失業保険はいくらもらえるか|上限額は毎年8月に変わる
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辞めるかどうかを決めるとき、いちばん知りたいのは金額です。ただ、失業給付の額は1つの数字では出てきません。3つを順に決めていく形になっています。
このページは、その順序と、金額を見るときに必ず確認すべき日付をハローワークの記載から整理します。
何のための給付か
前提として、目的が明記されています。
雇用保険の被保険者の方が、定年、倒産、契約期間の満了等により離職し、失業中の生活を心配しないで、新しい仕事を探し、1日も早く再就職していただくために支給されるものです。
「新しい仕事を探し」が入っています。 休むための制度ではないので、求職活動が前提になります。ここが受給の可否そのものに関わる部分です。

金額は3つの掛け算で決まる
順に決めていきます。
| 決める順 | 何が決まるか | 何で決まるか |
|---|---|---|
| 1 | 基本手当日額 | 直前6か月の賃金と年齢 |
| 2 | 所定給付日数 | 離職理由・加入期間・年齢 |
| 3 | いつから受け取れるか | 待期7日と給付制限 |
3つ目は金額ではありませんが、手元に入る時期を決めます。総額が同じでも、入るのが1か月先か2か月先かで、必要な貯金は変わります。
1日あたりの額
まず呼び方が決まっています。
雇用保険で受給できる1日当たりの金額を「基本手当日額」といいます。
計算の元になるのは、直前6か月の賃金です。
この「基本手当日額」は原則として離職した日の直前の6か月に毎月きまって支払われた賃金(つまり、賞与等は除きます。)の合計を180で割って算出した金額(これを「賃金日額」といいます。)のおよそ50~80%(60歳~64歳については45~80%)となっており、賃金の低い方ほど高い率となっています。
ここから読み取れることを分けて見ます。
賞与は入りません。 年収に占める賞与の割合が大きい人ほど、年収から想像する額とのずれが大きくなります。
割るのは180です。 6か月分を180で割るので、1日あたりの賃金が出ます。月給を30で割った額に近い数字になります。
率は一定ではありません。 およそ50〜80%の幅があり、賃金の低い人ほど高い率になると書かれています。「一律6割」ではありません。
上限額があり、毎年8月に変わる
高い賃金だった人ほど、率よりも上限のほうが効いてきます。
基本手当日額は年齢区分ごとにその上限額が定められており、現在は次のとおりとなっています。
金額の表には日付が添えられています。
(令和8年8月1日現在)
この日付が要点です。 上限額は毎年8月1日付で見直されるため、どの時点の数字かを確認せずに読むと古い額を前提にすることになります。
同じ日付時点の上限額は次のとおりです。
年齢区分基本手当日額の上限
- 30歳未満7,450円
- 30歳以上45歳未満8,270円
- 45歳以上60歳未満9,110円
- 60歳以上65歳未満7,830円
60歳以上65歳未満だけ、45歳以上60歳未満より低くなっています。率の下限も45%からとされていて、この区分だけ扱いが違います。
表が65歳未満で終わっているのは、65歳以上で辞めた場合が別の給付になるためです。日額ではなく一時金で出る形は高年齢求職者給付金は一時金で出るにまとめました。
このページの数字も、来年の8月には古くなります。実際に手続きをするときは、上の出典で日付ごと確認してください。
何日分もらえるか
日額が出たら、次は日数です。これは賃金ではなく、離職理由で大きく変わります。
会社都合にあたる区分になれば給付制限が付かず、所定給付日数(何日分もらえるか)も自己都合より長くなります。会社が離職票にどう書いたかで自動的に決まるわけではありません。判定の仕組みと、区分によって日数がどれだけ変わるかは離職理由は会社の記載で決まらないに整理しました。
そもそも受給できる状態にあるかどうかは、加入期間で決まります。辞めた後では変えられない条件なので、金額より先に確認してください。辞める前に|失業給付の受給要件にまとめています。
いつから入るか
自己都合で辞めた場合、待期の7日間に加えて給付制限があります。起算点と条文の幅は失業保険はいつから受け取れるかにまとめました。2025年4月以降の退職なら原則1か月です。
申し込んだ日が起点になります。 離職票が届くのを待つと、その分だけ後ろにずれます。届かないまま先に手続きを始める方法は離職票が届かない|仮決定手続きで待たないに整理しました。
受け取れる期間にも区切りがあり、原則は離職の翌日から1年です。その中で受け取り切れなかった分は消えます。

増える場合がある
所定給付日数が終わっても支給が続く仕組みがあります。ハローワークの指示で公共職業訓練を受ける場合です。給付制限も解除されます。
条件と申し込みの順序は職業訓練と失業給付|給付制限の解除にまとめました。金額を増やす方法としては、これがいちばん確実です。
早く決まった場合に残りの一部が戻る仕組みもあります。再就職手当|早く決まると残りが戻るに整理しています。受け取り切ることより、早く決めたほうが得になる設計です。
正確な額がいつ分かるか
ここまでの計算は目安です。率が「およそ50〜80%」と幅で示されているとおり、自分の額を事前にぴったり出すことはできません。
確定するのは、ハローワークで受給資格が決定されたときです。計算の元になる賃金は離職票に記載されており、その内容をもとに判定されます。離職票が届いたら、賃金の記載も見てください。 離職理由だけでなく、ここが実際の金額を決めています。
記載に心当たりが無い場合は、その場で相談できます。 直前6か月に休職や欠勤が多かった人、給与体系が途中で変わった人は、自分の感覚と食い違いやすいところです。
受け取りながら働くと減る
受給中にアルバイトをすると、働いた時間と収入に応じて調整されます。申告しないまま働くと不正受給になり、返還に加えて納付を命じられることがあります。
働いてよい範囲と、申告の仕方は失業保険とバイト|4時間と20時間に整理しました。「少しなら大丈夫」という線は自分で引けません。
生活費との比較で見る
金額が分かったら、出ていくほうと並べてください。辞めた翌日から、健康保険料と国民年金が自分の負担になります。住民税は前年の所得で決まるため、収入が無い年に前年並みの請求が来ます。
期限と金額の考え方は仕事を辞めてから転職するか、在職中に動くかに整理しました。給付だけで計算すると足りません。
日数のほうを増やせないかを調べている場合、「延長」という言葉には注意が要ります。受け取れる期間を延ばすものと、給付日数そのものを増やすものが別の制度です。違いは失業保険の延長|期間と日数は別に整理しました。
まとめ
- 金額は「基本手当日額(1日あたりの額) × 所定給付日数」で、受け取り始める時期が別に決まる
- 基本手当日額は、直前6か月の賃金を180で割った額のおよそ50〜80%(60〜64歳は45〜80%)
- 賞与は計算に入らない
- 年齢区分ごとに上限額があり、毎年8月1日付で見直される
- 日数は賃金ではなく離職理由・加入期間・年齢で決まる
- 職業訓練を受けると、所定給付日数が終わっても支給が続く
金額を見るときは、必ず「いつ時点の数字か」を一緒に見てください。