退職の段取り帳

有給の繰り越しはいつ消える?付与日と残日数の見方

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2026/10/14更新 2026/8/26公開

有給休暇は付与日から2年で時効になります。まず勤怠画面で付与日・前年からの繰り越し日数・取得日数を確認してください。どちらの分から使われるかは会社のルールも確かめます。退職予定があるなら、残日数と退職日を先に照らしておきましょう。

権利時効

  1. 退職手当

    5年

  2. 賃金(退職手当を除く)

    当分の間3年

  3. 有給休暇・災害補償など

    2年

賃金の時効は延びたが、有給には及んでいない

数え始めるのは付与された日

115条は「行使することができる時から」と書いています。有給の場合は、その日数が付与された日がその時にあたります。入社から6か月後に10日付いたなら、その10日は6か月後の日から2年です。

だから年度末や決算期で区切られるわけではありません。入社日が4月の人と10月の人では、消える時期が半年ずれます。自分の付与日を知らないと、いつ消えるかも分かりません。付与日を入社日だけから決めつけず、勤怠画面や就業規則で確認してください。

だから繰り越せるのは1年ぶん

付与から2年で消えるので、手元に残りうるのは2回ぶんです。

  • 今年付与されたぶん
  • 前年に付与されて使い切らなかったぶん(その付与日から2年で時効)

前年より前の付与分は、それぞれの付与日から2年経っていないか確認します。有給の付与日数で見たとおり、1回の付与は最大20日なので、法定の付与分で最大40日という計算になります。

40日は法定の付与分を2回とも使わなかった場合の計算上の上限です。年5日の取得義務や会社独自の付与があるため、実際の残日数は勤怠記録で確認してください。

どちらから減るかは法律に書いていない

40日持っている人が5日使ったとき、繰り越しぶんから減るのか、今年のぶんから減るのかで結果が変わります。繰り越しぶんから減れば、時効で消える日数がその分だけ少なくなります。

この順番を決める規定は労働基準法にありません。 就業規則で定められていればそれに従い、定めが無ければ会社の運用によります。自分の会社がどちらなのかは、就業規則を見ないと分かりません。

見当たらないときは、給与明細や勤怠システムの残日数の内訳を見ます。繰り越しぶんと当年ぶんを分けて表示しているところが多く、減り方でどちらから使われているかが分かります。

退職するときに残っていたら

退職日を過ぎると、有給を取ることはできません。在職中に消化するか、買い取りが可能かを会社に確認します。買い取りが必ず認められるわけではありません。買い取りの扱いは有給の買取ができる場合とできない場合にまとめました。

退職前に全部使いたいと言って断られた場合の根拠は退職前の有給消化に分けてあります。

転職すると繰り越しも消える

繰り越しは同じ会社の中の話です。転職すると勤続はゼロから数え直しになるので、前の会社で残っていた日数を次の会社へ持っていくことはできません。

退職が決まったら、残日数と退職日を照らし、消化できる日程と買い取りの可否を確かめてください。転職先の付与日は会社の規則を確認します。退職後から転職先で休めるまでの予定があるなら、退職前の消化も含めて調整します。

消えるまでの期間は2年

有給休暇は、付与から2年で時効になります。 有給休暇を取る権利は賃金の請求権ではなく、条文の後半の「その他の請求権」に当たるからです。

時効を決めているのは労働基準法115条です。

労働基準法115条を開く

この法律の規定による賃金の請求権はこれを行使することができる時から五年間、この法律の規定による災害補償その他の請求権(賃金の請求権を除く。)はこれを行使することができる時から二年間行わない場合においては、時効によつて消滅する。

賃金だけが3年に延びている

ここが読み違えやすいところです。時効が3年に延びたのは賃金の側だけで、有給には及んでいません。残業代の請求が2年から3年に延びたのは、次の規定によるものです。

同じ法律の附則143条に、当分の間の読み替えがあります。

143条を開く

第百十五条の規定の適用については、当分の間、同条中「賃金の請求権はこれを行使することができる時から五年間」とあるのは、「退職手当の請求権はこれを行使することができる時から五年間、この法律の規定による賃金(退職手当を除く。)の請求権はこれを行使することができる時から三年間」とする。

同じ改正の話として語られることが多いのですが、有給は動いていません。「残業代が3年になったから有給も3年」という説明を見かけたら、条文の読み替えがどこに掛かっているかを見てください。

年5日は会社が取らせる義務

繰り越しがあっても無くても、10日以上付与された人には別の決まりが働きます。労働基準法39条7項により、会社は基準日から1年以内に5日を取得させる必要があります。本人が自ら請求して取得した日や、計画的付与で取得した日も5日に数えられ、その合計が5日に達した場合は会社による追加の時季指定は不要です。残日数だけから義務違反とは判断せず、付与日と取得記録を確かめてください。詳しくは厚生労働省の年次有給休暇案内を参照してください。

出勤率が8割に届かなかった年

39条2項にただし書きがあり、出勤した日数が全労働日の8割未満だった期間の翌年は、有給を与えることを要しないとされています。

このとき起きるのは新しく付与されないことであって、すでに持っている繰り越しぶんが消えることではありません。前の年に付いた日数は、付与から2年の時効が来るまで残ります。

長く休んだ翌年に「有給がゼロになった」と言われたときは、新規付与が止まったのか、繰り越しまで消されたのかを分けて確かめます。後者なら根拠が要ります。

パートやアルバイトも2年

週の所定労働日数が少ない人は39条3項で日数が減りますが、時効の条文は同じ115条です。日数が違うだけで、期間は変わりません。比例付与の日数そのものはパート・アルバイトの有給にまとめました。

この記事で確かめたこと

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