失業給付の求職活動実績|何が数えられるか
手続きをすれば自動で振り込まれるわけではない
失業給付は、離職票を持ってハローワークで手続きをすれば、あとは毎月振り込まれる——と思っている人がいます。実際は違います。
受給中は、決められた日ごとに「求職活動をしていること」を申告して確認を受ける必要があります。 これを失業の認定といい、確認を受ける日を認定日と呼びます。
そして申告する活動には、認められるものと認められないものがあります。ここを知らずに過ごすと、認定日に行っても給付が出ません。
なお、その離職票がまだ届いていない段階なら、手続きの入口で止まっています。届かないときの問い合わせ先は退職後に会社から受け取る書類にまとめています。
認定対象期間と回数
札幌のハローワークは、認定の対象になる期間をこう定義しています。
前回の認定日から今回の認定日の前日までの期間
この期間ごとに実績が必要です。旭川のハローワークによれば、必要な回数は原則として最低2回以上とされています。
ただし1回で足りる場合も挙げられています。
- 就職が困難な者である場合(障がい者等)
- 基本手当の支給に係る最初の失業認定日における認定対象期間
- 認定対象期間の日数が14日未満の場合
- 求人への応募を行った場合
- 市町村の取次ぎによる失業の認定を受ける場合
2つ目は、つまり初回だけは1回でよいということです。4つ目も実務上大きく、実際に応募していればその期間は1回で足ります。
給付制限がある場合は扱いが変わり、給付制限開始日から給付制限終了直後の認定日の前日までに2回以上(3か月の給付制限を受ける場合は3回以上)が必要とされています。
足りないとどうなるか
ここが一番効きます。
必要な求職活動実績の回数が不足する場合は、認定日に来所されても基本手当の支給を受けることができません
行けばもらえる、ではありません。 実績が足りなければ、その認定対象期間分は支給されないことになります。後から遡って足すこともできません。
何が実績として数えられるか
旭川のハローワークが挙げているものは次のとおりです。
| 認められるもの |
|---|
| 求人への応募 |
| ハローワークが行う職業相談、職業紹介、各種講習、セミナーの受講 |
| 民間職業紹介事業者や労働者派遣事業所による職業相談、職業紹介、指導セミナーの受講 |
| 公的機関等による職業相談、講習・セミナー、企業説明会の受講・参加 |
| 再就職に資する各種国家試験、検定等の資格試験の受験等 |
転職エージェントでの職業相談も含まれています。 民間の職業紹介事業者による職業相談が挙げられているためです。エージェントの面談を受けた場合、それが実績になり得ます。無料で使える仕組みと、費用を払っているのが誰かは転職エージェントはなぜ無料なのかで整理しています。
資格試験の受験が入っている点も見落とされやすいところです。再就職に資するものであれば対象になり得ます。
公的な職業訓練を受講する道もあります。2025年4月からは、教育訓練等を受けることで自己都合退職の給付制限が解除される扱いになりました。訓練の種類と給付金の条件は職業訓練と失業給付|給付制限の解除にまとめています。
何が数えられないか
逆に、これは実績になりません。
ハローワーク、新聞、インターネット等で求人情報を閲覧した、知人への紹介依頼等だけでは求職活動実績になりません
求人を見ただけでは足りないということです。転職サイトを毎日開いて求人を眺めていても、応募も相談もしていなければゼロのままです。
「知人への紹介依頼」も同様です。友人に「どこかいい会社ない?」と聞いた、では認められません。
この線引きは「客観的に確認できるか」で引かれています。ハローワークは、提出された失業認定申告書の記載内容について事業所等に事実確認をする場合がある、としています。申告した内容は確認され得るものだと考えておいてください。
認定日までの組み立て方
期間の終わり際に慌てないよう、順序を決めておくと楽です。
- 認定日を確認する。 次の認定日と、その前日までが対象期間
- 応募する予定があるか確認する。 応募が1件あれば、その期間は1回で足りる場合に当たります
- 無ければ職業相談を入れる。 ハローワークの窓口相談でも、民間の職業紹介事業者の相談でも対象になり得ます
- 申告書に日付と内容を記入する。 何をしたのか説明できる形で残しておく
3の「相談」は、求人を紹介してもらう場に限りません。応募先の選び方や書類について相談する形でも成立し得ます。何を聞くかを決めてから行くと、実績にもなり内容も残ります。
受給中に働いた場合
期間中にアルバイトなどをした場合は、申告が必要です。申告せずにいると、後から発覚したときに返還を求められることがあります。
働いた日数や時間によって、その分が減額されたり先送りになったりする扱いがあります。分かれ目は1日4時間と週20時間の2か所で、4時間以上働いた日の給付は消えるのではなく後ろに繰り越されます。詳しくは失業給付を受けながら働ける?4時間と20時間にまとめました。
扱いは細かく、個別の事情で変わります。 実際に働く予定がある場合は、事前にハローワークの窓口で確認してください。
早く決まった場合
求職活動を続けた結果、基本手当を使い切る前に就職が決まることがあります。この場合、残っている日数に応じて再就職手当が支給される仕組みがあります。
支給要件には就職の経路に関するものも含まれるため、決まってから調べるのでは間に合わないことがあります。 要件は再就職手当|早く決まると残りが戻るにまとめています。
辞める前に決まっていること
ここまでは辞めた後の話ですが、受給の条件そのものは辞める前に決まっている部分があります。
いつから受け取れるか、いくら受け取れるかは、離職理由と被保険者期間で変わります。辞める時期と手続きの全体像は仕事を辞めてから転職するか、在職中に動くかで扱っています。
体調を理由に辞める場合は、失業給付ではなく傷病手当金が関係することがあります。両方を同時に受けることはできません。この点は体調で辞める前に|傷病手当金と退職日にまとめています。
まとめ
- 認定対象期間は「前回の認定日から今回の認定日の前日まで」
- 必要な実績は原則2回以上。初回や、求人に応募した場合は1回で足りるとされている
- 回数が不足すると、認定日に行っても基本手当は支給されない
- 求人を閲覧しただけ、知人に紹介を頼んだだけでは実績にならない
- 民間の職業紹介事業者による職業相談も対象に挙げられている
- 申告内容は事業所等に事実確認される場合がある
必要な回数や扱いは、離職理由や個別の事情で変わります。この記事は北海道のハローワークの案内にもとづいています。自分の認定日と必要回数は、受給資格者証と管轄のハローワークで必ず確認してください。