で残すなら、会社名と見た日も一緒に控えます。同じ会社の別の求人と取り違えずにすみます。

カスタマーサクセス職を検討しているなら、CS面接の逆質問で担当範囲を聞く例も使えます。求人の「導入支援」や「顧客対応」を、自分が任される仕事の質問へ具体化します。

試用期間中と後で条件が違うなら、両方を示す

試用中と本採用後で給料が違うなら、両方を示す必要があります。片方しか書かれていない求人票は、職業安定法施行規則4条の2第6項を満たしていないことになります。

職業安定法施行規則4条の2第6項を開く

法第五条の三第一項から第三項までの規定による明示は、試みの使用期間中の従事すべき業務の内容等と当該期間が終了した後の従事すべき業務の内容等とが異なる場合には、それぞれの従事すべき業務の内容等を示すことにより行わなければならない。

明示の方法は同じ規則の4項で、原則は書面の交付です。ファクシミリと電子メール等は、受け取る人がそれを希望した場合に限られます。4項には、急いで紹介するため、あらかじめ書面等で示せないときの例外もあります。それでも、先に別の方法で条件を伝える必要があります。試用期間中に解雇されうるかどうかは試用期間中の解雇|14日を境に変わるに整理しました。

休暇制度の欄は、法律で決まっている部分と会社が決める部分が混ざる

法律が決めているのは「週1回か、4週で4日」の休日までです。「週休2日」も「年間休日120日」も法律の要求ではなく、会社が決めている部分です。労働基準法35条1項です。

使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。

4週で4日の例外は同じ条の2項にあります。有給休暇は39条で日数まで決まっています。数え方は有給の付与日数は6か月後の10日からにまとめました。

夏季休暇・年末年始・慶弔休暇は労働基準法に規定がなく、置くかどうかも、有給にするかどうかも会社が決めます。置くなら就業規則に書くことになるので(労働基準法89条1号)、就業規則を見せてもらえば実態が分かります。

求人票では、次の3つを確かめます。

  • 年間休日の日数(週休2日でも、祝日が休みかで年20日近く違う)
  • 夏季・年末年始が年間休日に含まれているか
  • 慶弔休暇が有給か無給か

入社後に条件が違っていた場合の扱いは労働条件が違うときの退職にあります。

賃金は内訳まで見る

固定残業代が含まれているなら、何時間分なのか、その時間を超えたら別に払われるかまで確かめてください。月給の数字が同じでも、固定残業代の有無で実際の時間単価は変わります。二つの求人を見比べるなら、まず月給のうち基本給はいくらか、どの手当が入っているかを並べます。「残業代込み」とだけある欄は、そのままにせず何時間分か聞き、返ってきた答えをメモしてください。

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条件を変えるなら、変更を明示しなければならない(職業安定法5条の3第3項)

求人票と違う条件で契約するなら、会社は変更したことを明示しなければなりません。会社が変えた条件を知らせても、あなたがその条件に同意したことにはなりません。契約するかを決める前に、何が変わったのかを確かめてください。

全文を開く(319字)

求人者、労働者の募集を行う者及び労働者供給を受けようとする者(供給される労働者を雇用する場合に限る。)は、それぞれ、求人の申込みをした公共職業安定所、特定地方公共団体若しくは職業紹介事業者の紹介による求職者、募集に応じて労働者になろうとする者又は供給される労働者と労働契約を締結しようとする場合であつて、これらの者に対して第一項の規定により明示された従事すべき業務の内容及び賃金、労働時間その他の労働条件(以下この項において「従事すべき業務の内容等」という。)を変更する場合その他厚生労働省令で定める場合は、当該契約の相手方となろうとする者に対し、当該変更する従事すべき業務の内容等その他厚生労働省令で定める事項を明示しなければならない。

「求人票と違うが、そういうものだ」と言われた場合、変更の明示があったかどうかが論点になります。

違っていたときにどこへ言うか

入社前なら、「求人票にはこう書かれていますが、今も同じですか」と聞いてください。契約を結ぶ前に、変わったところを示す義務があるためです。

入社後に分かった場合、窓口は求人の経路で変わります。ハローワークの求人ならハローワークに申し出る仕組みがあり、職業紹介事業者経由なら都道府県労働局が担当しています。

労働条件そのものが違っていた場合には、別の条文が効きます。労働基準法は、明示された条件が事実と相違する場合に即時に退職できるとしています。 その扱いは労働条件通知書で確認する項目に整理しました。求人票と労働条件通知書は別の書面です。両方を残しておけば見比べられます。

求人票の条件は明示義務の対象。契約書とは分ける

求人票には、仕事の中身・賃金・働く時間などを示す義務があります。ハローワークだけでなく、転職エージェントも、企業の採用ページからの募集も同じです。根拠は職業安定法5条の3第1項です。

職業安定法5条の3第1項を開く

公共職業安定所、特定地方公共団体及び職業紹介事業者、労働者の募集を行う者及び募集受託者並びに労働者供給事業者は、それぞれ、職業紹介、労働者の募集又は労働者供給に当たり、求職者、募集に応じて労働者になろうとする者又は供給される労働者に対し、その者が従事すべき業務の内容及び賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。

どう示すかは同じ条の4項から省令に任され、原則は書面などです。ハローワークの求人情報の見方も、求人票と雇用契約書を区別し、採用時に労働条件の明示を受けるよう案内しています。

何を書くかは、省令が号で並べている

求人票に書かれているはずの項目は、仕事の中身と変わりうる範囲、契約期間、試用期間、就業場所、労働時間と休日、賃金、社会保険、受動喫煙の対策などです。一覧は職業安定法施行規則4条の2第3項にあります。

職業安定法施行規則4条の2第3項を開く

法第五条の三第四項の厚生労働省令で定める事項は、次のとおりとする。ただし、第二号の三に掲げる事項にあつては期間の定めのある労働契約(当該労働契約の期間の満了後に当該労働契約を更新する場合があるものに限る。以下この項において「有期労働契約」という。)に係る職業紹介、労働者の募集又は労働者供給の場合に限り、第八号に掲げる事項にあつては労働者を派遣労働者(労働者派遣法第二条第二号に規定する派遣労働者をいう。以下同じ。)として雇用しようとする場合に限るものとする。一労働者が従事すべき業務の内容に関する事項(従事すべき業務の内容の変更の範囲を含む。)二労働契約の期間に関する事項二の二試みの使用期間に関する事項二の三有期労働契約を更新する場合の基準に関する事項(通算契約期間(労働契約法(平成十九年法律第百二十八号)第十八条第一項に規定する通算契約期間をいう。)又は有期労働契約の更新回数に上限の定めがある場合には当該上限を含む。)三就業の場所に関する事項(就業の場所の変更の範囲を含む。)四始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間及び休日に関する事項五賃金(臨時に支払われる賃金、賞与及び労働基準法施行規則(昭和二十二年厚生省令第二十三号)第八条各号に掲げる賃金を除く。)の額に関する事項六健康保険法(大正十一年法律第七十号)による健康保険、厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)による厚生年金、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)による労働者災害補償保険及び雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)による雇用保険の適用に関する事項七労働者を雇用しようとする者の氏名又は名称に関する事項八労働者を派遣労働者として雇用しようとする旨九就業の場所における受動喫煙を防止するための措置に関する事項

求人票を見るときに効く号だけ取り出します。

一号の括弧書きに「従事すべき業務の内容の変更の範囲を含む」とあります。いまの仕事の内容だけでなく、どこまで変わりうるかも明示の対象です。三号の就業の場所にも同じ括弧が付いていて、転勤の範囲が明示事項に入っています。 2024年4月から、労働条件の明示にも「就業場所・業務の変更の範囲」が加わりました。

二の二は試用期間です。試用期間があるかどうかは、求人票に書かれているはずのものです。二の三は、期間を決めて働く契約を更新するときの決まりです。何回まで更新できるかを決めているなら、その回数も書かれます。

古い・まぎらわしい求人情報にも注意する

1つずつは嘘でなくても、読んだ人が違う条件だと受け取る書き方は禁じられています。募集が終わった求人を残しておくことも同じです。職業安定法5条の4です。

当該情報について虚偽の表示又は誤解を生じさせる表示をしてはならない。

同じ条の2項は、募集する側に情報を正確で最新に保つことを求めています。

労働者の募集を行う者及び募集受託者は、この法律に基づく業務に関して広告等により労働者の募集に関する情報その他厚生労働省令で定める情報を提供するときは、正確かつ最新の内容に保たなければならない。

古い求人票かもしれないときは、掲載日と、最終更新の表示があるかを見てください。

エージェントから紹介されたとき

エージェント経由でも明示義務は同じです。5条の3第1項が職業紹介事業者も名指ししているためです。求人票にあたる書面が社内フォーマットになっていても、義務は軽くなりません。

エージェントの費用を求職者が払わない仕組みと、そこから生まれる利害のずれは転職エージェントはなぜ無料なのかで条文をたどりました。紹介実績や行政処分の有無を公開データで確かめる方法は実績は人材サービス総合サイトで見られるにあります。

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求人の種類で見るところを変える

派遣から正社員を目指す場合は、雇う会社と指示を出す会社が分かれていて、比べる前提から違います(派遣と正社員は契約の相手が違う)。

第二新卒歓迎・既卒歓迎の求人では、直近3年の採用数と離職数、平均残業時間、有給の平均取得日数を会社に出させる仕組みがあります(第二新卒は離職者数を聞ける)。

年齢の欄に制限を書ける場合は、省令で限られています(40代の求人に年齢制限を書ける条件)。

応募する前に手元を整えるところは転職は書類を集めるところから、提示額の中身を確かめる順序は年収交渉は明示される項目で話すにあります。

求人を見比べるときは、紹介期限日と、いまも募集しているかも確かめましょう。期限が来る前に募集を終えることもあります。

職業安定法施行規則4条の2は、2026年10月9日に10月施行版で確かめました。この条文は変わっていません。求人票がそのまま契約書になるわけではないこと、急いで紹介するときにも条件を伝える必要があることを本文に加えました。

この記事で確かめたこと

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