退職の段取り帳

転職の入社初日までに出す書類と期限

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2026/10/9更新 2026/8/18公開

入社前の提出書類は、法令上の期限と会社が指定する締切を分けて確かめます。健康診断書も一律に提出不要とせず、雇入れ時の健康管理か採用選考か、何のために求められたかを先に確認してください。

会社から届いた一覧には、誰に渡すか、いつまでか、手元にないときの連絡先を控えます。法令にある交付期限と、転職先へ提出する日も同じではありません。

まず三つの期限に分ける

入社前に番号の所在を確かめるもの、最初の給与日前に出すもの、年末調整までにそろえるものは別です。会社からの指定日も合わせて見てください。雇用保険被保険者証は、前の職場で雇用保険に入っていたことを示す書類です。

動く目安確認するもの

  1. 入社前に所在を確認

    年金と雇用保険の番号

    基礎年金番号(または個人番号)と雇用保険被保険者証。会社の提出日を確認する。健康保険の資格は入社日から始まる(健康保険法35条)

  2. 最初の給与日の前日まで

    扶養控除等申告書

    入社日ではない(所得税法194条)

  3. 年末調整まで

    前職の源泉徴収票

    退職の日以後一月以内に交付される(所得税法226条)

準備する時期と、提出に関わる法令上の期限を分ける

基礎年金番号や雇用保険被保険者証が手元にない場合は、入社前に会社へ伝え、照会方法を聞きます。前職の源泉徴収票は退職後に交付されるため、入社初日にないこともあります。

扶養控除等申告書は最初の給与日前まで(所得税法194条)

扶養控除等申告書には、条文に期限があります。

全文を開く(234字)

国内において給与等の支払を受ける居住者は、その給与等の支払者(その支払者が二以上ある場合には、主たる給与等の支払者)から毎年最初に給与等の支払を受ける日の前日までに、次に掲げる事項を記載した申告書を、当該給与等の支払者を経由して、その給与等に係る所得税の第十七条(源泉徴収に係る所得税の納税地)の規定による納税地(第十八条第二項(納税地の指定)の規定による指定があつた場合には、その指定をされた納税地。以下この節において同じ。)の所轄税務署長に提出しなければならない。

長い条文ですが、期限は1か所だけです。「毎年最初に給与等の支払を受ける日の前日までに」。

入社日ではなく、最初の給与日の前日が締切になります。月末締め翌月払いなら、入社から1か月ほど余裕があります。

出さないと、その月の源泉徴収が高いほうの区分で計算されます。年末調整か確定申告で戻りますが、先に手取りが減ります。

「主たる給与等の支払者」とあるとおり、出せるのは1か所だけです。副業がある場合、どちらを主たる勤務先にするかを決めることになります。

源泉徴収票は前の会社から届く(所得税法226条)

年内に転職した場合、前の会社の源泉徴収票が要ります。これも期限が条文にあります。

全文を開く(286字)

居住者に対し国内において第二十八条第一項(給与所得)に規定する給与等(第百八十四条(源泉徴収を要しない給与等の支払者)の規定によりその所得税を徴収して納付することを要しないものとされる給与等を除く。以下この章において「給与等」という。)の支払をする者は、財務省令で定めるところにより、その年において支払の確定した給与等について、その給与等の支払を受ける者の各人別に源泉徴収票二通を作成し、その年の翌年一月三十一日まで(年の中途において退職した居住者については、その退職の日以後一月以内)に、一通を税務署長に提出し、他の一通を給与等の支払を受ける者に交付しなければならない。

「その退職の日以後一月以内」です。年の途中で辞めた場合、翌年1月ではなく、退職から1か月以内に交付されます。

届かないまま入社日を迎えることもありますが、この書類は年末調整までに間に合えば足ります。 焦らなくて構いません。扱いは転職した年の年末調整にまとめました。

保険の書類は入社日から効く(健康保険法35条)

健康保険の資格は入社日から始まります。

全文を開く(123字)

被保険者(任意継続被保険者を除く。以下この条から第三十八条までにおいて同じ。)は、適用事業所に使用されるに至った日若しくはその使用される事業所が適用事業所となった日又は第三条第一項ただし書の規定に該当しなくなった日から、被保険者の資格を取得する。

入社日そのものからです。だから資格取得の届出に必要な情報は、初日までに揃えておくと手続きが止まりません。

具体的には基礎年金番号、または個人番号です。年金手帳や基礎年金番号通知書は、探すのに時間がかかることがあります。分からない場合は年金事務所で照会できます。

保険証が手元に届くまでの間に病院へ行くときは入社直後に保険証が無いまま病院に行くときにまとめました。

雇用保険の側で要るもの

雇用保険では、前の勤め先での加入記録を引き継ぎます。そのために雇用保険被保険者証(雇用保険に入っていたことを示す書類)を出します。

在職中に会社が預かっていることが多く、退職時に返されます。手元に無い場合の動き方は雇用保険被保険者証が手元にないときにまとめました。会社を通さずに本人が照会できます。

会社が作る書類もある(労働基準法107条)

こちらが出すものだけでなく、会社の側に義務がある書類もあります。

使用者は、各事業場ごとに労働者名簿を、各労働者(日日雇い入れられる者を除く。)について調製し、労働者の氏名、生年月日、履歴その他厚生労働省令で定める事項を記入しなければならない。

労働者名簿は会社が作ります。 氏名や生年月日を求められるのはこのためです。

労働条件の明示も会社の義務です。

全文を開く(123字)

使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。

書面が出ていないなら、初日に求めてよいということになります。確認する項目は労働条件通知書で確認する項目にまとめました。

住民税をどうするかも初日に聞かれる

書類とは別に、住民税の扱いを聞かれることがあります。前の会社を辞めた時期によって、いま自分がどの方法で払っているかが変わります。

給与から引かれる形(特別徴収)を続けるなら、前の会社と新しい会社の間で切替の手続きが要ります。自分で納める形(普通徴収)に切り替わっている場合は、納付書が届いています。

どちらになっているかを把握しないまま「特別徴収でお願いします」と答えると、二重に引かれることがあります。手元の納付書を確かめてから答えてください。

仕組みは退職後の住民税にまとめました。

健康診断書は、目的を分けて確認する

健康診断は、目的を確かめて準備

雇入れ時の健康診断
常時使用する労働者を雇い入れる際の実施義務。健康管理のためのものです。
採用選考時の検査
雇入れ時の義務と別です。選考で求められた目的・項目を確認します。
会社へ確認すること
図の根拠:東京労働局の健康診断案内と大阪労働局の採用選考の案内を基に整理。受診の可否や採否を判断する図ではありません。

健康診断書を、法律上の根拠がない会社独自の書類として一括りにすることはできません。東京労働局の健康診断案内は、雇入れ時について次のように説明しています。

常時使用する労働者を雇入れる際、健康診断を実施しなければなりません。

ただし、雇入れ時の健康診断と、応募者を選ぶための検査は別です。大阪労働局の採用選考時の案内は、雇入れ時の検査は、どこで働くかを適切に決め、働き始めた後の健康を管理するためで、採用選考時の実施を義務づけるものではないと説明しています。選考時には、職務との関係で合理的・客観的な必要性を慎重に検討するよう求めています。

会社へは、何のための診断か、指定の医療機関や用紙があるか、必要な項目、提出先と締切を確認します。目的が不明なまま受診を手配したり、反対に「会社の独自ルールだから出さなくてよい」と決めたりしないようにします。

すでに健康診断を受けている場合は、いつ受けたか、結果の書類があるかを伝えます。東京労働局の案内には、受診から3か月以内で結果を証明する書類を提出した場合の項目省略が示されています。手元の結果があれば全部省略できると判断せず、会社へ必要な項目を照合してもらってください。

受けるまでに時間がかかりそうなら、予約できる日と、結果が出るのはいつかを会社へ伝え、提出時期を確認できます。ここで健康状態や採用の可否を診断することはできません。選考で求められた理由が分からないときは、公正な採用選考での確認事項も参考にし、公的な相談窓口へ事情を伝えられます。

費用を自分で立て替える案内なら、精算に必要なものも予約前に聞きます。健康診断の費用と受診時間の扱いで、会社へ確認する文と、病院への支払い・受診時間の賃金の違いを整理しました。

ほかの提出書類も、利用目的を聞く

身元保証書など、会社が求める書類についても、何に使うか、誰の情報が必要か、提出方法を確認します。書類名だけを理由に一律に不要と判断する記事ではありません。戸籍など本人の適性・能力に関わらない情報を採用選考で把握しないよう求める案内と、入社後の事務手続きは分けて考えます。

戸籍の証明は無料で取れる(労働基準法111条)

戸籍に関する証明を求められることがあります。労働基準法には、その費用について条があります。

労働者及び労働者になろうとする者は、その戸籍に関して戸籍事務を掌る者又はその代理者に対して、無料で証明を請求することができる。

「労働者になろうとする者」なので、まだ入社していない人も入ります。同じ条の後段は、会社の側が請求する場合も同じだとしています。

窓口で言うのは「労働基準法111条の無料証明です」で足ります。役所の側は条文で決まっている扱いなので、理由を細かく説明する必要はありません。

ただし、この条が決めているのは費用だけです。戸籍の証明を出す義務があるかどうかとは別の話になります。求められた理由が分からないなら、先に何に使うのかを聞くところは変わりません。

有給と保険証は入社後の話

入社日が決まると、その先の期限も出てきます。有給が付くのは半年後で、日数の数え方には条件があります。有給休暇の付与日数|転職先では6か月からにまとめました。

入社日そのものの決め方は入社日は退職日の翌日にできるかにあります。退職日の翌日にすると、健康保険の切り替えが要らなくなります。

この記事で確かめたこと

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