退職の段取り帳

退職日は月末か、その前日か

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2026/7/31公開

「月末の前日に辞めれば社会保険料が1か月分浮く」とは限りません。 厚生年金で払う月は変わりますが、その月の国民年金や健康保険をあとで払う場合があります。辞める日だけでなく、次に入社する日と家族の扶養に入れるかを並べて考えてください。

まず、退職日と次の入社日を並べる

3月を例に、厚生年金が何月分までか、別の年金へ移る必要があるかを分けます。ここでは次の会社に入るまで、家族の扶養には入らない人を想定します。

退職日と入社日3月分の厚生年金保険料

  1. 3月31日退職・次は未定

    納める(会社経由)

    3月分の国民年金保険料は不要

  2. 3月30日退職・次は未定

    納めない

    3月分の国民年金保険料を自分で納める

  3. 3月30日退職・4月1日入社

    納めない

    3月31日だけ第1号となり、3月分を納める

  4. 3月31日退職・4月1日入社

    納める(会社経由)

    切替の空白がない

日本年金機構の案内に基づき、3月の日付を比べる例

2行目と3行目は健康保険の切替も必要です。国民健康保険と家族の扶養では負担が異なるため、この図だけで「どちらが得か」は決められません。

表を読むときは、まず自分の「辞める日」と「次の入社日」に近い行を選び、次に健康保険の入る先を考えます。厚生年金の欄だけを見て決めると、年金の払う先が変わることや、新しく入る手続きを見落とします。次の仕事が未定なら、辞めた翌日からどの健康保険に入るかも考えましょう。

なぜ1日違うと払う月が変わるのか

日本年金機構の厚生年金Q&Aは、資格を失う日と保険料の対象になる月をこう説明しています。

退職した日の翌日に厚生年金の被保険者資格を喪失することとなります。保険料は、資格喪失日が属する月の前月分まで納める必要があります。

3月30日に辞めると、資格を失う日は3月31日。厚生年金は2月分までです。3月31日に辞めると翌4月1日に資格を失い、3月分まで払います。

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なお、月の「末日」に退職した場合は、翌月1日が資格喪失日となりますので、退職した月分までの保険料を納める必要があります。この場合は、給与計算の締切日によって、退職時の給与から前月分と当月分の被保険者負担分が控除される場合があります。

最後の給与で2か月分引かれる場合もあります。手取りの見込みを知りたいときは、会社の給与担当に何月分が最後の給与から引かれるかをたしかめます。

最後の給与から多く引かれていても、何月分か分からないまま「月末退職は損」と決めないでください。辞める日を1日変えたとき、給与から何月分が引かれるかを会社へ聞きます。その後、自分で払う保険料も別にメモすれば、同じ月の負担を比べやすくなります。

厚生年金が止まった月は「無料の月」ではない

日本年金機構の退職・再就職の例は、月末にどの年金へ入っているかを示しています。

4月16日から国民年金第1号被保険者となり、4月末以降も第1号被保険者である場合、4月分の保険料から納付します。

3月30日に辞め、次の仕事が決まっていなければ、3月31日から第1号となり、3月分の国民年金を払います。家族の扶養に入れる場合は扱いが変わるため、扶養の条件を先に見てください。健康保険も辞めた翌日に資格を失います。3つの保険の比べ方と合わせて金額を見ましょう。

次の会社に同じ月内に入るなら、区分がまた変わります。

4月16日から国民年金第2号被保険者となり、4月末以降も第2号被保険者である場合、4月分の保険料を納付する必要はありません。

3月30日退職・4月1日入社では、月末の3月31日に第1号となる点が重要です。退職日を3月31日、入社日を4月1日にできれば、この1日の空白がありません。日付の調整が可能かは会社とたしかめてください。

3月中に次の会社へ入るなら、月末に入っている年金がまた変わります。この例をそのまま自分に当てはめず、前の会社の資格を失う日、新しい会社へ入る日、月末の入る先を並べてください。まだ日が決まっていないなら、窓口にも「予定」と伝えます。

保険料以外に、決める前に見ること

会社は、健康保険と厚生年金の資格を失うときの届出をあわせて行います。日本年金機構は次のように案内しています。

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健康保険および厚生年金保険の資格を喪失する者(70歳以上被用者を含む)または任意喪失する者が生じた場合は、事業主が「健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届/厚生年金保険70歳以上被用者不該当届」を提出します。

日付を変える前に、次の3点をたしかめてください。

  1. 次の入る先と日付。 入社予定があるなら新しい会社へ入社日を確認し、間が空くなら健康保険と年金の切替先を決めます。
  2. 実際の保険料。 国民健康保険は市区町村、任意継続は入る先の保険者へ金額を聞き、年金と合わせて比べます。
  3. 保険料以外の差。 住民税の扱い、雇用保険の被保険者期間(雇用保険に入っていた期間)、退職金の勤続年数も日付で変わり得ます。詳しくは退職月の住民税と失業給付の受給要件で確認できます。

辞める日を保険料だけで決めず、有給や引き継ぎ、会社との話し合いも含めて考えます。どちらが安いかは人によって違います。自分の金額が分からなければ、年金事務所と市区町村へ同じ日程を伝えて聞いてください。

確認の際は、比較したい二つの退職日と次の入社予定日を両方伝えます。年金事務所には入っている制度と対象になる月、市区町村には国民健康保険の入る期間と概算、前の会社には最後の給与で引かれる月をたしかめます。聞く先ごとに数字の意味が違うため、合計金額を比べる前にどの月の分かをそろえてください。

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