源泉徴収票の見方|空欄・年分・前職分の確認
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手元の源泉徴収票は、①用紙の年分、②支払金額と源泉徴収税額、③空欄と摘要欄の順に見ます。退職後に空欄があっても、それだけで誤記とは決められません。前職分を含むかも、票を出した勤務先に確かめます。
まず年分を見てください。給与所得控除は年によって使う表が変わります。
令和7年分(2025年)
- 最低保障額は65万円
- 令和7年分の表を使う
令和8・9年分(2026・2027年)
- 最低保障額は74万円
- 改正の施行日は2026年12月1日
金額だけで誤記を決めない。手元の票の年分と、国税庁の該当年分の表を照合する
上段に並ぶ欄
まず見るのは、用紙の上段に横並びになっている金額です。
欄 / 何の金額か
- 支払金額
- 1年間に支払われた給与と賞与の合計
- 給与所得控除後の金額
- 支払金額から給与所得控除を引いた額
- 所得控除の額の合計額
- 社会保険料や扶養などの控除の合計
- 源泉徴収税額
- 実際に天引きされた所得税の合計
支払金額は税や社会保険料を引く前の総額です。手取りの合計ではないので、通帳の入金額を足しても一致しません。通勤手当は非課税の範囲であればここに入りません。
空欄は、年末調整の有無を確認する
年末調整をしていない給与の源泉徴収票では、給与所得控除後の金額と所得控除の額の合計額が空欄になることがあります。空欄があれば、まず発行した勤務先へ年末調整をしたかを聞きます。空欄だけで書き忘れとも、すべての手続きが終わったとも決めないでください。
途中退職でも年末調整の対象になる場合があります。国税庁の年末調整の対象となる人には、年の途中に行う場合として、次の例が挙がっています。
12月に支給されるべき給与等の支払を受けた後に退職した人
ほかに死亡退職や、著しい心身の障害のための退職などにも条件があります。扶養控除等申告書の提出なども含め、勤務先に対象かを確認します。「年の途中で辞めて再就職しなければ、必ず年末調整なし」という扱いにはしません。
その年に次の会社で働き始めたら、前の会社でもらった給与などを担当者に伝えます。中途就職者の年末調整は、前の勤務先で扶養控除等申告書を出して受けた給与を含めて行う必要があり、源泉徴収票などで確認できなければ行えないと案内しています。転職した年の年末調整も確認してください。
確定申告をしても、前の会社からもらった用紙の空欄が自動で埋まるわけではありません。申告で税を計算することと、会社が渡した書類を直すことは別です。
源泉徴収税額は、還付される額ではない
源泉徴収税額は、その票で扱う給与から徴収した税額です。年末調整を受けていない場合は、年税額との過不足が残っていることがあります。
国税庁の中途退職で年末調整を受けていないときは、納め過ぎとなっている所得税などを、翌年から確定申告すれば還付を受けられると案内しています。退職すれば必ず戻るという意味ではありません。ほかの所得や控除も含めて計算します。退職した年の確定申告へ進んでください。
控除の数字は年分を合わせて確かめる
用紙にある年分を先に確認し、国税庁の給与所得控除の表で同じ年分を選びます。令和7年分と令和8・9年分では最低保障額が違います。
国税庁は令和8・9年分について、次のように説明しています。
令和8年12月1日に施行され、令和8年分及び令和9年分に適用される金額です。
令和8年度改正のQ&AのQ1-1・Q1-3では、11月までの給与の源泉徴収事務は変わらず、12月1日以後の年末調整に改正後の控除を使うと案内しています。11月30日以前に最後の給与を受け、その際に年末調整を受けた人は、改正後の控除の適用に確定申告等が必要です。先にもらった票を、あとで使う表だけと比べて誤りと決めないでください。
このページは票の読み方を扱います。控除額を自分で計算するときは、国税庁の表と注記を使い、票の年分と金額を合わせてください。
複数あるときは、前職分の重複を確かめる
同じ年分の別々の給与は、給与所得控除を求めるときに合計して扱います。国税庁の案内です。
同一年分の給与所得の源泉徴収票が2枚以上ある場合には、それらの支払金額の合計額により上記の表を適用してください。
ただし、再就職先で前職分を含めて年末調整した票と、前職の票を持っている場合は、同じ給与を二重に足さないようにします。摘要欄の前職名・支払金額などを見て、再就職先へ「この支払金額には前職分が含まれますか」と聞いてください。
前職350万円、現職200万円という例も、どちらも別々の給与だけを載せた票なら550万円です。現職の票に前職分が含まれている場合に、さらに350万円を足す計算にはしません。空欄だけで申告義務を決めず、勤務先で合算したかと、ほかの所得などを整理します。
金額が小さくても本人へ交付する
会社から本人への交付と、税務署への提出は別です。国税庁タックスアンサー7411は、税務署への提出範囲にかかわらず、すべての受給者への交付が必要と案内しています。支払金額が30万円以下だから本人も受け取れない、ということではありません。
会社が税務署へ出す分は、令和8年12月31日以前に出すべきものと、令和9年1月1日以後に出すべきものとで範囲が違います。いつ出すものかを省いて、途中で辞めた人すべてに同じ30万円の基準を当てはめないでください。本人への交付期限は退職後1か月以内です。
マイナンバーは書かれていない
国税庁タックスアンサー7411は、本人へ渡すものについて次のように案内しています。
ただし、受給者に交付する「給与所得の源泉徴収票」には、マイナンバーおよび法人番号を記載しませんので、ご注意ください。
自分の源泉徴収票に番号が無くても、それが正しい形です。
番号の提出を求められたときは、源泉徴収票を書き換えず、会社が指定する別の手続きで提出します。
下段で見落としたくない欄
社会保険料等の金額
所得控除の額の合計額とは別に、社会保険料等の金額という欄があります。健康保険・厚生年金・雇用保険として給与から引かれた額の合計です。
年末調整を受けていない票では、所得控除の合計が空欄でも、この欄に額が載ることがあります。年末調整をしていなくても、実際に引いた額は分かっているからです。申告時には、この額に含まれる保険料を確認して入力します。年末調整で申告した保険料があるか、退職後に払った分と重なっていないかも見ます。
退職後に自分で払った国民健康保険料や国民年金保険料は、会社へ申告していない分は、その票に含まれていないことがあります。自分で領収書や控除証明書を集めて足すことになります。切り替えの手続きは退職後の健康保険にまとめました。
扶養親族の欄
控除対象扶養親族の数や、配偶者の有無を書く欄があります。ここも年末調整で確定するので、退職した年は実態と合わないことがあります。
年の途中で家族の状況が変わった場合、その反映は確定申告か再就職先の年末調整で行います。申告や年末調整で使う家族の情報と、すでにもらった票にあることは分けて確かめます。票そのものを直す必要があれば、渡してくれた会社へ相談してください。
摘要欄の前職分
用紙の下のほうに摘要という欄があります。中途入社した人は、ここに前職の会社名・支払金額・源泉徴収税額・社会保険料が書かれていることがあります。
前の会社の分を含むかを確かめる手掛かりです。摘要が空欄というだけで、年末調整をしたか、確定申告が必要かは決められません。票を出した会社へ、どの給与を含めたかを聞きます。
退職所得は別の用紙になる
退職金を受け取った場合、その分はこの用紙には入りません。退職所得の源泉徴収票という別の様式で交付されます。
給与とは税の計算方法が違い、勤続年数に応じた控除があるためです。金額の出し方は退職金にかかる税金にまとめました。
給与の源泉徴収票の支払金額に退職金が入っていたら、それは記載の誤りなので会社に確認します。
交付の形は紙とは限らない
本人の承諾があれば、書面ではなく電磁的な方法で提供できることになっています。社内システムからダウンロードする形の会社もあります。
会社からデータでもらった場合も、そのまま申告に使えるかは確かめます。会社のPDFと、e-Taxが読み込むデータは同じとは限りません。申告する画面や、出す先の案内に従ってください。
いずれの形でも、記載されている内容は同じです。
見つからないとき
紛失した場合の再発行は、税務署ではなく会社に頼みます。会社が応じない場合の手順は源泉徴収票の再発行は税務署では扱えないにまとめました。
この記事で確かめたこと
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