国民年金の切り替えは14日以内|入るときは不要
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会社を辞めると、年金を国民年金に切り替えるように言われます。
条文では、これを切り替えとは呼びません。種別の変更といいます。呼び方が違うだけに見えますが、手続きの形もそこから決まっています。
3つの種別に分かれている
国民年金法7条1項は、被保険者を3つに分けています。2号が厚生年金の被保険者、3号がその配偶者で扶養に入っている人です。そして1号の定義がこうなっています。
日本国内に住所を有する二十歳以上六十歳未満の者であつて次号及び第三号のいずれにも該当しないもの
「いずれにも該当しないもの」という書き方です。2号でも3号でもない人が1号になる、という受け皿の作りになっています。
だから会社を辞めて厚生年金を抜けた時点で、条件を満たしていればその人はもう第1号被保険者です。届出をして1号になるのではありません。

届出は14日以内、出す先は市町村
資格そのものは自動で移りますが、届出は別に要ります。法12条1項です。
被保険者(第三号被保険者を除く。次項において同じ。)は、厚生労働省令の定めるところにより、その資格の取得及び喪失並びに種別の変更に関する事項並びに氏名及び住所の変更に関する事項を市町村長に届け出なければならない。
出す先は市町村長です。年金事務所ではありません。
期限は法律ではなく施行規則にあります。同規則6条の2が、種別の変更の届出はその事実があった日から14日以内に届書を市町村長に提出する、と定めています。
入るときは要らない理由が括弧に書いてある
同じ6条の2には、括弧書きで除かれているものがあります。第1号または第3号だった人が第2号になったことによる種別変更です。
つまり就職して厚生年金に入るときは、この届出が要りません。会社が厚生年金の資格取得を届け出るので、そちらから情報が回ります。
辞めるときだけ自分で行くことになるのは、この非対称のためです。入社のときに何もしなかった記憶があると、退職でも同じだと思いがちですが、条文の側で扱いが分かれています。
裏を返すと、第1号でいる期間は、次の勤務先で厚生年金に入るまで続きます。 その期間をどう置くかは、在職中に探すか辞めてから探すかで変わります。比べ方は仕事を辞めてから転職するか、在職中に動くかにまとめました。
届書に書く項目は4つ
同規則6条の2が挙げている記載事項は次のとおりです。
- 氏名、性別、生年月日、住所
- 基礎年金番号の書類と氏名が変わっているときは、変更前の氏名
- 種別の変更があった年月日と、その理由
- 個人番号または基礎年金番号
離職票は、この一覧に入っていません。 条文が求めているのは日付と理由であって、それを証明する特定の書類ではありません。
もっとも、市町村の窓口では退職日を確かめる書類を求められます。離職票が間に合わないときの扱いは離職票が届かないときも国民年金の免除は間に合うにまとめました。
世帯主が代わりに出せる
自分で行けないときの規定も置かれています。法12条2項です。
被保険者の属する世帯の世帯主(以下単に「世帯主」という。)は、被保険者に代つて、前項の届出をすることができる。
同居している家族が代理で出せる、ということです。委任状の話ではなく、条文が世帯主を名指ししています。
払う義務も世帯主にかかる
代わりに出せることと表裏の関係にあるのが、納付の義務です。88条2項。
世帯主は、その世帯に属する被保険者の保険料を連帯して納付する義務を負う。
さらに3項があります。
配偶者の一方は、被保険者たる他方の保険料を連帯して納付する義務を負う。
連帯して負う、と書かれています。本人が払わなければ、世帯主や配偶者に請求が向かいます。
だから払えない見込みがあるときは、放置ではなく免除の申請に進むことになります。免除は本人だけでなく世帯主と配偶者の所得も見られるので、早めに窓口で試算してもらうほうが確実です。

免除は自分の所得だけでは決まらない
払えないときの免除は90条にあります。全額免除の条件を並べたあと、ただし書きがこう続きます。
ただし、世帯主又は配偶者のいずれかが次の各号のいずれにも該当しないときは、この限りでない。
自分の所得が低くても、世帯主や配偶者の所得が基準を超えていれば通りません。 連帯して払う義務を負っているのが世帯主と配偶者なので、免除の判定も同じ範囲で見る、という組み立てです。
免除は全部か無しかではありません。90条が全額、90条の2が4分の3と半額というように段階が分かれていて、学生には90条の3の特例が別に置かれています。
所得が下がったのに通らなかった、という場合は、見られているのが自分だけではないことが理由になっていることがあります。
放っておくと差押えまで進む
納める期限は91条にあります。
毎月の保険料は、翌月末日までに納付しなければならない。
払わないままにすると96条の手順に入ります。まず督促状が出て、その期限は発する日から10日以上あとに設定されます。それでも納めないときの規定が同条4項です。
厚生労働大臣は、第一項の規定による督促を受けた者がその指定の期限までに保険料その他この法律の規定による徴収金を納付しないときは、国税滞納処分の例によつてこれを処分し、又は滞納者の居住地若しくはその者の財産所在地の市町村に対して、その処分を請求することができる。
国税の滞納処分と同じやり方で処分できる、と書かれています。そして連帯して義務を負うのは世帯主と配偶者なので、そちらへも向かいます。
払えない見込みが立った時点で免除を申請するほうが、結果として軽く済みます。
健康保険とは期限が違う
同じ日に動く手続きですが、期限は揃っていません。
国民年金の種別変更
- 14日以内
任意継続の申出
- 20日以内
国民健康保険の資格取得の届出
- 14日以内
揃っていないので、短いほうから片づけることになる
短いほうから片づけることになります。健康保険の3つの選び方と、どちらが安くなるかの比べ方は退職後の健康保険の切り替えに整理しました。
まとめ
- 条文では切り替えではなく「種別の変更」
- 第1号は「2号にも3号にも該当しない人」という受け皿の定義
- 資格は退職の時点で移っている。届出で1号になるのではない
- 届出は14日以内、出す先は市町村長(施行規則6条の2)
- 就職して2号になるときの届出は、同条の括弧書きで除かれている
- 届書の記載事項は4つ。離職票は条文の要求に入っていない
- 世帯主は代わりに届出でき、保険料を連帯して納付する義務も負う
- 免除の判定も世帯主と配偶者の所得を見る(90条ただし書き)
- 納期限は翌月末日。放置すると督促を経て国税滞納処分の例で処分される
退職後に出てくる書類の全体像は退職の書類は受け取るものと返すものにまとめています。
他の手続きと並べたときの順番は退職後の手続きは起算点が違うで整理しました。