倒産で給料が未払いなら|6か月の期限と立替払
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会社が倒産し、給料が未払いのまま辞めたら、早めに労働基準監督署へ相談してください。 未払賃金の一部を政府が立て替える制度があります。ただし、退職後6か月以内に破産手続開始等の申立てか、監督署長への認定申請がなされなければ対象外です。
制度に入るための6か月
- 起点は退職日
- 破産手続開始等の申立てか、監督署長への認定申請
立替払を請求する2年
- 起点は破産手続開始等の決定日・認定日の翌日
- 証明・確認を受けてから機構へ請求
先に退職後6か月の条件を満たす。2年の請求期限では補えない
最初に監督署へ相談し、手元の記録を集める
給与明細、雇用契約書・労働条件通知書、通帳の入金記録、タイムカードの写しなどを持っていきます。資料がそろうのを待って期限を過ぎないでください。 手元にないものは相談時に伝えればよいので、辞めた日と最後に給料が払われた日を先に整理します。
会社が裁判所で破産等の手続きに進んでいるか分からない場合も、監督署で相談できます。破産手続きが始まっていないときには、監督署長による「事実上の倒産」の認定を受ける経路があります。
記録がないときの集め方は残業代の証拠がないときも参考にできます。監督署への賃金未払の申告と、立替払の認定申請は別の手続きです。
払うのは会社ではなく政府
独立行政法人労働者健康安全機構は、制度をこう説明しています。
全文を開く(127字)
未払賃金の立替払制度は、労働者とその家族の生活の安定を図る国のセーフティーネットとして、企業倒産に伴い賃金が支払われないまま退職した労働者に対し、「賃金の支払の確保等に関する法律」に基づいて、その未払賃金の一部を政府が事業主に代わって立替払する制度です。
会社からの支払いを待つ制度ではありません。ただし、どの給料が入り、いくら・いつ受け取れるかには条件があります。
立て替えられるのは8割(賃確法施行令4条)
立て替えられるのは対象となる未払賃金の8割までで、全額ではありません。その総額にも、退職日の年齢で上限があります。
8割の根拠は、賃確法施行令4条です。
賃確法 施行令4条を開く
法第七条の政令で定める範囲内の未払賃金に係る債務は、同条の未払賃金に係る債務のうち、同条の請求をする者に係る未払賃金総額(その額が、次の各号に掲げる同条の請求をする者の区分に応じ、当該各号に定める額を超えるときは、当該各号に定める額)の百分の八十に相当する額に対応する部分の債務とする。
「百分の八十」が8割のことです。
年齢ごとの上限は次のとおりです。
退職日の年齢立て替えられる額
30歳未満
88万円
未払賃金総額の上限は110万円
30歳以上45歳未満
176万円
未払賃金総額の上限は220万円
45歳以上
296万円
未払賃金総額の上限は370万円
上限は総額のほうに掛かるので、上限を超える場合は「上限額の8割」が支払われます。図の「立て替えられる額」が上限額です。
退職後6か月以内に申立てか認定申請が必要
制度を知っていても、ここで落ちることがあります。
全文を開く(119字)
なお、退職後6か月以内に、裁判所への破産手続開始等の申立て又は労働基準監督署長への認定申請がなされなかった場合は、立替払の対象になりませんので、会社が倒産して賃金の未払が発生した場合は、できるだけ早く労働基準監督署に行き、ご相談ください。
起点は自分の退職日で、期限は6か月です。 そして期限内に必要なのは、自分が請求することではなく、申立てか認定申請がなされていることです。
会社の動きが分からないときも、まず監督署に状況を伝えます。待っている間に6か月が過ぎると対象外になります。
対象になる賃金の範囲
対象は定期賃金と退職手当で、賞与は入りません。未払いの総額が2万円未満のときも対象外です。
範囲について、機構の説明はこうです。
立替払の対象となる未払賃金は、労働者が退職した日の6か月前から立替払請求日の前日までに支払期日が到来している定期賃金と退職手当のうち、未払となっているものです。
入るのは、退職日の6か月前から請求日の前日までに支払日が来たものです。
金額の下限もあります。
また、未払賃金の総額が2万円未満の場合も対象とはなりません。
2万円未満だと対象外なので、少額の未払いはこの制度では回収できません。その場合は別の窓口になります。
期限はもう1つある
6か月とは別に、請求そのものの期限が置かれています。
全文を開く(157字)
労働者は、未払賃金の額等について、法律上の倒産の場合には破産管財人等による証明を、事実上の倒産の場合には労働基準監督署長による確認を受けたうえで、独立行政法人労働者健康安全機構に立替払の請求を行いますが、これは破産手続開始の決定等がなされた日又は監督署長による認定日の翌日から起算して2年以内に行う必要があります。
2つの期限は起点が違います。6か月のほうは自分の退職日から数え、2年のほうは決定日や認定日の翌日から数えます。
先に退職後6か月の入口を確かめ、その後に請求期限を確認します。2年の期限があっても、6か月の条件を補うことはできません。
証明や確認を受ける相手も分かれています。裁判所の手続きが動いている場合は破産管財人等、動いていない場合は労働基準監督署長です。どちらの経路になるかで、話をしに行く相手が変わります。
残りの2割はどうなるか
立て替えられるのは8割までなので、まだ払われていない分が残ります。同じ機構の説明によると、機構は立て替えた額について労働者の賃金請求権を代位取得し、事業主等に求償するとされています。
代位取得されるのは立て替えた分だけです。 残る2割の請求権は本人のもので、倒産の手続きの中で債権として届け出ることになります。配当があるかどうかは残余財産次第なので、確実に戻るとは限りません。
それでも、8割を先に確保したうえで残りを追う形になります。全額を会社から取り立てようとして時間を使うより、先に制度を使うほうが順序として合理的です。
給料が出ないまま辞めた後のこと
倒産による離職は、失業給付では特定受給資格者にあたる扱いになります。給付制限や所定給付日数(手当を受け取れる日数)は離職理由の区分で扱いが変わります。区分の判定は離職理由は会社の記載で決まらないにあります。
対象になる離職理由なら、国民健康保険料の軽減を申請できる場合もあります。対象と届け出は会社都合退職のデメリットはあるかに整理しました。
離職票が会社から届かない場合でも、手続きは止まりません。仮決定という経路があり、進め方は離職票が届かないときにまとめました。倒産の場合は会社に人が残っていないことがあるので、この経路のほうが現実的です。
倒産していない場合
会社が営業を続けていて、単に払わないという場合、この制度は使えません。そちらは遅延利息と請求の期限の話になります。退職後は年14.6パーセントが付くので、金額の計算が変わります。給料が未払いのとき|退職後は年14.6%に整理しました。
次にすること
まず退職日から6か月の期限を確認し、給与明細など手元の資料を持って監督署に相談します。立替払の対象と申立て・認定申請の経路を確認した後で、残る未払分の請求を検討してください。
この記事で確かめたこと
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