仕事の悩み相談ガイド

傷病手当金は退職後も受けられるか

本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。

公開

この記事の見出し(11)
  1. 辞める前にしか使えない制度がある
  2. 支給される4つの条件
  3. 支給される期間と金額
  4. 退職後も受け続けるための条件
  5. 退職日に出勤すると受けられなくなる
  6. 有給と傷病手当金の順番
  7. 手続きに必要なもの
  8. 会社とのやり取りが難しい場合
  9. 失業給付との関係
  10. 在職中に確認しておく4点
  11. まとめ

辞める前にしか使えない制度がある

体調を崩して働き続けるのが難しくなったとき、多くの人は「辞める」か「続ける」の二択で考えます。ただ、この二択の手前に、辞める前にしか手をつけられない制度があります。

健康保険の傷病手当金です。業務外の病気やケガで働けない期間の生活費を補うもので、条件を満たせば退職後も受け続けられます。ただしその条件は、在職中の段階で決まってしまいます。

この記事は制度の説明であり、医学的な判断や、働き続けるべきかどうかの助言をするものではありません。体調そのものについては医療機関に相談してください。

退職日までに満たすべき支給条件を示す図。横長のタイムラインの終点に退職日を示す印があり、その手前に医療の十字、病床、診療関連の用紙を抽象化したアイコン、カレンダーなど四つの囲みが矢印でつながれて並び、退職前に条件を満たす必要があることを示すイメージ図です

支給される4つの条件

全国健康保険協会(協会けんぽ)は、支給の条件を次のように示しています。

  1. 業務外の病気やケガで療養中であること
  2. 療養のための労務不能であること
  3. 4日以上仕事を休んでいること。療養のために仕事を休み始めた日から連続した3日間(待期期間)を除いて、4日目から支給対象です
  4. 給与の支払いがないこと

1 の「業務外」がポイントです。仕事が原因の場合は労災保険の対象になり、こちらの制度ではありません。

3 の待期期間は、連続した3日間である必要があります。飛び石で休んだ日を足し合わせる形では成立しません。

4 は、有給休暇を使っている期間は給与が出るため対象外になる、という意味です。有給の消化と傷病手当金は、同じ期間について重ねられません。

支給される期間と金額

同一の傷病について、支給を開始した日から通算して1年6か月です

「通算」という点が実務上の違いです。途中で復職した期間があっても、その分は消化されません。支給を受けた日数を積み上げて1年6か月に達するまで使えます。

1日あたりの金額は、支給開始日以前12か月間の各標準報酬月額を平均した額を30日で割り、その3分の2として計算されます。

つまり、おおむね月給の3分の2程度が目安になります。標準報酬月額は給与明細や健康保険証の関連書類で確認できます。

退職後も受け続けるための条件

ここが、辞めるかどうかの判断に直結する部分です。協会けんぽは継続給付の条件をこう説明しています。

資格喪失をした日の前日(退職日)までに継続して1年以上の被保険者期間(任意継続被保険者、共済組合の組合員である被保険者又は国民健康保険に加入していた期間を除く)があること

加えて、資格喪失時に傷病手当金を受けているか、受ける条件を満たしていることが必要とされています。

カッコの中も見落とせません。 任意継続や国民健康保険に加入していた期間は、この1年に数えられません。前の会社を辞めてから任意継続でつないでいた場合、その期間は算入されないことになります。

在籍期間が1年に満たない場合、退職するとそこで途切れます。 逆に言えば、1年に届きそうな時期であれば、退職日の設定が結果を変えます。

退職日に出勤すると受けられなくなる

見落とされやすいのが、この一文です。

退職日に出勤したときは、継続給付を受ける条件を満たさないために資格喪失後(退職日の翌日)以降の傷病手当金はお支払いできません

最終出社日と退職日を同じ日にすると、条件から外れます。「最後に挨拶だけ」「私物を取りに行くついでに」というつもりの出社でも、退職日に当たっていれば影響します。

これは退職日をいつにするかを決める段階でしか対処できません。 辞めてから気づいても戻せません。

有給と傷病手当金の順番

有給が残っている場合、両方を使いたくなります。ただし前述のとおり、有給を使っている期間は給与が支払われるため、傷病手当金の対象外です。

順番としては、次のように整理できます。

  1. 休み始め
  2. 連続3日間待期期間

    傷病手当金の対象外

  3. 有給を充てる期間給与(全額)

  4. 有給を使い切った後傷病手当金(おおむね3分の2)

  5. 傷病手当金だけになる
休み始めてからの収入源の移り変わり

有給を先に使うか、傷病手当金を先に受けるかは、金額だけを見れば有給のほうが大きくなります。ただし有給には退職前に消化しきる必要があり、傷病手当金には在籍1年以上という条件がかかります。どちらを優先するかは、残日数と在籍期間の組み合わせで変わります。

有給そのものの扱いは退職前の有給消化|断られたときの根拠で整理しています。

退職日に出勤すると支給が受けられなくなる理由を示す図。特定の日(カレンダー)から矢印で仕事を示すビジネスバッグに結ばれ、さらに支給を表す箱がバツで消えている表現と、日と給付の間が切れた鎖で示されている構成で、退職日に働くことで給付が途切れることを表したイメージ図です

手続きに必要なもの

申請には「傷病手当金支給申請書」を使います。この書類には、次の3者が記入する欄があります。

  • 本人 — 申請内容、振込先
  • 医師 — 療養担当者の意見(労務不能と認めた期間)
  • 会社 — 勤務状況と賃金の支払い状況

つまり、会社の記入欄があります。 退職後に申請する分についても、在職期間に対応する部分は会社の証明が必要になる場合があります。

ここで問題になるのが、会社と連絡が取れる状態にあるかどうかです。辞め方によっては、この書類のやり取りが止まります。

会社とのやり取りが難しい場合

体調を理由に休んでいる状態で、会社と条件の話をするのは負担が大きい場面です。退職日の設定、有給の消化、書類の受け渡しが同時に絡みます。

報酬を得る目的で法律事務を扱うことは弁護士法72条で制限されているため、民間業者は会社との交渉ができません。退職日をいつにするか、有給をどう充てるかといった調整が必要な場合、伝言を往復させる以上のことができません。

労働組合と弁護士は、有給や退職日について会社と交渉できます。書類のやり取りの窓口になってもらえるかは、依頼前に確認しておくとよい点です。

運営元ごとにできることの違いは退職代行の窓口を運営元で選ぶにまとめています。

失業給付との関係

傷病手当金を受けている間は、働ける状態にないため、失業給付は受けられません。失業給付は求職活動ができる状態の人が対象だからです。

ただし、受給期間の延長という仕組みがあります。すぐに求職活動ができない事情がある場合に、失業給付を受けられる期間を後ろにずらすものです。手続きには期限があるため、退職後にハローワークで確認してください。

なお、雇用保険にも名前のよく似た傷病手当があります。こちらは求職の申込みをした後に働けなくなった場合のもので、健康保険の傷病手当金とは別の制度です。違いは雇用保険の傷病手当は受給中に働けなくなったときで整理しています。

辞めた後の手続き全体と期限は仕事を辞めてから転職するか、在職中に動くかで扱っています。

在職中に確認しておく4点

確認すること確認できる場所
加入している健康保険健康保険証の保険者名
被保険者期間が1年以上あるか入社日から起算
標準報酬月額給与明細・保険料の控除額
有給の残日数給与明細・勤怠システム

加入先が協会けんぽではなく健康保険組合の場合、上乗せの給付を独自に設けていることがあります。この記事は協会けんぽの記載にもとづいているため、組合健保の方はご自身の保険者の案内を確認してください。

けがや病気の原因が仕事にある場合は、健康保険ではなく労災の対象になります。労災保険法は「保険給付を受ける権利は、労働者の退職によつて変更されることはない」と定めていて、辞めた後も請求できます。時効の分かれ目は労災の権利は退職しても変わらないに整理しました。

まとめ

  • 傷病手当金は業務外の病気やケガで働けない期間が対象。待期は連続3日間
  • 金額はおおむね月給の3分の2。期間は通算1年6か月
  • 退職後も受け続けるには、退職日までに継続して1年以上の被保険者期間(雇用保険に入っていた期間)が必要
  • 退職日に出勤すると、退職日の翌日以降は受けられない
  • 有給を使っている期間は対象外。順番の設計が要る
  • これらは在職中にしか決められない

制度の適用は個別の事情で判断されます。実際の申請の前に、加入している健康保険の保険者または年金事務所に確認してください。体調そのものについては医療機関にご相談ください。

名前の似た休業手当は根拠も場面も別です。休業手当は平均賃金の60%以上で分けました。

額の計算式と、報酬や年金との調整は傷病手当金の計算式は条文にあるにまとめました。

家族の介護で休む場合は別の制度です。介護休業は申し出れば取れて、雇用保険から給付金も出ます。先に辞めるとそちらは使えなくなるので、順番は介護離職と失業保険の前に、介護休業を確かめるにまとめました。

在職中の休職期間と、この給付が出る通算1年6か月は別々に進みます。どちらが先に切れるかの数え方は休職制度は法律に無い。だから就業規則を見るにあります。

紹介したサービスの運営元

サービス運営元料金
弁護士法人ガイア総合法律事務所弁護士記載なし(理由は下)
男の退職代行労働組合21,800円(税込) / 追加費用: 組合費が別途1,000円かかると公式サイトに明記。アルバイト・パート(社会保険未加入)は18,800円(税込)で、こちらも組合費は別途
弁護士法人ガイア総合法律事務所
弁護士が対応し、有給消化・離職票・源泉徴収票の取り寄せ・残業代・退職金の請求まで行うと記載(2026年8月18日確認。ページはほぼ画像で、この記述は img の alt 属性にある)。meta description に「即日退社、有給消化、社宅住み、入社したばかりの方、公務員、役員、業務委託全部対応します」とある。「自衛隊」「無期限サポート」の語はページに無い。LINE・電話での無料相談あり 公式サイトに画像で掲載されているため未掲載
男の退職代行
合同労働組合 toNEXTユニオンが運営。「有給を全て消化してからの退職と、お給料を満額支給してもらえるようサポート」と明記。男性専門。FAQ には「ほとんどのケースで有給消化しての退職に成功しております」としたうえで「(可能かどうかは会社側の就業規則や判断となります)」と併記されている(2026年8月22日に再確認)

運営元の種別は、各サービスの公式サイトで確認しています。広告主の掲載条件によりURLを記載できないサービスがあるため、リンクの有無は確認の有無とは関係ありません。料金は税込価格が文章で明示されているものだけを掲載しています。

出典