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パートの有給休暇は週30時間が分かれ目

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この記事の見出し(12)
  1. 分かれ目は週30時間
  2. 減らされる場合の日数
  3. シフト制で日数が決まっていないとき
  4. 出勤率8割は同じように掛かる
  5. 年5日の義務は付く人と付かない人がいる
  6. 掛け持ちしていても合算しない
  7. 時間単位で取れるかは会社次第
  8. 契約の途中で日数が変わったとき
  9. 賃金はどう計算されるか
  10. 有給がまだ無い時期に休むとき
  11. 辞めるときの扱いも同じ
  12. まとめ

パートやアルバイトでも有給休暇はあります。ただし日数の決まり方が2通りあり、どちらになるかで結果がかなり違います。

分かれ目は週30時間

労働基準法第39条第3項が、日数を減らす扱いの対象者を定めています。その対象から外れる人の線は、施行規則24条の3にあります。

法第三十九条第三項の厚生労働省令で定める時間は、三十時間とする。

週の所定労働時間が30時間以上なら、この扱いの対象から外れます。つまり日数は正社員と同じです。週4日でも1日8時間なら32時間になるので、こちらに入ります。

日数のほうにも線があります。

法第三十九条第三項第一号の厚生労働省令で定める日数は、四日とする。

週5日以上働いているなら、時間が短くても対象から外れます。1年単位で決まっている人は217日以上が同じ扱いです。

減らされるのは、週30時間未満かつ週4日以下の場合だけです。

週の所定労働時間の分かれ目を示す図。短い時間バーと出勤マスが少ない側と、長い時間バーと出勤マスが多い側に分け、長い側から正社員と同等の扱いを示す書類風アイコンへ矢印が伸びる構図のイメージ図です

減らされる場合の日数

規則24条の3が表で定めています。継続勤務が6か月に達したときの日数です。

週の所定労働日数継続勤務6か月のときの日数

  1. 週4日7日6年6か月以上なら15日
  2. 週3日5日6年6か月以上なら11日
  3. 週2日3日6年6か月以上なら7日
  4. 週1日1日6年6か月以上なら3日
規則24条の3が表で定めている比例付与の日数

途中の年数も1年ごとに刻まれています。週4日なら1年6か月で8日、2年6か月で9日、3年6か月で10日、4年6か月で12日、5年6か月で13日と増えていきます。

週2日でも6か月で3日は付きます。ゼロにはなりません。週4日の人は6年6か月で15日まで増えます。

正社員の日数は有給の付与日数にまとめました。

シフト制で日数が決まっていないとき

表の左端は「週の所定労働日数」ですが、シフトで毎週変わる人はこの数字が決まりません。その場合は1年間の所定労働日数で見ます。

週の日数にあたる区分1年間の所定労働日数

  1. 週4日にあたる169日から216日まで
  2. 週3日にあたる121日から168日まで
  3. 週2日にあたる73日から120日まで
  4. 週1日にあたる48日から72日まで
週の日数が決まっていないときは、1年間の所定労働日数で見る

年間の日数が決まっていない場合は、実際に働いた日数から見込みを立てることになります。シフトの記録を残しておくと、この計算がしやすくなります。

出勤率8割は同じように掛かる

日数が減っても、付与の条件そのものは変わりません。39条1項の「6か月継続勤務」と「全労働日の8割以上出勤」は同じです。

分母になるのは所定労働日です。シフトが入っていなかった日は分母に入らないので、週2日の人が2日休んでも、正社員が2日休んだときより出勤率への影響が大きくなります。

年5日の義務は付く人と付かない人がいる

39条7項は、10日以上付与された人に会社が年5日取らせることを義務づけています。比例付与の表を見ると、10日に届くのは週4日の人が3年6か月続けたときからです。

週3日以下の人は、勤続が長くなっても表の日数が10日に届く前に上限の11日や7日に達します。週3日なら5年6か月で10日になり、そこから義務が掛かります。

つまり同じ職場のパートでも、義務の対象になる人とならない人が混ざります。自分が対象かどうかは、付与された日数が10日以上かどうかで決まります。

掛け持ちしていても合算しない

2つの職場で働いている場合、時間や日数を足して30時間を超えても、それで正社員と同じ扱いになるわけではありません。39条は雇い入れた使用者ごとに義務を課しているので、判定も職場ごとに行われます。

だから週15時間ずつ2か所という人は、どちらも比例付与になります。片方に寄せて30時間を超えるほうが、有給の日数だけで見れば有利です。

時間単位で取れるかは会社次第

39条4項は、労使協定を結んだ場合に限り、5日以内の範囲で時間を単位として有給を与えられるとしています。条文は「五日以内に限る」と書いていて、年という語は使っていません。

協定が無ければ日単位です。半日単位も法律上の制度ではなく、会社が任意で運用しているものです。シフトが短い人ほど1日単位で取りにくいので、協定があるかどうかは確かめておく価値があります。

掛け持ちの複数勤務でも労働時間や有給日数を合算しないことを示す図。左右に別々の勤務トラック(カレンダーと時間バーと給与/書類風アイコン)を配置し、中央に合算不可を示す区切りや大きなバツ印がある構図のイメージ図です

契約の途中で日数が変わったとき

週3日から週4日へ増えたときに、すでに付与された日数はさかのぼって増えません。表が見ているのは付与日の時点の所定労働日数です。

次の付与日に週4日になっていれば、そこからは4日の行で計算されます。逆に減らされたときも同じで、すでに付いた日数が取り上げられることはありません。

契約内容が変わるときは、変更後の所定労働日数が書面で示されているかを見ておきます。

賃金はどう計算されるか

有給を取った日にいくら払われるかは、39条9項が3通りを認めています。平均賃金、所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金、労使協定があるときは健康保険の標準報酬日額のいずれかです。

どれを使うかは会社が就業規則で決めます。日によって働く時間が違うパートでは、この選び方で金額が変わります。たとえば1日3時間の日と8時間の日がある人が、通常の賃金で計算される場合、どちらの日に有給を当てるかで受け取る額が変わります。

金額が想定と違ったときは、就業規則のどの方式かをまず確かめます。方式そのものは労働者が選べませんが、どの日に取るかは39条5項で労働者が指定できます。

有給がまだ無い時期に休むとき

入社から6か月の間は有給がありません。この期間に休むと欠勤になり、その分の賃金は支払われません。シフトを減らしてもらう形なら、そもそも所定労働日ではなくなるので欠勤にはなりません。

ただしシフトを減らすと、8割以上出勤の分母も減ります。分母が小さいほど、1日休んだときの影響は大きくなります。6か月の節目が近いときは、この点を見ておくほうがよいです。

辞めるときの扱いも同じ

退職前に消化できるか、買い取ってもらえるかも、正社員と変わりません。根拠は退職前の有給消化有給の買取ができる場合とできない場合に分けました。

繰り越しの期限も同じ2年です。有給の繰り越しは2年で消えるにまとめました。

パートやアルバイトが辞めるときの手順そのものはパート・アルバイトも退職代行は使える?にあります。

まとめ

  • 週30時間以上なら日数は正社員と同じ
  • 週5日以上(年217日以上)も同じ
  • 減るのは週30時間未満かつ週4日以下のときだけ
  • 週2日でも6か月で3日は付く
  • シフト制は1年間の所定労働日数で区分を決める
  • 年5日の義務は、付与日数が10日以上になってから

付与されているはずの有給を取らせてもらえない場合は、日数の話とは別になります。何を根拠に押し返せるかは有給消化を断られたときにまとめました。

出典