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30代の転職は35歳で条文が変わる

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この記事の見出し(13)
  1. 自己都合なら年齢は関係ない(雇用保険法22条1項)
  2. 会社都合だと年齢の区切りが出てくる(23条1項)
  3. 誕生日の位置で変わることがある
  4. 勤続年数の数え方に注意がある(22条3項)
  5. 就職が難しい事情があるとさらに変わる
  6. 転職の回数そのものは条文に出てこない
  7. 家族の保険をどうするか
  8. 会社都合かどうかは会社が決めない
  9. 在職中に探すか辞めてから探すか
  10. 応募する側で確かめること
  11. 窓口の側にも35歳の線がある
  12. 決まった後に効くもの
  13. まとめ

30代の転職では「もう遅いのか」という不安が先に立ちます。

その話は人によって答えが違いますが、条文の側には年齢の区切りがはっきりあります。35歳です。知っておくと、辞める時期の判断が変わります。

40代で同じことを考えている場合は、募集に年齢を書ける条件のほうが効いてきます。40代の求人に年齢制限を書ける条件を参照してください。

自己都合なら年齢は関係ない(雇用保険法22条1項)

まず前提を分けます。自分の都合で辞めた場合、受け取れる日数は勤続年数だけで決まります。

算定基礎期間が十年未満である受給資格者

この場合は90日です。次の区分がこうなります。

算定基礎期間が十年以上二十年未満である受給資格者

こちらは120日で、20年以上なら150日です。

自己都合では年齢が出てきません。 30代でも20代でも同じです。

30歳と35歳で条文上の区切りがあり、同じ勤続年数でも受給日数が変わることを、年齢の境界線と勤続年数の棒・矢印で示した図のイメージ図です

会社都合だと年齢の区切りが出てくる(23条1項)

倒産や解雇などで辞めた場合(特定受給資格者)、条文の作りが変わります。年齢と勤続年数の組み合わせで決まる形になり、区分にこう書かれています。

基準日において三十歳以上三十五歳未満である特定受給資格者

基準日において三十五歳以上四十五歳未満である特定受給資格者

30代が2つに割れています。 日数を並べると差がはっきりします。

勤続年数30〜34歳35〜44歳
1年以上5年未満120日150日
5年以上10年未満180日180日
10年以上20年未満210日240日
20年以上240日270日

5年以上10年未満だけが同じで、それ以外は35歳を境に増えます。差は30日、つまり1か月ぶんです。

誕生日の位置で変わることがある

区分は「基準日において」何歳かで決まります。基準日は離職の日です。

つまり34歳で辞めるか35歳で辞めるかで、受け取れる日数が変わる場合があります。勤続1年以上5年未満なら120日と150日で、30日の差です。

基準日(離職の日)の年齢35歳

三十歳以上三十五歳未満

勤続1年以上5年未満なら120日

三十五歳以上四十五歳未満

同じ勤続年数で150日

離職の日の年齢で、受け取れる日数が変わる(雇用保険法23条1項)

もちろん日数のためだけに退職日を決める話ではありません。ただ、辞める時期が数か月動かせる状況なら、知らずに損をする必要はありません。

勤続年数の数え方に注意がある(22条3項)

「算定基礎期間」の数え方は条文に定義があります。

前二項の算定基礎期間は、これらの規定の受給資格者が基準日まで引き続いて同一の事業主の適用事業に被保険者として雇用された期間(当該雇用された期間に係る被保険者となつた日前に被保険者であつたことがある者については、当該雇用された期間と当該被保険者であつた期間を通算した期間)とする。

前の会社の期間も通算されます。 30代なら転職を経験している人が多いので、ここが効きます。

ただし条件があります。前の勤め先を辞めてから次に入るまでが1年以内で、その間に失業給付を受け取っていないことです。受け取っているとそこでリセットされます。

自分の通算がどうなっているかは、書類では分かりません。ハローワークで照会するのが確実です。雇用保険被保険者証(雇用保険に入っていたことを示す書類)が手元に無いときの動き方は雇用保険被保険者証が手元にないときにまとめました。

就職が難しい事情があるとさらに変わる

年齢の区分はもう1つあります。雇用保険法22条2項2号が、就職が困難な理由がある場合を定めています。

基準日において四十五歳未満である受給資格者

この場合、勤続1年以上なら300日になります。1年未満でも150日です。自己都合の90日と比べると3倍以上で、上の会社都合の表よりも多くなります。

該当するかどうかは厚生労働省令で定められた理由によります。自分が当たるかどうかは窓口で確かめてください。該当するのに申し出ていないと、自己都合の日数のまま処理されます。

転職の回数そのものは条文に出てこない

30代でよく心配されるのが、転職の回数です。ただ雇用保険の条文に回数は出てきません。 出てくるのは期間だけです。

短い在籍が続いていても、通算が10年を超えていれば10年以上の区分に入ります。逆に1社に長くいても、その前に受給していればそこから数え直しになります。

見られているのは「何回変わったか」ではなく「何年入っていたか」という作りです。選考の場での見られ方とは別の話ですが、制度の側はこうなっています。

家族の保険をどうするか

30代では扶養している家族がいることがあります。辞めると健康保険の切り替えが要り、扶養に入れていた家族も一緒に動きます。

期限が短いので、求人を見る前に段取りを確かめてください。退職後の健康保険と国民年金にまとめました。

任意継続を選ぶ場合の条件と、途中でやめるときの扱いは転職が決まったら任意継続はどうやめるかにあります。

会社都合かどうかは会社が決めない

上の表は会社都合の場合の数字です。ここで重要なのは、自己都合と書かれていても実態で変わることがあるという点です。

離職票の記載がそのまま通るわけではありません。判定の中身は離職理由は会社の記載で決まらないにまとめました。

30代で退職を迫られた、労働条件が大きく下がった、といった事情があるなら、自己都合として処理される前に確かめる価値があります。

誕生日の位置や勤続年数の数え方によって条文の扱いが変わり、給付の日数が変わることを、タイムラインの誕生日マーカーが境界線をまたぐ様子と矢印で示した図のイメージ図です

在職中に探すか辞めてから探すか

30代の場合、生活費の重さが20代と変わります。だからこそ、受け取れる日数を先に確かめてから決める順序が効きます。

受給資格そのもの(加入していた月数)の数え方は20代の転職は在職中かで順序が変わるにまとめました。数え方は年齢に関係なく同じです。

応募する側で確かめること

30代の求人では、第二新卒歓迎の枠から外れることが増えます。その場合、会社に情報提供を求める制度は使えません。

ただし労働条件の明示義務は年齢に関係なく効きます。提示額に何が含まれるかを確かめる手順は年収交渉は明示される項目で話すにまとめました。

求人票の読み方は求人票の見方にあります。

窓口の側にも35歳の線がある

条文の区切りとは別に、転職の窓口が自分で決めている対象年齢があります。そしてそこにも35歳が出てきます。

JAIC就職カレッジは対象を18歳〜35歳としていて、就職を希望する地域も東京・神奈川・埼玉・千葉・愛知・岐阜・三重・大阪・京都・兵庫・福岡・熊本に限っています。Remoful は年齢の上限を公式サイトに書いていませんが、広告の募集要項では35歳以下を主な対象としています。

キャリナビ転職は対象を20歳〜34歳としていて、ここにも34歳の線が立っています。求人を紹介する形ではなく、45日間かけて希望の条件そのものを決める形だと公式サイトが案内しています。運営は株式会社夢キャリで、会社概要にある有料職業紹介事業の許可番号 23-ユ-303256 は、厚生労働省の人材サービス総合サイトでも同じ番号で引けます(許可年月日は2026年4月1日。2026年9月11日確認)。

窓口の34歳と、給付日数の34歳は別のものです。 前者は窓口が自分で決めた対象で、後者は雇用保険法が決めた区切りです。同じ数字が並んでいても、根拠が違います。

これは法律が決めた線ではありません。募集や採用で年齢を条件にできる場面は労働施策総合推進法が限っていて、その中身は40代の求人に年齢制限を書ける条件にまとめました。窓口が決めている対象年齢は、その求人そのものではなく、窓口が扱う求人の傾向から来ています。

だから35歳が近いなら、窓口を選ぶ順番が先に来ます。34歳と35歳で受け取れる日数が変わるのと同じ数字が、相談先の側にも立っています。

決まった後に効くもの

早く決まった場合、受給日数を残して就職すると戻ってくる制度があります。日数が多いほど戻る額も大きくなるので、30代の会社都合はここが効きます。

再就職手当|早く決まると残りが戻るにまとめました。

求人の側で年齢がどう扱われるかは別の法律の話になります。40代の求人に年齢制限を書ける条件にまとめました。

まとめ

  • 自己都合なら日数は勤続年数だけで決まる。年齢は出てこない
  • 会社都合だと年齢の区分が入り、30歳と35歳が条文上の区切りになる
  • 勤続1年以上5年未満なら、35歳を境に120日と150日で30日の差
  • 5年以上10年未満だけは同じ日数
  • 勤続年数は前の会社と通算できる(1年以内かつ受給していない場合)
  • 自己都合と書かれていても実態で変わることがある

辞める時期が動かせるなら、自分がどの区分に入るかを先に確かめてください。

出典