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失業保険は自己都合だといつから受け取れるか

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この記事の見出し(11)
  1. 待期の7日は、求職の申込みから数える
  2. 給付制限は条文では幅がある
  3. 5年で2回目だと3か月になる
  4. 訓練を受けると給付制限が外れる
  5. 会社都合なら給付制限は付かない
  6. 実際に振り込まれるまでに挟まるもの
  7. 認定日に行けないとき(雇用保険法15条4項)
  8. 自分の日付は計算できる
  9. 待っている間の生活をどうするか
  10. まとめ
  11. 待っている期間にできること

「辞めてから何日で振り込まれるか」は、辞めた日からは数えられません。条文が数え始める日が別のところにあるためです。

  1. 離職後、最初に公共職業安定所に求職の申込みをした日
  2. 7日待期

    失業している日を通算。連続していなくてよい(21条)

  3. 1〜3か月給付制限

    自己都合のとき。条文は「一箇月以上三箇月以内」で、原則は下限の1か月(33条)

  4. 基本手当の支給が始まる
5年のうちに2回以上、自己都合で受給資格決定を受けた
給付制限は3か月
指示された公共職業訓練等を受ける
給付制限がかからない(33条ただし書き1号)
基本手当が始まるまで(雇用保険法21条・33条)。数え始めるのは離職日ではない

待期の7日は、求職の申込みから数える

「待機期間」と書かれることが多いのですが、条文の言葉は待期(たいき)です。同じものを指しています。以下は条文の表記に合わせます。

給付制限が明けるまでは、面接の旅費や引っ越し代を出す制度も使えません。中身は広域求職活動費と移転費|面接と引っ越しの費用が出るにあります。

雇用保険法21条です。

基本手当は、受給資格者が当該基本手当の受給資格に係る離職後最初に公共職業安定所に求職の申込みをした日以後において、失業している日(疾病又は負傷のため職業に就くことができない日を含む。)が通算して七日に満たない間は、支給しない。

起算点は「離職後最初に公共職業安定所(ハローワーク、ハロワ)に求職の申込みをした日」です。離職日ではありません。 手続きに行くのが遅れれば、その分だけ後ろにずれます。

もう1つ、「通算して七日」と書かれています。連続していなくてもよい代わりに、失業している日でなければ数に入りません。

だから待期を早く終わらせたいなら、離職票が届いてから動くのではなく、届く前にできることを先にやるほうが効きます。離職票が遅れているときの請求のしかたは離職票が届かないときに使える条文にまとめました。

求職の申込みから数える待期の短い期間と、その後に重なる自己都合の給付制限の長さの違いを、矢印でつないだ二本の並行するタイムラインとカレンダーや求職を示すアイコン、金銭のアイコンで示したイメージ図です

給付制限は条文では幅がある

自己都合で辞めた場合は、待期のあとにもう1つ期間が乗ります。33条です。

被保険者が自己の責めに帰すべき重大な理由によつて解雇され、又は正当な理由がなく自己の都合によつて退職した場合には、第二十一条の規定による期間の満了後一箇月以上三箇月以内の間で公共職業安定所長の定める期間は、基本手当を支給しない。

条文の数字は「一箇月以上三箇月以内」です。 1か月とは書かれていません。実際の長さは公共職業安定所長が定めます。

厚生労働省は運用をこう示しています。

退職日が令和7年4月1日以降である場合は原則1か月、同年3月31日以前である場合は原則2か月です。

つまり広く言われている「1か月」は、条文が決めた数字ではなく、条文が置いた幅の下限を運用が採っている状態です。比較サイトに「2か月」と書かれたままのものが残っているのは、この変更が反映されていないためです。

5年で2回目だと3か月になる

原則1か月には条件が付いています。厚生労働省の同じページです。

ただし、退職日から遡って5年間のうちに2回以上正当な理由なく自己都合退職し受給資格決定を受けた場合、給付制限は3か月となります。

数えるのは退職した回数ではなく、受給資格の決定を受けた回数です。 辞めても手続きをしていなければ数に入りません。

条文が「一箇月以上三箇月以内」と幅を置いているのは、この振り分けのためです。1か月と3か月のどちらになるかは、過去5年の履歴で決まります。

「自己都合は3ヶ月待つ」と覚えている場合は、いつの話かを確かめてください。 上に引いた厚生労働省の記載のとおり、いまの原則は退職日で分かれます。2025年4月1日以降なら1か月、2025年3月31日以前なら2か月です。3ヶ月になるのは「5年で2回目」に当たるときだけで、原則の側ではありません。

古い説明が残っているページも多いので、数字を見たら書かれた日付と、自分の退職日を突き合わせてください。

訓練を受けると給付制限が外れる

33条にはただし書きがあり、対象になる人が号で並んでいます。その1号です。

一公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受ける受給資格者(次号に該当する者を除く。)

指示された公共職業訓練を受ける期間と、受け終わった後の期間については、給付制限が適用されません。待つのではなく、訓練を受けることで期間が消えるという作りです。

2号と3号には、教育訓練給付の対象になる訓練を離職前1年以内に受けた場合と、離職後に受ける場合が置かれています。自分で受けた訓練も対象になりうる、ということです。

訓練の種類と申し込み方は公共職業訓練は失業給付を受けながら通える、教育訓練給付のほうは教育訓練給付金の対象になる講座にまとめました。

訓練に通うかどうかは、給付が始まる時期にも効きます。 辞めてから考えるより、辞める前に窓口で聞いておくほうが選べる幅が広くなります。

会社都合なら給付制限は付かない

33条が対象にしているのは、重大な理由による解雇と、正当な理由のない自己都合退職です。会社都合や、正当な理由のある自己都合はここに入りません。

離職理由がどちらになるかは会社の記載だけで決まりません。判定の材料は離職理由の判定はどこで決まるかにまとめました。

この判定は、待つ期間が1か月変わるだけの話ではありません。所定給付日数(何日分もらえるか)も変わります。会社都合退職の扱いは会社都合退職のデメリットにあります。

実際に振り込まれるまでに挟まるもの

期間が終われば自動で振り込まれるわけではありません。失業の認定という手続きが挟まります。

順番何が起きるか
1ハローワークで求職の申込みと受給資格の決定
2待期7日(21条)
3自己都合なら給付制限(33条)
4認定日ごとに失業の認定を受ける
5認定された日数分が振り込まれる

認定の間隔は雇用保険法15条3項が決めています。

失業の認定は、求職の申込みを受けた公共職業安定所において、受給資格者が離職後最初に出頭した日から起算して四週間に一回ずつ直前の二十八日の各日について行うものとする。

4週間に1回、直前の28日ぶんをまとめて認定します。起点は離職後に最初に出頭した日なので、認定日が何曜日になるかはその日で決まります。

認定は過去の期間について行うので、認定日が来るまでの分がまとめて後払いになります。 先に払われることはありません。

認定を受けるには求職活動の実績が要ります。何が実績になるかは求職活動実績になるものにまとめました。

訓練を受けることで給付制限が外れる流れと、会社都合なら制限が付かず支払いに直結する別の経路を矢印とアイコンで比較して示したイメージ図です

認定日に行けないとき(雇用保険法15条4項)

認定日に出頭しないと、その回の分は認定されません。ただし理由によっては、証明書を出して受けられます。

受給資格者は、次の各号のいずれかに該当するときは、前二項の規定にかかわらず、厚生労働省令で定めるところにより、公共職業安定所に出頭することができなかつた理由を記載した証明書を提出することによつて、失業の認定を受けることができる。

同じ雇用保険法15条4項の1号が、病気やけがの場合です。

一疾病又は負傷のために公共職業安定所に出頭することができなかつた場合において、その期間が継続して十五日未満であるとき。

十五日未満という区切りが置かれています。これを超えて働けない状態が続くときは、この証明書ではなく別の給付に移ります。仕組みは雇用保険の傷病手当にまとめました。

面接に行っていた場合、指示された訓練を受けていた場合、天災の場合も同じ項に並んでいます。どれも「行けなかったから打ち切り」ではありません。

誰に書いてもらうかは、理由ごとに決まっている

「証明書」とだけ書かれていますが、中身は雇用保険法施行規則に分かれて置かれています。理由ごとに、書く人が違います。

病気やけがは規則25条です。

次の各号に掲げる事項を記載した医師その他診療を担当した者の証明書を提出しなければならない。

面接は規則26条で、ここがいちばん見落とされます。

求人者に面接した後における最初の失業の認定日に管轄公共職業安定所に出頭し、受給資格者証を添えて(当該受給資格者が受給資格通知の交付を受けた場合にあつては、個人番号カードを提示して)次の各号に掲げる事項を記載したその求人者の証明書を提出しなければならない。

書くのは求人者、つまり面接を受けた会社のほうです。 自分で「面接に行っていました」と書いて出すものではありません。面接が終わってから頼むのは気まずいので、日程が認定日と重なった時点で伝えておくほうが早いです。

天災その他やむを得ない理由は規則28条です。

次の各号に掲げる事項を記載した官公署の証明書又は管轄公共職業安定所の長が適当と認める者の証明書を提出しなければならない。

役所の証明書か、安定所の長が適当と認める人の証明書、という二段構えになっています。

行けなかった理由誰の証明書か

  1. 病気・けが医師その他診療を担当した者氏名と年齢、傷病の状態または名称と程度、初診の年月日、治ゆの年月日を書く
  2. 求人者との面接その求人者(面接を受けた会社)氏名と年齢、求人者の氏名と住所、面接した日時を書く
  3. 指示された訓練の受講公共職業訓練等受講証明書様式第十五号。訓練を行う施設から出る
  4. 天災その他やむを得ない理由官公署、または安定所の長が適当と認める者氏名と住所、理由の内容と継続した期間、出頭できなかった期間を書く
証明書を誰が書くかは、行けなかった理由ごとに分かれている(雇用保険法施行規則25条から28条)

出すのは、その理由がやんだ後の最初の認定日です。電話で連絡して終わり、という形にはなりません。次の認定日に持っていくものが決まっています。

自分の日付は計算できる

上の順番は決まっているので、退職日が分かれば日付を出せます。このサイトの退職の手続き期限ツールに退職日を入れると、関係する期限をまとめて出せます。

ただしツールが出すのは条文と運用から計算できる範囲です。給付制限の長さは公共職業安定所長が定めるので、確定するのは受給資格の決定を受けたときです。そこで渡される受給資格者証に、認定日と給付制限の期間が書かれます。

待っている間の生活をどうするか

給付制限がある場合、離職から最初の振込まで2か月前後になることがあります。その間の社会保険料と住民税は止まりません。

  • 健康保険をどうするか(任意継続か国民健康保険か)
  • 国民年金の保険料をどうするか
  • 住民税は退職の時期によって一括徴収になることがある

順番と選び方は退職後の健康保険と年金退職時の住民税は一括徴収になることがあるに分けて書きました。

給付が始まる日より先に、支払いのほうが来ます。 順番を知っておくと備えられます。

認定のときの申告と、間違えたときの扱いは失業保険の不正受給と3倍返しの条文にまとめました。

まとめ

  • 待期7日の起算点は離職日ではなく、求職の申込みをした日(21条)
  • 給付制限は条文では「一箇月以上三箇月以内」。長さは公共職業安定所長が定める
  • 厚生労働省は退職日が令和7年4月1日以降なら原則1か月としている
  • 会社都合や正当な理由のある自己都合には給付制限が付かない
  • 認定日ごとの後払いなので、期間が終わってすぐ振り込まれるわけではない

給付制限の長さや離職理由の判定に納得できないときは、窓口で終わりではありません。雇用保険審査官への審査請求という段階があり、期限は原処分を知った日の翌日から3か月です。手順は失業保険の決定に納得できないときの不服申立てにまとめました。

待っている期間にできること

給付制限のあいだも、求職活動の実績は積めます。というより、基本手当を受けるには求職活動の実績が要ります。 待期や給付制限が明けてから始めると、認定日までに間に合わないことがあります。

数え方は求職活動実績は何をすれば1回かにまとめました。

待っているあいだにできることとして、職業紹介を行う事業者への登録があります。JAIC就職カレッジは、就職を支援する講座と面接会を無料で用意していると公式サイトで案内しています。給付制限が明けてから探し始めるより、待っているあいだに動いておくほうが認定日に間に合います。

対象になる年齢と、就職を希望する地域には条件があります。申し込む前に下の範囲を見てください。

出典