離職票が届かない|仮決定手続きで待たない
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辞めてから2週間、3週間と経っても離職票が届かない。会社に聞いても「手続き中です」で止まる。この状態で待つと損をします。
このページは、届くのを待たずに動かせる手続きを、ハローワークの案内と条文から確認します。
待っている間に何が動いているのか
失業給付は、申し込んだ日を起点に進みます。
雇用保険の失業給付の受給申込みは、原則として、初めてハローワークに離職票を提出し申込みを行った日から手続きが開始されます。
退職した日ではなく、申し込んだ日です。 待機の7日間も、給付制限の1か月も、そこから数え始めます。離職票を1か月待てば、入金も1か月遅れます。
遅れがもっと重い結果になることもあります。
受給申込みが遅れた場合、失業給付の支給が遅れるほか、受給期間により失業給付の受給ができなくなる可能性があります。
受給できる期間そのものに区切りがあるためです。 原則は離職日の翌日から1年で、その中で受け取り切れなかった分は消えます。届くのを待っているうちに、受け取れる日数のほうが減っていきます。

待たずに申し込む手続きがある
離職票が無い状態でも受け付けてもらえる仕組みが用意されています。
離職票の交付が遅れている等のご事情があり、受給資格があると見込まれる場合には、受給申込みを仮で受付(受給資格の仮決定手続き)できる場合があります。
「受給資格の仮決定手続き」といいます。効き方はこうです。
仮決定手続きを行っておくことで、後日離職票が交付され受給資格があると判断できた際に、仮決定手続きを行った日にさかのぼり、仮決定手続き行った日から手続きが開始されたものとして手続きを進めることができます。
さかのぼります。 先に仮の申し込みをしておけば、離職票が2週間後に届いても、起点は仮決定をした日のままです。待っていた場合との差が、そのまま日数の差になります。
いつから行けるか
行ける日も決まっています。
退職日の翌日から12日目以降(例:離職日が3月31日の場合、4月12日以降)からお手続き可能です。
12日目です。 これは、会社側の手続き期限を過ぎたあたりに設定されています。事業主は資格喪失の届出を10日以内に出すことになっているため、そこから数日おいてなお届かないなら遅れている、という判断になります。
退職日からの経過日数そのときの状況
- 退職日の翌日〜11日目会社の手続き期間まだ通常の範囲
- 12日目以降仮決定手続きができる
- 1か月以上ハローワークへ相談会社が動いていない可能性が高い
閉庁日と重なった場合は翌開庁日になります。なお、この案内は大阪のハローワークが出しているものです。扱いは地域によって運用が異なることがあるので、行く前に住居地を管轄するハローワークへ電話で確認してください。
会社が出さないとき、そもそもどこへ言うのか(雇用保険法8条)
「会社に催促する」以外の道があります。ハローワークインターネットサービスに明記があります。
なお、会社から離職票が交付されない場合や、事業主が行方不明の場合等については、住居地を管轄するハローワークにお問い合わせください。
行方不明の場合まで想定されています。 会社と連絡が取れることは前提になっていません。自分と会社の間だけで解決する話ではない、ということです。
なお、会社が電子申請で手続きをしている場合、紙を待たずにマイナポータルで受け取れるようになっています。2025年1月20日以降の仕組みで、連携設定を済ませていることが条件です。届くまでの目安と設定の位置づけは離職票はいつ届くか|マイナポータルで受け取るに整理しました。
交付を「請求できる」と条文に書いてある
催促のしかたで迷うところですが、これはお願いではありません。雇用保険法76条3項が、離職した人の側に請求する権利を置いています。
離職した者は、厚生労働省令で定めるところにより、従前の事業主又は当該事業主から徴収法第三十三条第一項の委託を受けて同項に規定する労働保険事務の一部として求職者給付の支給を受けるために必要な証明書の交付に関する事務を処理する労働保険事務組合に対して、求職者給付の支給を受けるために必要な証明書の交付を請求することができる。
そして同じ項の続きが、会社の側の義務になっています。
その請求があつたときは、当該事業主又は労働保険事務組合は、その請求に係る証明書を交付しなければならない。
「交付しなければならない」と書かれています。 手続き中かどうかとは別に、請求があれば出すことになっています。
拒んだ場合の罰則も同じ法律にある
さらに83条が、拒んだときの扱いを定めています。
事業主が次の各号のいずれかに該当するときは、六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。
その4号がこれです。
第七十六条第三項(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定に違反して証明書の交付を拒んだ場合
同じ条の1号には、7条の届出をしなかった場合も入っています。届出をしないことと、証明書の交付を拒むことの両方が、罰則の対象になっているということです。
罰則があることを会社に言えばすぐ出てくる、という話ではありません。 実際に動かすのはハローワークで、そこは上に書いたとおりです。ただ、請求が「お願い」ではなく条文にもとづくものだと分かっていれば、待ち続ける理由が1つ減ります。
「雇用保険に入っていなかった」と言われたら(9条1項)
もっと厄介なのが、会社が「あなたは雇用保険の対象ではなかった」と言う場合です。このときに使えるのが条文です。
被保険者又は被保険者であつた者は、いつでも、次条の規定による確認を請求することができる。
「いつでも」と書かれています。 在職中でも、辞めた後でも、被保険者だったことの確認を自分から請求できます。会社の同意は要りません。
請求を受けた側の扱いも定めてあります。
厚生労働大臣は、第七条の規定による届出若しくは前条の規定による請求により、又は職権で、労働者が被保険者となつたこと又は被保険者でなくなつたことの確認を行うものとする。
届出が無くても、請求か職権で確認が行われます。 つまり、会社が届出を出していないことは、被保険者だったかどうかの判断を止める理由になりません。
加入していたはずなのに手続きがされていなかった場合、さかのぼって適用される扱いがあります。給与明細に雇用保険料の控除があれば、それが動かしにくい材料になります。明細は捨てないでください。

行くときに持っていくもの
仮決定手続きでも、通常の受給資格決定と同じく本人確認などが要ります。離職票の代わりに、退職した事実が分かるものを求められることがあります。
- 本人確認書類(マイナンバーカードなど)
- 退職したことが分かる書類(退職証明書、資格喪失連絡票、社会保険の資格喪失証明書など)
- 雇用保険被保険者証(在職中に交付されていることが多い)
- 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
- 写真(求められる場合)
2つ目が要点です。 退職証明書は請求すれば会社に交付義務があり、離職票より早く手に入ることがあります。請求できる項目と、請求していない事項は書けない決まりについては退職の書類は受け取るものと返すものに整理しました。
必要なものは窓口によって違うので、電話で聞いてから行くほうが確実です。往復が1回減ります。
並行して止まっているもの
離職票が来ないと、失業給付だけでなく健康保険の切替も引っかかります。国民健康保険では、離職理由によって保険料が軽くなる制度があるためです。
ただし、こちらも書類が揃うまで待つ必要はありません。資格そのものは退職日の翌日から発生していて、届出が遅れても遡って加入する扱いになります。10割払った分を後から取り戻す手続きもあります。離職票と健康保険|切替までの空白にまとめました。
期限は書類より先に来ます。 国民年金は14日以内、任意継続は20日以内で、どちらも離職票の到着を待ってくれません。順序は退職後の健康保険と年金|20日と14日に整理しています。
受け取れる金額と日数の前提
そもそも受給できる状態にあるかどうかは、加入期間で決まります。辞めた後では変えられない条件なので、先に確認しておくと動きやすくなります。辞める前に|失業給付の受給要件に整理しました。
離職理由も金額と日数を左右します。会社都合になれば給付制限が付かず、所定給付日数(何日分もらえるか)も長くなります。会社が離職票にどう書いたかで自動的に決まるわけではなく、判定するのはハローワークです。 記載に納得できない場合の手順は離職理由は会社の記載で決まらないにまとめています。
仮決定の段階では離職理由が確定しないため、後から離職票が届いた時点で判定されます。先に仮決定をしておくことが、離職理由を争う権利を狭めることにはなりません。
まとめ
- 失業給付は申し込んだ日が起点。離職票を待つと、その分だけ後ろにずれる
- 受給期間には区切りがあり、遅れると受け取れない分が出ることがある
- 「受給資格の仮決定手続き」があり、行った日にさかのぼって扱われる
- 行けるのは退職日の翌日から12日目以降(大阪のハローワークの案内。地域差を確認する)
- 会社が交付しない場合や事業主が行方不明の場合も、ハローワークが窓口になる
- 被保険者だったことの確認は「いつでも」自分から請求できる(雇用保険法8条)
- 退職証明書は離職票より早く手に入ることがある。給与明細も捨てない
届くのを待っている時間は、そのまま受給の遅れになります。 12日目を過ぎたら、まず電話で聞いてください。
年金の保険料免除は、待っても2年1か月前まで遡れます。
会社が応じないまま止まったとき
ハローワークは会社に交付を求めることができますが、それでも動かない会社があります。そこから先、代わりに会社へ請求できるのは弁護士だけです。根拠は弁護士法72条で、運営元ごとにできることが違います。範囲は退職代行|弁護士と労働組合の違いにまとめました。
先に12日を数えて、ハローワークに相談した記録を作ってください。 そこを飛ばすと、費用をかけずに済んだ場面まで費用をかけることになります。離職票が届かなくても年金の免除は間に合うにまとめました。