労働基準監督署への相談と、申告は別のもの
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残業代や解雇予告手当の不払いを労働基準監督署へ伝えるなら、「相談」と「申告」を分けて考えます。 まず違反に当たるか聞きたいなら相談、法違反について監督官に指導を求めるなら申告です。どちらも未払い金を代わりに取り立てる手続きではありません。
相談から始める
- 何が法違反に当たるかを聞く
- 必要な記録と次の窓口を確かめる
申告する
- 具体的な法違反について監督官に伝える
- 行政指導を求める。回収の代理ではない
まだ違反か分からなければ相談、対象の法違反を伝えるなら申告です。
この記事では、申告できる範囲、会社への伝わり方、持って行く記録、申告後にできることを順に確かめます。
申告は誰が、何についてできるか
労働基準関係の法令違反がある場合、働く人は監督官へ行政指導を求める申告ができます。会社の同意を取る必要はありません。たとえば残業代や解雇予告手当が払われていないときは、支払日・額・働いた時間や予告日をまとめて相談できます。
労働者は、労働基準関係法令違反がある場合には、労働基準監督官に行政指導を求めること(申告)ができます(労働基準法第104条等)。
違反かどうかまだ判断できないときは、窓口で「申告したい」と決め打ちせず、手元の資料で何が確認できるか聞くとよいでしょう。解雇予告手当の日数は解雇予告手当の記事で先に数えられます。
退職後でも申告でき、窓口は近くでよい
すでに会社を辞めていても申告できます。山梨労働局は、退職済みでも可能と案内しています。
労働者の方が退職済みであったとしても、申告は可能ですが、労働基準法などには時効があるのでご注意ください。
申告する監督署は、必ずしも会社の近くでなくて構いません。ただし、調査するのは会社所在地を受け持つ監督署です。
申告はどこの労働基準監督署でしていただいても構いません。ただし、実際の調査は会社の所在地を管轄する労働基準監督署が行います。
転居後なら、今いる場所の近くの窓口から始められます。会社名と所在地、在籍期間、問題のあった支払日をメモして持って行きましょう。監督署へ行く前に電話で必要書類や受付方法を聞いておくと、足りない資料をそろえやすくなります。
相談前に、会社へすでに伝えた内容と、その返事も時系列で残してください。たとえば「9月分の残業代を10月の給与日に確かめた」「11月に人事へ計算根拠を尋ねた」というように、支払期日とやり取りを分けると、窓口で何を調べてほしいのか伝わりやすくなります。額を正確に計算できていなくても、分からない部分をそのまま示して相談できます。
会社へ名前が伝わるかを、申告時に聞く
申告者の名前を会社へ伝えるかは、調査を進めるうえで大切な確認事項です。山梨労働局は、通常は誰からの申告かを会社へ伝えるものの、伝えてよいか本人へ確かめると案内しています。
また、労働基準監督署が調査を行うにあたって、通常、〇〇さんから申告があったということを会社に伝えますが、これを行っていいかについても確認させていただいています。
在職中で名前を出したくないなら、申告の前にその希望をはっきり伝え、調査でどこまで守れるか聞いてください。匿名を希望しても、少人数の職場や特定の勤務日の問題なら、内容から会社が本人を推測することはあり得ます。「名前を出さない」と「誰か分からない」を同じ意味にしないことが大切です。
何を持って行くか
まず、会社を特定できる情報、問題の期間、何が支払われていないかを一枚に書きます。給与明細、雇用契約書、勤怠の記録、会社とのメールなど、手元にあるものを日付順にそろえます。全部そろっていなければ申告できない、と自分で決めないでください。どの資料が必要かを窓口で聞けます。
残業代なら「働いた日と時間」「会社が払った額」「不足と考える理由」を分け、解雇予告手当なら「告げられた日」「解雇日」「会社が示した支払額」を分けます。勤務中の記録が社内システムにしかないときは、自分が適法に手元へ残せる資料を確かめてください。残業時間の記録が少ないときも参考になります。
監督署ができることと、別に求めること
監督署の仕事は、法違反を調べて是正を促すことです。会社が未払い額を払えば結果として解決するときはありますが、監督署があなたの代理で額を交渉したり、強制的に取り立てたりするわけではありません。
監督指導は、法違反等を是正していただくことが目的ですので、是正を確認すれば、監督指導は終了となります。
会社が額を争う、解雇自体の効力を争うなど、個別の請求を進めたいときは別の相談先も考えます。まず無料の総合労働相談コーナーで道筋を聞くこともできます。代理人として交渉や訴訟を頼みたいときは、費用と対象範囲を確かめて弁護士へ相談します。
賃金の請求は時間がたつと時効の問題が生じます。厚生労働省は、賃金の支払期日からの消滅時効について、法定の5年へ延ばしつつ当分の間は3年と説明しています。
賃金請求権についての消滅時効期間を賃金支払期日から5年(これまでは2年)に延長しつつ、当分の間はその期間は3年となります。
月ごとの支払期日をメモし、古い分から先に窓口で確かめてください。相談しただけで期限の問題が解消すると決めつけず、請求の進め方もあわせて聞きましょう。監督署への申告と、未払い金を回収する手続きは、目的を分けて進めてください。
この記事で確かめたこと
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