離職理由は会社の記載で決まらない
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離職票に書かれた理由が実際と違うなら、そのまま受け入れる前に、辞めるまでのやり取りを残してハローワークへ相談してください。離職理由を最終的に判定するのはハローワークで、会社の記載だけで決まりません。
相談前に手元でそろえるもの
- 会社から届いた離職票と、離職前に確認できる離職証明書。
- 退職を勧められた連絡、労働条件の書面など、実際の経緯を示す記録。
- 会社の記載と自分の認識が違う箇所のメモ。
判定の材料になるのは、辞める前に確認できる書類
会社がハローワークに出す離職証明書には、辞める前に本人が氏名を書きます。そのときに離職理由の記載も確かめられます。ハローワークインターネットサービスの案内です。
また、会社がハローワークに提出する「離職証明書」については、離職前に本人が氏名の記載をすることになっていますので、離職理由等の記載内容についても確認してください。
内容を確認しないまま署名すると、後から食い違いを説明する手間が増えます。落ち着いて確認できなかったときは、受給資格の決定のときに相談するのが次の機会になります。離職票が届く時期と種類は退職の書類は受け取るものと返すものにまとめています。
離職票に書かれた理由は、会社の申告であって結論ではない
離職理由を判定するのはハローワークで、離職票にある会社の記載は判定の材料のひとつです。ここに「自己都合」と書かれているのを見て、そういうものとして受け入れてしまう人が多いところです。
ハローワークインターネットサービスは、受給資格を決める場面についてこう説明しています。
ハローワークでは、受給要件を満たしていることを確認した上で、受給資格の決定を行ないます。このときに、離職理由についても判定します。
そして、食い違いがあるときの窓口も同じページに明記されています。異議があればハローワークが事実関係を調査のうえ判定する、という案内です。
なお、離職理由に異議がある場合(実際は、事業主からの退職勧奨であるにも関わらず、自己都合退職とされている場合など)は、ハローワークにご相談ください。
例に挙がっているのは、退職勧奨なのに自己都合として処理されたケースです。
区分が変わると、受け取れる日数が変わる
区分で最も差が出るのは所定給付日数(何日分もらえるか)です。区分は、特定受給資格者(倒産や解雇で辞めた人)、特定理由離職者(契約が更新されなかったなど、やむを得ない理由で辞めた人)、それ以外の離職者に分かれます。ハローワークインターネットサービスが公開している日数を並べます。
| 被保険者であった期間 | 特定受給資格者(45歳以上60歳未満) | それ以外の離職者(全年齢) |
|---|---|---|
| 1年未満 | 90日 | 90日 |
| 1年以上5年未満 | 180日 | 90日 |
| 5年以上10年未満 | 240日 | 120日 |
| 10年以上20年未満 | 270日 | 120日 |
| 20年以上 | 330日 | 150日 |
20年以上勤めて45歳以上で辞めた場合、330日と150日で180日の差になります。 基本手当日額(1日あたりの額)が6,000円なら100万円を超える差です。
受給資格そのものも変わります。通常は離職以前2年間に12か月必要とされているところ、特定理由離職者は期間の条件が軽くなります。
特定理由離職者については、被保険者期間が6か月(離職以前1年間)以上あれば基本手当の受給資格を得ることができます。
勤務期間が短くて「どうせ対象外だろう」と考えている人ほど、区分を確認する意味があります。
自己都合に見えて、特定受給資格者に当たりうる場面
退職を勧められて辞めた場合は、退職届を自分で書いていても特定受給資格者に当たりえます。ハローワークが公開している範囲の概要です。
事業主から直接若しくは間接に退職するよう勧奨を受けたことにより離職した者(従来から恒常的に設けられている「早期退職優遇制度」等に応募して離職した場合は、これに該当しない。)
ただし、もともと常設されている早期退職優遇制度に応募した場合は除かれると書かれています。
同じ範囲には、次のような場面も挙がっています。
- 賃金(退職手当を除く)の3分の1を超える額が、支払期日までに支払われなかった。「少し遅れた」では当たりません
- 入社時に示された労働条件が、実際と著しく違った。労働条件通知書が手元にあるかで、示せるものが変わります(労働条件通知書で確認する項目)
- 長時間の時間外労働、ハラスメントに事業主が必要な措置を講じなかった、事業所の移転で通勤が困難になった
時間数や条件が細かく定められているので、当てはまりそうなら原文で確認してください。ハラスメントの号の読み方はパワハラで退職したら会社都合退職になるかにまとめました。
自分の都合で辞めても「特定理由離職者」がある
体調や家庭の事情で辞めた場合は、正当な理由のある自己都合として、特定理由離職者に当たることがあります。体調の理由は、次のように挙げられています。
体力の不足、心身の障害、疾病、負傷、視力の減退、聴力の減退、触覚の減退等により離職した者
このほか、妊娠・出産・育児で受給期間の延長措置を受けた場合、家族の介護のために辞めざるを得なかった場合、通勤が不可能または困難になった場合などがあります。
体調を理由に辞めた人が、ここを知らずに一般の自己都合として処理されている場合があります。 退職前の段階で使える制度については体調で辞める前に|傷病手当金と退職日に書いています。
公的機関のページにも古い記述が残っている
自己都合退職の給付制限は、2025年4月1日以降の退職なら原則1か月です。今回引用したハローワークインターネットサービスの手続き案内には、待期期間満了後2か月間とする古い記述が残っています。岩手労働局の資料です。
令和7年4月1日以降に正当な理由がなく自己の都合で退職した場合の給付制限期間は原則1か月となります
「正当な理由がなく」が条件に入っています。正当な理由があると認められた場合はそもそも給付制限が掛かりません。
公式サイトに書いてあるから正しい、とは限りません。 同じ機関のページでも、改正が反映される時期に差が出ます。期間や金額に関わる部分は、資料の日付を見るか、窓口で直接確認してください。給付制限の扱いは退職代行のその後|転職活動への影響でも触れています。
区分は保険料にも効く
特定受給資格者と、受給資格のある特定理由離職者は、国民健康保険料の計算で前年の給与所得を100分の30として扱われます。ただし自動では適用されず、届け出が要ります。対象期間と、下がらない場合があることは会社都合退職のデメリットはあるかに整理しました。
派遣で期間制限を迎えて契約が終わる場合も、離職理由の扱いが問題になります。期間制限には事業所単位と個人単位があり、延長できるのは事業所単位だけです。起点の数え方は派遣の3年ルールは2種類あるに整理しました。
会社都合と認められた場合の日数は、年齢と勤続年数の組み合わせで決まり、30歳と35歳が条文上の区切りです(30代の転職は35歳で条文が変わる)。
判定に納得できないとき
区分の判断は個別の事情で変わります。当てはまりそうなときは、離職票を持って管轄のハローワークで相談してください。相談しても判定が変わらなかった場合は、雇用保険審査官への審査請求ができます。期限は原処分を知った日の翌日から3か月です。手順は失業保険の決定に納得できないときの不服申立てにまとめました。
判定を待つあいだも、活動は止めない
審査請求をしても、結論が出るまで基本手当が止まるわけではありません。認定日ごとに求職活動の実績は求められます。 判定の結果を待ってから動くと、そのぶん実績が空きます。数え方は求職活動実績は何をすれば1回かにまとめました。
職業紹介を行う事業者から紹介や職業指導を受けたことは、実績として数える対象に挙げられています。JAIC就職カレッジは、利用した方は全員が書類選考なしで企業と面接できると公式サイトで案内しています。面接の前には専門スタッフが面接対策も行うとしています。
対象になる年齢と、就職を希望する地域には条件があります。下に載せた範囲を先に見てください。
この記事で確かめたこと
- 原文から引用した文
- 7件
- 出典
- 4件
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引用が出典の原文と一致するかを、公開後も機械で照合しています。確かめ方は運営者情報にあります。