退職の段取り帳

ボーナス後の退職日、何から決める?

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2026/10/12更新 2026/8/18公開

ボーナス(賞与)を待つなら、先に会社の条件を読み、支給日・在籍する必要がある日・金額の決め方をそろえます。それから退職日と入社日を考えましょう。「支給日までいれば全額もらえる」「退職を伝えたらもらえない」とは、一律に決まりません。

賞与の予定と新しい仕事の日程をカレンダーへ整理するイラスト
支給日と退職日を別々に考える。

ボーナスを待ちたい気持ちと、次の仕事を始めたい気持ちが重なると、日付を決めにくくなります。大切なのは、予想している金額がどこまで決まっているかを知ることです。受け取れる条件と、待つ間の予定を分ければ、会社へ聞くこともはっきりします。

最初に、会社の書類から予定を写す

就業規則(会社の働き方の決まり)や賞与規程、労働条件の通知を見ます。「支給日」だけ探すと、対象者や計算方法の条件を取り落とします。文書の名称や置き場所が分からない場合は、どこで読めるか、会社の給与担当に聞けます。

手元の予定表へ、次の項目を書き出しましょう。分かった項目と、会社へ聞く項目を分けると、返事を受けた後にも照合しやすくなります。

  • 支給日:予定日なのか、確定した日なのか。
  • 対象となる人:支給日や別の基準日に在籍する条件はあるか。
  • 金額の決め方:査定の期間、計算式、決定する時期はいつか。
  • 退職予定者の扱い:ボーナスを減らす決まりはあるか、どのようなときに使われるか。
  • 次の仕事:入社日と、内定への返事の期限はいつか。

会社の書類に決まりが見当たらないだけで、もらうことをあきらめる必要はありません。厚生労働省の賞与不払いの裁判例の解説は、会社の決定、労使の合意、慣行と、具体的な計算方法などを基に考える方向を示しています。

支給日と、退職する日を別の印で置く

「支給日に在籍していること」という条件があるなら、退職日がその前に来ないかを見ます。この条件は支給日在籍要件と呼ばれます。在籍していることが条件なので、最後に出勤する日と、雇用が終わる退職日は分けて考えます。

図は支給日を12月10日とした説明用の例です。12月9日退職なら支給日には在籍せず、12月11日退職なら支給日も在籍しています。実際に賞与を受け取れるかは、会社の他の条件や金額の決定も合わせて確かめます。

同じ支給日でも、退職日の位置が違う

支給日前12/10 支給日支給日後

例A:12/9退職

在籍退職後

支給日の在籍条件を満たさない。

例B:12/11退職

支給日も在籍退職後

在籍条件は満たす。金額や他の条件は別。

支給日と退職日の関係だけを示す仮の例。金額の保証ではありません。厚生労働省の裁判例解説では、在籍する日を支給条件にする取扱いも示されています。

在籍条件がない場合も、査定の期間を働いただけで全額を受け取れるとは限りません。対象者、計算方法、決定の時期を確認します。同じ日にボーナスをもらう同僚がいても、自分にも同じ決まりが使われるとは限りません。

支給日をまたぐ有給休暇を考える場合は、有給休暇の予定と退職日を分けて置きます。休んでいる日が退職後の日になるわけではありませんが、賞与の他の条件は別です。退職前の有給消化で、残っている日数と申請する予定を整理できます。

「いつ伝えるか」は、退職日と別に決める

退職の意思を伝えた日と、雇用が終わる日は違います。支給日に在籍する条件だけを見るなら、伝えた日が支給日前というだけで結論は出ません。退職予定者への支給額の扱いも、会社の規程で確認する用事です。

期間の定めがない雇用について、民法第627条第1項は次のように定めています。

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

この条文では、申し入れから2週間を経過することによって雇用が終わります。契約に期間がある方へ、このまま一般化はしません。また希望する日で会社と合意する場合、就業規則の手順、引き継ぎの調整は分けて考えます。

「ボーナスのために伝える日を隠す」と考えるより、まず規程を読み、必要な手順と希望日をそろえましょう。会社との認識が違うときは、退職は何か月前に伝えるかで、契約の種類から整理できます。誰でも同じ日に辞められるという計算ではありません。

待つかどうかは、確定した金額と予定で比べる

前年の賞与額を、そのまま今年の受取額にはしません。会社の売上や仕事の評価が変われば、予想した金額と、決まった金額が違うこともあります。給与を扱う担当者へは「自分の分はどう計算して、いつ金額が決まるのか教えてください」と聞けます。

待つ案と、先に退職する案を比べるなら、賞与の見込みだけでなく、待つ間の給与、次の会社で働き始める日、内定への返事の期限も並べます。すべてを金額へ変える必要はありません。まだ決まっていない項目を、確実に得られる収入として足さないことが大切です。

内定が出ている方は、賞与を待つ間も入社日が保たれるのかを先方と相談します。内定の承諾期限と入社日の調整は、それぞれ別の用事です。返事の期限を過ぎてから相談する計画にはしないようにします。

手取りも、額面と同じではありません。日本年金機構の賞与を支給するときの案内では、資格を失った月に支払われた賞与は、健康保険・厚生年金保険の保険料をかける対象ではないと説明しています。所得税や雇用保険料まで、一律に引かれないという意味ではありません。

退職日を一日動かすだけの計算で「得」と決めず、賞与と最後の給与の明細、次の健康保険や年金の手続きも確認します。どの保険に入っているかによっても変わるため、給与担当や保険の窓口へ聞くことをメモに残してください。

賞与を払う義務は、毎月払いの例外とは別

賞与が法律の毎月払いの例外であることと、会社に支払う義務がないことは同じではありません。具体的に支給する条件と金額が決まっているなら、その内容を確認します。法律の定義だけで、自分の請求をあきらめる必要はありません。

労働基準法第11条は、賃金の中に賞与も含めています。

この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。

同法第24条第2項には、毎月払いの原則と賞与などの例外があります。

賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。

ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金(第八十九条において「臨時の賃金等」という。)については、この限りでない。

これは支払い方の原則の説明です。「賞与は払わなくてよい」と書いた条文ではありません。同法第89条第4号も、賞与などの定めをする場合の就業規則の事項として、次のように挙げています。

臨時の賃金等(退職手当を除く。)及び最低賃金額の定めをする場合においては、これに関する事項

支給条件を読み、決まった内容と会社の返事を照らすことが、日付を決めるための根拠になります。条文をすべて読むより先に、自分の書類の該当する箇所を残しておくと相談が進めやすくなります。

条件と返事が食い違ったら、記録をそろえて相談

不払い・減額の案内があった場合は、理由と適用した条項を聞き、規程、会社の返事、過去の明細を手元に残します。返事を受け取っただけで、すべての扱いに同意したことにはなりません。賞与の有無を、このページで法的に判定することはできません。

相談先には、労働局の総合労働相談コーナーなどの公的窓口、加入している労働組合、弁護士があります。民間の退職代行へ、賞与の交渉や請求を任せられるとは考えないでください。退職代行の運営元による違いを調べる場合も、単に連絡を頼む用事と、条件を争う用事を分けます。

退職を迫られていて待つ余裕がない場合は、賞与の日付だけで判断せず、離職理由の扱いも合わせて相談してください。自分の条件と予定を一枚にそろえ、分からない点を給与担当か適切な相談先へ渡すところから進められます。

この記事で確かめたこと

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