失業給付の求職活動実績|何が数えられるか
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手続きをすれば自動で振り込まれるわけではない
失業給付は、離職票を持ってハローワークで手続きをすれば、あとは毎月振り込まれる——と思っている人がいます。実際は違います。
受給中は、決められた日ごとに「求職活動をしていること」を申告して確認を受ける必要があります。 これを失業の認定といい、確認を受ける日を認定日と呼びます。
そして申告する活動には、認められるものと認められないものがあります。ここを知らずに過ごすと、認定日に行っても給付が出ません。
なお、その離職票がまだ届いていない段階なら、手続きの入口で止まっています。届かないときの問い合わせ先は退職の書類は受け取るものと返すものにまとめています。

そもそも求職活動は、受ける側の努力義務でもある(10条の2)
回数や中身の前に、受け取る側に向けた条があります。雇用保険法10条の2です。
求職者給付の支給を受ける者は、必要に応じ職業能力の開発及び向上を図りつつ、誠実かつ熱心に求職活動を行うことにより、職業に就くように努めなければならない。
文末が「努めなければならない」なので、努力を求める書き方です。回数を満たすことと、この条が求めていることは同じではありません。 実績の数え方を先に覚えると形だけになりますが、条文の側は結果として就くことを見ています。
「必要に応じ職業能力の開発及び向上を図りつつ」が前に置かれているのも読むところです。訓練を受けることが、求職活動と並ぶものとして条文に入っています。
求職活動とは何を指すのか
回数の前に、何が求職活動なのかが条文に書かれています。雇用保険法15条5項です。
失業の認定は、厚生労働省令で定めるところにより、受給資格者が求人者に面接したこと、公共職業安定所その他の職業安定機関若しくは職業紹介事業者等から職業を紹介され、又は職業指導を受けたことその他求職活動を行つたことを確認して行うものとする。
挙がっているのは3つです。
- 求人者に面接したこと
- 職業安定機関または職業紹介事業者等から職業を紹介された、または職業指導を受けたこと
- その他求職活動を行ったこと
2に「職業紹介事業者等」が入っているのが要点です。ハローワークだけでなく、許可を受けた民間の職業紹介でも、紹介や職業指導を受ければ条文の側では対象に入ります。許可の確かめ方は未経験のIT転職は許可番号を確認するにまとめました。
3が「その他」で開いているので、具体的に何を数えるかは窓口の運用で決まります。下でハローワークの案内から整理します。
認定日そのものにも、条文が動作を決めている
15条5項が「厚生労働省令で定めるところにより」と送っている先は、雇用保険法施行規則22条1項です。
受給資格者は、失業の認定を受けようとするときは、失業の認定日に、管轄公共職業安定所に出頭し、受給資格者証を添えて(当該受給資格者が受給資格通知の交付を受けた場合にあつては、個人番号カードを提示して)失業認定申告書(様式第十四号)を提出した上、職業の紹介を求めなければならない。ただし、受給資格者証を添えて(当該受給資格者が受給資格通知の交付を受けた場合にあつては、個人番号カードを提示して)提出することができないことについて正当な理由があるときは、受給資格者証を添えない(当該受給資格者が受給資格通知の交付を受けた場合にあつては、個人番号カードを提示しない)ことができる。
読むところは末尾です。認定日にやることとして並んでいるのは、管轄公共職業安定所への出頭と、失業認定申告書(様式第十四号)の提出、そして職業の紹介を求めることです。
3つ目が義務の形で書かれています。申告書を出して帰るのではなく、その場で職業の紹介を求めるところまでが条文の想定です。だから認定日は、実績を報告する日であると同時に、求職活動をする日でもあります。
ただし書きは受給資格者証を添えられない場合の話で、正当な理由があれば添えなくてよいとしています。出頭と申告書の提出、職業の紹介を求めることのほうには、このただし書きは掛かっていません。
認定の間隔も同条3項にあります。
失業の認定は、求職の申込みを受けた公共職業安定所において、受給資格者が離職後最初に出頭した日から起算して四週間に一回ずつ直前の二十八日の各日について行うものとする。
4週間に1回、直前の28日について行われます。次の章で見る回数は、この28日ごとに数えます。
認定対象期間と回数
札幌のハローワークは、認定の対象になる期間をこう定義しています。
前回の認定日から今回の認定日の前日までの期間
この期間ごとに実績が必要です。旭川のハローワークによれば、必要な回数は原則として最低2回以上とされています。
ここでいう基本手当は、失業給付のことです。
ただし1回で足りる場合も挙げられています。
- 就職が困難な者である場合(障がい者等)
- 基本手当の支給に係る最初の失業認定日における認定対象期間
- 認定対象期間の日数が14日未満の場合
- 求人への応募を行った場合
- 市町村の取次ぎによる失業の認定を受ける場合
2つ目は、つまり初回だけは1回でよいということです。4つ目も実務上大きく、実際に応募していればその期間は1回で足ります。
給付制限がある場合は扱いが変わり、給付制限開始日から給付制限終了直後の認定日の前日までに2回以上(3か月の給付制限を受ける場合は3回以上)が必要とされています。
足りないとどうなるか
ここが一番効きます。
必要な求職活動実績の回数が不足する場合は、認定日に来所されても基本手当の支給を受けることができません
行けばもらえる、ではありません。 実績が足りなければ、その認定対象期間分は支給されないことになります。後から遡って足すこともできません。
遠くの会社を訪ねる場合は、旅費と宿泊料が出ることがあります。条件と額は広域求職活動費と移転費|面接と引っ越しの費用が出るにまとめました。
何が実績として数えられるか
旭川のハローワークが挙げているものは次のとおりです。
| 認められるもの |
|---|
| 求人への応募 |
| ハローワークが行う職業相談、職業紹介、各種講習、セミナーの受講 |
| 民間職業紹介事業者や労働者派遣事業所による職業相談、職業紹介、指導セミナーの受講 |
| 公的機関等による職業相談、講習・セミナー、企業説明会の受講・参加 |
| 再就職に資する各種国家試験、検定等の資格試験の受験等 |
転職エージェントでの職業相談も含まれています。 民間の職業紹介事業者による職業相談が挙げられているためです。エージェントの面談を受けた場合、それが実績になり得ます。無料で使える仕組みと、費用を払っているのが誰かは転職エージェントはなぜ無料なのかで整理しています。
資格試験の受験が入っている点も見落とされやすいところです。再就職に資するものであれば対象になり得ます。
公的な職業訓練を受講する道もあります。2025年4月からは、教育訓練等を受けることで自己都合退職の給付制限が解除される扱いになりました。訓練の種類と給付金の条件は職業訓練と失業給付|給付制限の解除にまとめています。
何が数えられないか
逆に、これは実績になりません。
ハローワーク、新聞、インターネット等で求人情報を閲覧した、知人への紹介依頼等だけでは求職活動実績になりません
求人を見ただけでは足りないということです。転職サイトを毎日開いて求人を眺めていても、応募も相談もしていなければゼロのままです。
「知人への紹介依頼」も同様です。友人に「どこかいい会社ない?」と聞いた、では認められません。
この線引きは「客観的に確認できるか」で引かれています。ハローワークは、提出された失業認定申告書の記載内容について事業所等に事実確認をする場合がある、としています。申告した内容は確認され得るものだと考えておいてください。

認定日までの組み立て方
期間の終わり際に慌てないよう、順序を決めておくと楽です。
- 認定日を確認する。 次の認定日と、その前日までが対象期間
- 応募する予定があるか確認する。 応募が1件あれば、その期間は1回で足りる場合に当たります
- 無ければ職業相談を入れる。 ハローワークの窓口相談でも、民間の職業紹介事業者の相談でも対象になり得ます
- 申告書に日付と内容を記入する。 何をしたのか説明できる形で残しておく
3の「相談」は、求人を紹介してもらう場に限りません。応募先の選び方や書類について相談する形でも成立し得ます。何を聞くかを決めてから行くと、実績にもなり内容も残ります。
面接会に出ると、条文の項目を2つまたぐ
条文が挙げているのは、求人者に面接したことと、職業紹介事業者等から職業を紹介され、または職業指導を受けたことです。この2つは別々に並んでいます。
事業者が主催する面接会は、この両方に触れる形になります。JAIC就職カレッジは公式サイトのトップで、利用した人は全員が書類選考なしで最大20社と面接でき、面接の前に無料の就職支援講座と面接対策が付くと案内しています。講座が職業指導、面接が求人者との面接にあたります。
ただし1回の参加が何回として数えられるかは、こちらでは決められません。 回数の数え方は認定を行う窓口が決めるので、申告する前に何をどう書けばよいかを聞いてください。条文が2つの項目を挙げていることと、それが2回になることは別です。
民間の職業紹介事業者に相談する場合、事業者ごとに対象年齢が決まっています。対象外の年齢で申し込むと相談自体を受けられないことがあるので、先に条件を見てから選んでください。
受給中に働いた場合
期間中にアルバイトなどをした場合は、申告が必要です。申告せずにいると、後から発覚したときに返還を求められることがあります。
働いた日数や時間によって、その分が減額されたり先送りになったりする扱いがあります。分かれ目は1日4時間と週20時間の2か所で、4時間以上働いた日の給付は消えるのではなく後ろに繰り越されます。詳しくは失業保険とバイト|4時間と20時間にまとめました。
扱いは細かく、個別の事情で変わります。 実際に働く予定がある場合は、事前にハローワークの窓口で確認してください。
早く決まった場合
求職活動を続けた結果、基本手当(失業給付のこと)を使い切る前に就職が決まることがあります。この場合、残っている日数に応じて再就職手当が支給される仕組みがあります。
支給要件には就職の経路に関するものも含まれるため、決まってから調べるのでは間に合わないことがあります。 要件は再就職手当|早く決まると残りが戻るにまとめています。
辞める前に決まっていること
ここまでは辞めた後の話ですが、受給の条件そのものは辞める前に決まっている部分があります。
いつから受け取れるか、いくら受け取れるかは、離職理由と被保険者期間(雇用保険に入っていた期間)で変わります。辞める時期と手続きの全体像は仕事を辞めてから転職するか、在職中に動くかで扱っています。
体調を理由に辞める場合は、失業給付ではなく傷病手当金が関係することがあります。両方を同時に受けることはできません。この点は体調で辞める前に|傷病手当金と退職日にまとめています。
まとめ
- 認定対象期間は「前回の認定日から今回の認定日の前日まで」
- 必要な実績は原則2回以上。初回や、求人に応募した場合は1回で足りるとされている
- 回数が不足すると、認定日に行っても基本手当は支給されない
- 求人を閲覧しただけ、知人に紹介を頼んだだけでは実績にならない
- 民間の職業紹介事業者による職業相談も対象に挙げられている
- 申告内容は事業所等に事実確認される場合がある
必要な回数や扱いは、離職理由や個別の事情で変わります。この記事は北海道のハローワークの案内にもとづいています。自分の認定日と必要回数は、受給資格者証と管轄のハローワークで必ず確認してください。