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就職浪人は新卒枠に応募できる

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この記事の見出し(9)
  1. 卒業後3年間は新卒枠
  2. 「努めること」の意味
  3. 3年を過ぎたらどうなるか
  4. 雇用保険との関係
  5. 求人票で見るところ
  6. 内定・内々定でつまずいた場合
  7. 相談できる先を分けて考える
  8. 空白期間をどう説明するか
  9. まとめ

就職先が決まらないまま卒業すると、次の年から「新卒ではない」と扱われるのか。ここが分からないまま動くと、応募先の選び方を間違えます。

厚生労働省は、新卒枠で受け付けるよう事業主に求めています。 このページは、その根拠と、どこまでが「努めること」なのかを確認します。

卒業後3年間は新卒枠

厚生労働省のリーフレットは、指針の内容をこう示しています。

既卒者が卒業後少なくとも3年間は応募できるように努めること

起点は卒業日で、期間は3年です。 卒業した年度の就職活動が終わったら終わり、という組み立てにはなっていません。

年齢についても同じ指針に置かれています。

できる限り上限年齢を設けないように努めること

留年や浪人で年齢が上がっている場合、ここが効いてきます。

ただしこれは指針で、求人に年齢を書けるかどうかは別の決まりです。書ける場合は省令に限定列挙されています。一覧は40代の転職で求人に年齢制限を書ける条件にあります。

理由も書かれています。

意欲・能力があるにも関わらず、在学中に就職先が決まらないまま卒業せざるを得なかった方に対し、新卒採用の門戸を閉ざすことは、学生だけではなく会社にとっても大きな損失です。

会社側の損失として説明されているのがこの資料の書き方です。既卒者を救済するという建て付けではありません。

卒業後の一定期間を新卒枠として企業に受け入れを求める方針を、卒業帽から企業へ矢印でつなぎ、一定期間を示す括りと方針を示す書類や天秤のアイコンで表したイメージ図です

「努めること」の意味

押さえておく必要があるのは、これが努力義務として書かれている点です。違反したから直ちに違法になる、という規定ではありません。

したがって、実際には次のように分かれます。

指針に沿っている

  • 既卒でも新卒枠で応募できる

沿っていない

  • 新卒枠が「卒業見込み」に限定されている

違うのは会社が指針に従っているかどうか。募集要項を見て、どちらかを先に判別する

指針は会社を縛る形になっていないので、対応は分かれる

募集要項を見て、どちらかを先に判別してください。「卒業後3年以内の既卒者も応募可」と明記している会社は、指針に沿っています。書いていない場合は、問い合わせて確認するのが早くなります。

指針に沿っているかどうかは、その会社が若手をどう扱うかの手がかりにもなります。門戸を閉じている会社に無理に応募するより、開いている会社を数えるほうが早く終わります。

3年を過ぎたらどうなるか

指針が求めているのは3年間なので、そこを過ぎると新卒枠での応募は前提にできなくなります。ただし応募先が無くなるわけではありません。中途採用の枠に移るだけです。

このとき効いてくるのが、既卒・第二新卒を対象にした窓口の存在です。年齢の上限を29歳前後に置いているところが多く、新卒枠の3年より長く使えます。下の窓口はいずれも既卒を対象に含めていて、対象年齢を明記しています。

逆に言えば、3年を過ぎる前に一度は相談しておくほうが選択肢が広いということです。新卒枠と既卒向けの窓口を両方使える期間は、卒業から3年までに限られます。

雇用保険との関係

在学中に就職していなければ、雇用保険の被保険者だった期間がありません。そのため失業給付は受けられません。求職者支援制度など、雇用保険を受けられない人向けの制度のほうが対象になります。

対象と要件は職業訓練と失業給付|給付制限の解除に整理しました。月10万円の給付金には収入と資産の要件があるので、そこを先に見てください。

一度就職して短期間で辞めた場合は事情が変わります。被保険者期間(雇用保険に入っていた期間)の数え方は辞める前に|失業給付の受給要件にあります。

求人票で見るところ

新卒枠で応募できるとしても、条件そのものは書面で確認することになります。職業安定法は、募集する側に労働条件の明示を義務づけています。

条件を変えて契約しようとする場合は変更の明示が必要とされていて、見るべき順序は求人票の見方|違う条件なら明示義務があるに整理しました。求人票は広告ではなく、明示義務の対象になる書面です。

内定が出た後に渡される書面で見る項目は労働条件通知書で確認する項目にまとめました。2024年4月から就業場所・業務の変更の範囲が明示事項に加わっています。

経歴の空白期間をタイムラインの空欄に学習、職業訓練、海外経験、介護などのアイコンで埋め、企業へ説明する方法を矢印で示したイメージ図です

内定・内々定でつまずいた場合

前の年に内定まで進んで取り消された、という経緯で就職浪人になることもあります。内定の取消しは解雇として扱われるので、会社が自由に決められるものではありません。手順は内定取り消しは解雇にあたるにあります。

内々定の段階だった場合も、何も残らないわけではありません。契約が成立していなくても期待権の侵害として損害賠償が認められうる、という整理です。境目は内々定を取り消されたときに残るものに書きました。

相談できる先を分けて考える

公的な窓口としては、新卒応援ハローワークや、卒業した大学のキャリアセンターがあります。費用がかからず、求人の紹介と相談の両方を扱います。

民間の職業紹介を使う場合、費用を負担するのは求職者ではなく企業側です。その仕組みと、そこから生まれる利害のずれは転職エージェントはなぜ無料なのかで条文をたどりました。紹介実績や行政処分の有無を公開データで確かめる方法は実績は人材サービス総合サイトで見られるにあります。

両方を同時に使って構いません。公的窓口は求人の幅が広く、民間は面談の時間を長く取ることが多い、という違いがあります。

空白期間をどう説明するか

面接では、卒業後の期間について聞かれます。ここは事実を短く述べて、そのあと何をしていたかに時間を使うほうが伝わります。

聞かれる範囲と、答えなくてよいことの線引きは退職理由を面接でどう伝えるか|聞かれる範囲に整理しました。在職者向けに書いた記事ですが、聞かれる範囲の考え方は同じです。

アルバイトを続けながら正社員を目指す場合は、今の勤め先で正社員になる道も条文で用意されています。フリーターが正社員になる二つの道にまとめました。

まとめ

  • 厚生労働省は、既卒者が卒業後少なくとも3年間は新卒枠に応募できるよう努めることを事業主に求めている
  • できる限り上限年齢を設けないように努めることも同じ指針にある
  • ただしこれは努力義務。沿っていない会社もある
  • 募集要項に「卒業後3年以内の既卒者も応募可」とあるかで、先に判別できる
  • 資料は、門戸を閉ざすことを会社側の損失として説明している
  • 求人票は広告ではなく、職業安定法の明示義務の対象
  • 新卒応援ハローワークと民間の紹介は、同時に使って構わない

卒業した時点で新卒枠が閉じるわけではありません。まず募集要項の書き方を確かめてください。

出典